コマンド行で入力するファイル名の接尾辞によって、コンパイラがそのファイルをどのように処理するかが決まります。次の表に示されていない接尾辞の付いたファイル名、および拡張子のないファイル名は、リンカーに渡されます。
表 2–1 Fortran コンパイラが認識可能なファイル名の接尾辞
接尾辞 |
言語 |
処理 |
---|---|---|
.f |
Fortran 77 または Fortran 95 固定形式 |
Fortran ソースファイルをコンパイルし、オブジェクトファイルを現在のディレクトリに出力する。オブジェクトファイルのデフォルト名は、ソースファイル名に接尾辞 .o を付けたもの |
.f95.f90 |
Fortran 95 自由形式 |
.f と同じ |
.f03 |
Fortran 2003 自由形式 |
.f と同じ |
.for |
Fortran 77 または Fortran 95 固定形式 |
.f と同じ |
.F |
Fortran 77 または Fortran 95 固定形式 |
コンパイルの前に、FORTRAN 77 のソースファイルを Fortran または C のプリプロセッサで処理する |
.F95.F90 |
Fortran 95 自由形式 |
Fortran がコンパイルする前に、Fortran 95 自由形式のソースファイルを Fortran または C のプリプロセッサで処理する |
.F03 |
Fortran 2003 自由形式 |
.F95 と同じ |
.s |
アセンブラ |
アセンブラでソースファイルをアセンブルする |
.S |
アセンブラ |
アセンブルする前にアセンブラのソースファイルを C プリプロセッサで処理する |
.il |
インライン展開 |
インライン展開コードのテンプレートファイルを処理する。コンパイラはテンプレートを使って、選択されたルーチンのインライン呼び出しを展開します(テンプレートファイルは特殊なアセンブラファイル。inline(1) マニュアルページを参照)。 |
.o |
オブジェクトファイル |
オブジェクトファイルをリンカーに渡す |
.a、.so、.so.n |
ライブラリ |
ライブラリの名前をリンカーに渡す。.a ファイルは静的ライブラリ、.so と .so.n ファイルは動的ライブラリ |
Fortran 95 自由形式については、「4.1 ソース言語の機能」を参照してください。