Oracle Solaris Studio 12.2: dbx コマンドによるデバッグ

collector コマンド

collector コマンドは、パフォーマンスアナライザによって分析するパフォーマンスデータを収集します。ネイティブモードでだけ有効です。

構文

collector command_list

1 個または複数の collector コマンドを指定します。

collector archive options

終了したときに実験をアーカイブ化するモードを指定します (collector archive コマンド」参照)。

collector dbxsample options

dbx がターゲットプロセスを停止したときのサンプルの収集を制御します (collector dbxsample コマンド」参照)。

collector disable

データ収集を停止して現在の実験をクローズします (collector disable コマンド」参照)。

collector enable

コレクタを使用可能にして新規の実験をオープンします (collector enable コマンド」参照)。

collector heaptrace options

ヒープトレースデータの収集を有効または無効にします (collector heaptrace コマンド」参照)。

collector hwprofile options

ハードウェアカウンタプロファイル設定値を指定します (collector hwprofile コマンド」参照)。

collector limit options

記録されているプロファイルデータの量を制限します (collector limit コマンド」参照)。

collector mpitrace options

MPI トレースデータの収集を有効または無効にします (collector mpitrace コマンド」参照)。

collector pause

パフォーマンスデータの収集は停止しますが、実験はオープン状態のままとします (collector pause コマンド」参照)。

collector profile options

呼び出しスタックプロファイルデータを収集するための設定値を指定します (collector profile コマンド」参照)。

collector resume

一時停止後、パフォーマンスデータの収集を開始します (collector resume コマンド」参照)。

collector sample options

標本設定値を指定します (collector sample コマンド」参照)。

collector show options

現在のコレクタ設定値を表示します (collector show コマンド」参照)。

collector status

現在の実験に関するステータスを照会します (collector status コマンド」参照)。

collector store options

ファイルの制御と設定値を実験します (collector store コマンド」参照)。

collector synctrace options

スレッド同期待ちトレースデータの設定値を指定します (collector synctrace コマンド」参照)。

collector tha options

スレッドアナライザデータ収集の設定値を指定します (collector tha コマンド」参照)。

collector version

データ収集に使用される libcollector.so のバージョンを 報告します (collector version コマンド」参照)。

ここで

options は、各コマンドで指定できる設定値です。

データの収集を開始するには、collector enable と入力します。

データ収集を停止するには、collector disable と入力します。

collector archive コマンド

collector archive コマンドは、実験が終了したときに使用するアーカイブモードを指定します。

構文

collector archive on|off|copy

デフォルトでは通常のアーカイブが使用されます。アーカイブしない場合は、off を指定します。ロードオブジェクトを実験にコピーするには、copy を指定します。

collector dbxsample コマンド

collector dbxsample コマンドは、プロセスが dbx によって停止された場合に、標本を記録するかどうかを指定します。

構文

collector dbxsample on|off

デフォルトでは、プロセスが dbx によって停止された場合に標本を収集します。収集しない場合は、off を指定します。

collector disable コマンド

collector disable コマンドは、データ収集を停止して現在の実験をクローズします。

構文

collector disable

collector enable コマンド

collector enable コマンドは、コレクタを使用可能にして新規の実験をオープンします。

構文

collector enable

collector heaptrace コマンド

collector heaptrace コマンドは、ヒープのトレース (メモリーの割り当て) データの収集オプションを指定します。

構文

collector heaptrace on|off

デフォルトでは、ヒープのトレースデータは収集されません。このデータを収集するには、on を指定します。

collector hwprofile コマンド

collector hwprofile コマンドは、ハードウェアカウンタオーバーフロープロファイルデータ収集のオプションを指定します。

構文

collector hwprofile on|off

デフォルトの場合、ハードウェアカウンタオーバーフロープロファイルデータは収集されません。このデータを収集するには、on を指定します。

collector hwprofile list

利用できるカウンタのリストを出力します。

collector hwprofile counter name interval [name2 interval2]

ハードウェアカウンタ名と間隔を指定します。

ここで

name は、ハードウェアカウンタの名前です。

interval は、ミリ秒単位による収集間隔です。

name2 は、第 2 ハードウェアカウンタの名前です。

interval2 は、ミリ秒単位による収集間隔です。

ハードウェアカウンタはシステム固有であるため、どのようなカウンタを利用できるかはご使用のシステムによって異なります。多くのシステムでは、ハードウェアカウンタオーバーフロープロファイル機能をサポートしていません。こういったマシンの場合、この機能は使用不可になっています。

collector limit コマンド

collector limit コマンドは、実験ファイルのサイズの上限を指定します。

構文

collector limit value

ここで

value - メガバイト単位。記録されているプロファイルデータの量を制限します。制限に達すると、それ以上のプロファイルデータは記録されませんが、実験はオープンのままで標本ポイントの記録は継続します。記録されるレコードのデフォルトの制限値は 2000M バイトです。

collector mpitrace コマンド

collector mpitrace コマンドは、MPI のトレースデータの収集オプションを指定します。

構文

collector mpitrace on|off

デフォルトでは、MPI のトレースデータは収集されません。このデータを収集するには、on を指定します。

collector pause コマンド

collector pause コマンドはデータ収集を停止しますが、現在の実験はオープン状態のままとします。コレクタが一時停止している間、標本ポイントは記録されません。サンプルは一時停止の前に生成され、再開直後に別のサンプルが生成されます。collector resume コマンドを使用すると、データ収集を再開できます (collector resume コマンド」参照)。

構文

collector pause

collector profile コマンド

collector profile コマンドは、プロファイルデータ収集のオプションを指定します。

構文

collector profile on|off

プロファイルデータ収集モードを指定します。

collector profile timer interval

プロファイルタイマー時間を固定ポイントまたは浮動小数点で、オプションの m (ミリ秒の場合) または u (マイクロ秒の場合) を付けて指定します。

collector resume コマンド

collector resume コマンドは、collector pause コマンドによる一時停止のあと、データ収集を再開します (collector pause コマンド」参照)。

構文

collector resume

collector sample コマンド

collector sample コマンドは、標本モードと標本間隔を指定します。

構文

collector sample periodic|manual

標本モードを指定します。

collector sample period seconds

標本間隔を seconds 単位で指定します。

collector sample record [name]

name (オプション) を指定して標本を記録します。

ここで

seconds は、標本間隔の長さです。

name は、標本の名前です。

collector show コマンド

collector show コマンドは、1 個または複数のオプションカテゴリの設定値を表示します。

構文

collector show

すべての設定値を表示します。

collector show all

すべての設定値を表示します。

collector show archive

すべての設定値を表示します。

collector show profile

呼び出しスタックプロファイル設定値を表示します。

collector show synctrace

スレッド同期待ちトレース設定値を表示します。

collector show hwprofile

ハードウェアカウンタデータ設定値を表示します。

collector show heaptrace

ヒープトレースデータ設定値を表示します。

collector show limit

実験サイズの上限を表示します。

collector show mpitrace

MPI トレースデータ設定値を表示します。

collector show sample

標本設定値を表示します。

collector show store

ストア設定値を表示します。

collector show tha

スレッドアナライザのデータ設定値を表示します。

collector status コマンド

collector status コマンドは、現在の実験のステータスについて照会します。

構文

collector status

collector store コマンド

collector store コマンドは、実験が保存されているディレクトリとファイルの名前を指定します。

構文

collector store directory pathname

実験が保存されているディレクトリを指定します。

collector store filename filename

実験ファイル名を指定します。

collector store group string

実験グループ名を指定します。

ここで

pathname は、実験を保存するディレクトリのパス名です。

filename は、実験ファイルの名前です。

string は、実験グループの名前です。

collector synctrace コマンド

collector synctrace コマンドは、同期待ちトレースデータの収集オプションを指定します。

構文

collector synctrace on|off

デフォルトの場合、スレッド同期待ちトレースデータは収集されません。このデータを収集するには、on を指定します。

collector synctrace threshold microseconds

しきい値をマイクロ秒単位で指定します。デフォルト値は 100 です。

collector synctrace threshold calibrate

しきい値は、自動的に算出されます。

ここで

microseconds は、この値未満であるときに同期待ちイベントが破棄されるしきい値です。

collector tha コマンド

構文

collector tha on|off

デフォルトでは、スレッドアナライザのデータは収集されません。このデータを収集するには、on を指定します。

collector version コマンド

collector version コマンドは、データ収集に使用される libcollector.so のバージョンを報告します。

構文

collector version