3 つの新しい Fortran 2003 書式付き入出力指定子が、f95 に実装されています。これらの指定子は、OPEN、READ、WRITE、PRINT、および INQUIRE 文で指定されます。
DECIMAL=[’POINT’|’COMMA’]
デフォルトの小数部分編集モードを変更します。デフォルトでは、ピリオドによって、D、E、EN、ES、F、および G 編集によって書式付けされた数値全体と、浮動小数点の小数部分が分離されます。’COMMA’ は、123,456 のように、印刷の際に、ピリオドの代わりにコンマを使用するようにデフォルトを変更します。デフォルトの設定は、123.456 のように、印刷の際にピリオドを使用する ’POINT’ です。
ROUND=[’PROCESSOR_DEFINED’ | ’COMPATIBLE’]
書式付き入出力 D、E、EN、ES、F、および G 編集のデフォルトの丸めモードを設定します。’COMPATIBLE’ と指定する場合は、データ変換によって得られる値は、2 つのもっとも近い表示値のうち、より近い方の表示値になります。値が表示値のちょうど中間である場合は、0 から離れている方の表示値になります。’PROCESSOR_DEFINED’ を指定する場合は、丸めモードはプロセッサのデフォルトのモードに依存します。ROUND が指定されていない場合は、丸めモードはコンパイラのデフォルトになります。
たとえば、WRITE(*,’(f11.4)’) 0.11115 は、デフォルトのモードでは 0.1111、’COMPATIBLE’ モードでは 0.1112 になります。
IOMSG=character-variable
指定された文字変数に文字列としてエラーメッセージを返します。これは、標準の出力で表示されるエラーメッセージと同じです。最長メッセージが保持可能な大きさの文字バッファーを割り当ててください。CHARACTER*256 で十分です。
INQUIRE 文で使用する場合は、これらの指定子は、現在の値を返すための文字変数を宣言します。
新しい編集記述子 DP、DC、RP、および RC は、単一の FORMAT 文内のデフォルトの設定を、それぞれ、小数点、小数部のコンマ、プロセッサ定義の丸め、および互換性のある丸めに変更します。次に例を示します。
WRITE(*,’(I5,DC,F10.3)’) N, W
F10.3 出力項目のピリオドの代わりにコンマが使用されます。
書式付き入出力の浮動小数点丸めモードの変更については、-iorounding コンパイラコマンド行オプションも参照してください (「3.4.45 –iorounding[={ compatible|processor-defined}]」)。