この付録では、C プログラムでのパフォーマンスチューニングについて説明します。『Solaris Studio パフォーマンスアナライザ』マニュアルも参照してください。
libfast.a は、C 標準ライブラリのうち、32 ビットの SPARC 固有バージョンであり、シングルスレッドの単体で実行可能なアプリケーション用に最適化されたメモリー割り当てを実現します。これはオプションであるため、標準 C ライブラリでは使用できないようなアルゴリズムやデータ表現を使用することができ、ほとんどのアプリケーションのパフォーマンスを改善することができます。
次のチェックリストを参考にして、自分のアプリケーションのパフォーマンスが libfast.a によって向上するかどうかを判断してください。その際、プロファイリングを使用します。
メモリー割り当てのパフォーマンスが重要で、通常もっとも多く割り当てられるメモリーのサイズが 2 のべき乗に近い場合は libfast.a を使用してください。重要なルーチン: malloc()、free()、realloc()
ブロック移動またはブロック塗りつぶしのパフォーマンスが重要な場合は libfast.a を使用してください。重要なルーチン: bcopy()、bzero()、memcpy()、memmove()、memset()
アプリケーションがマルチスレッド対応である場合は、libfast.a を使用しないでください。
アプリケーションをリンクする際には、cc コマンドの後ろに -lfast オプションを加えてください。cc コマンドは標準の C ライブラリよりも先に libfast.a にあるルーチンをリンクします。