Oracle Solaris Studio 12.2 Discover および Uncover ユーザーズガイド

第 1 章 概要

Oracle Solaris Studio 12.2 Discover および Uncover ユーザーズガイド』では、以下のツールの使用方法の詳細について説明します。

Sun メモリエラー探索ツール (Discover)

Sun メモリエラー探索ツール (Discover) ソフトウェアは、メモリーアクセスエラーを検出するための高度な開発ツールです。Discover は、Solaris 10 5/08 オペレーティングシステムまたはそれ以降の Solaris 10 update を実行しているシステムで、Sun Studio 12、Sun Studio 12 Update 1、Oracle Solaris Express 6/10、Oracle Solaris Studio 12.2 コンパイラ、または GCC for Sun Systems コンパイラのバージョン 4.2.0 以降を使用してコンパイルされたバイナリ上で機能します。

プログラムのメモリー関連のエラーは、検出が難しいことで知られています。Discover を使用すると、ソースコードに存在している問題の正確な場所を指摘することによって、このようなエラーを簡単に検出できます。たとえば、プログラムが配列を割り当て、それを初期化せずに、ある配列の場所から読み取ろうとする場合、プログラムは動作が不安定になることがあります。Discover は、通常の方法でプログラムを実行するときに、この問題を検出できます。

Discover によって検出される他のエラーには、次のものがあります。

Discover はプログラムの実行中にメモリーアクセスエラーを動的に検出して報告するため、ユーザーコードの一部が実行時に行われていない場合、その部分のエラーは報告されません。

Discover は簡単に使用できます。コンパイラによって準備されたすべてのバイナリは (完全に最適化されたバイナリでも)、単一のコマンドを使用して計測し、通常の方法で実行できます。実行中に、Discover は、メモリー異常のレポートを生成し、それをテキストファイル、または Web ブラウザで HTML形式で表示できます。

コードカバレッジツール (Uncover)

Uncover は、簡単にコマンドラインツールを使用して、アプリケーションのコードカバレージを計測できます。コードカバレージは、ソフトウェアのテストの重要な部分です。Uncover はテストで実行される、または実行されないコードの領域に関する情報を提供し、テストスイートを向上させ、より多くのコードをテストできるようにします。Uncover で報告されるカバレージ情報は、関数、文、基本ブロック、または命令レベルとすることができます。

Uncover は、カバレージ外と呼ばれる一意の機能を提供し、テストされない主要な機能領域をすばやく検出できます。他の種類の計測より優れた Uncoverコードカバレージの他の利点は、次のとおりです。