次の例は、prog.cc のコンパイル時に -I- を使用した結果を示します。
| prog.cc #include "a.h" #include <b.h> #include "c.h" c.h #ifndef _C_H_1 #define _C_H_1 int c1; #endif inc/a.h #ifndef _A_H #define _A_H #include "c.h" int a; #endif inc/b.h #ifndef _B_H #define _B_H #include <c.h> int b; #endif inc/c.h #ifndef _C_H_2 #define _C_H_2 int c2; #endif | 
次のコマンドでは、#include "foo.h" 形式のインクルード文のカレントディレクトリ (インクルードしているファイルのディレクトリ) のデフォルトの検索動作を示します。#include "c.h" ステートメントを inc/a.h で処理するときは、コンパイラで inc サブディレクトリから c.h ヘッダーファイルがインクルードされます。#include "c.h" 文を prog.cc で処理するときは、コンパイラで prog.cc を含むディレクトリから c.h ファイルがインクルードされます。-H オプションがインクルードファイルのパスを印刷するようにコンパイラに指示していることに注意してください。
| example% CC -c -Iinc -H prog.cc
inc/a.h
        inc/c.h
inc/b.h
        inc/c.h
c.h | 
次のコマンドでは、-I- オプションの影響を示します。コンパイラでは、#include "foo.h" 形式の文を処理するときにインクルードしているディレクトリを最初に探しません。代わりに、コマンド行に配置されている順番で、-I オプションで命名されたディレクトリを検索します。#include "c.h" 文を inc/a.h で処理するときは、コンパイラで ./c.h ヘッダーファイルが、inc/c.h ヘッダーファイルの代わりにインクルードされます。
| example% CC -c -I. -I- -Iinc -H prog.cc
inc/a.h
        ./c.h
inc/b.h
        inc/c.h
./c.h | 
-I- がコマンド行に表示されると、コンパイラではディレクトリが -I 指示に明示的に表示されていないかぎり決してカレントディレクトリを検索しません。この影響は #include "foo.h" 形式のインクルード文にも及びます。
コマンド行の最初の -I- だけが、説明した動作を引き起こします。
コンパイラがインストールされている位置の /usr/include、 /lib、/usr/lib を検索ディレクトリに指定しないでください。