iostream のインタフェースには、マルチスレッドで使用しても安全な、再入可能な公開関数が追加されています。これらの関数は、追加引数としてユーザーが指定したバッファーを受け取ります。これらの関数を次に示します。
表 10–2 マルチスレッドで使用しても安全な、再入可能な公開関数| 関数 | 内容の説明 | 
|---|---|
| char *oct_r (char *buf, int buflen, long num, int width) | 数値を 8 進数の形式で表現した ASCII 文字列のポインタを返す。width が 0 (ゼロ) ではない場合は、その値が書式設定用のフィールド幅になります。戻り値は、ユーザーが用意したバッファーの先頭を指すとはかぎりません。 | 
| char *hex_r (char *buf, int buflen, long num, int width) | 数値を 16 進数の形式で表現した ASCII 文字列のポインタを返す。width が 0 (ゼロ) ではない場合は、その値が書式設定用のフィールド幅になります。戻り値は、ユーザーが用意したバッファーの先頭を指すとはかぎりません。 | 
| char *dec_r (char *buf, int buflen, long num, int width) | 数値を 10 進数の形式で表現した ASCII 文字列のポインタを返す。width が 0 (ゼロ) ではない場合は、その値が書式設定用のフィールド幅になります。戻り値は、ユーザーが用意したバッファーの先頭を指すとはかぎりません。 | 
| char *chr_r (char *buf, int buflen, long num, int width) | 文字 chr を含む ASCII 文字列のポインタを返す。width が 0 (ゼロ) ではない場合は、その値と同じ数の空白に続けて chr が格納されます。戻り値は、ユーザーが用意したバッファーの先頭を指すとはかぎりません。 | 
| char *form_r (char *buf, int buflen, long num, int width) | sprintf によって書式設定した文字列のポインタを返す。書式文字列 format 以降のすべての引数を使用します。ユーザーが用意したバッファーに、変換後の文字列を収容できるだけの大きさがなければいけません。 | 
以前の libC との互換性を確保するために提供されている iostream ライブラリの公開変換ルーチン (oct、hex、dec、chr、form) は、マルチスレッドで使用すると安全ではありません。