Oracle Solaris Studio 12.2 リリースの新機能

Sun Performance Library について

このリリースの Sun Performance Library は、Solaris オペレーティングシステムのバージョン 10 で使用できます。一部の Linux オペレーティング環境でも使用できます。

Sun Performance Library は、線形代数問題や非線形問題を数値的に解くための最適化された、かつ高速な数学サブルーチンを集めたものです。Sun Performance Library の基になっているのは http://www.netlib.org/ の Netlib から入手できるパブリックドメインサブルーチンのコレクションであり、それが拡張および最適化され、Sun Performance Library としてバンドルされています。Sun Performance Library には次の標準ライブラリが含まれます。

Sun Performance Library には、次の追加ルーチンが含まれています。

互換性

Sun Performance Library 内の LAPACK 3.1.1 ルーチンは、1.x、2.0、3.0 を含む従来のバージョンの LAPACK のユーザールーチン、および LAPACK 3.1.1 のすべてのルーチンと互換性があります。ただし、LAPACK 3.1.1 の内部の変更により、内部ルーチンとの互換性を保証できません。

互換性のない可能性がある内部ルーチンは、Netlib が提供している LAPACK ソースコードの中では auxiliary ルーチンと呼ばれています。『LAPACK User's Guide』に auxiliary ルーチンに関する情報があります。このガイドは、http://www.siam.org/ にある SIAM (Society for Industrial and Applied Mathematics) から入手できます。

LAPACK の auxiliary ルーチンのユーザーインタフェースは、LAPACK のリリースごとに変えることができるので、Sun Performane Library でも LAPACK の auxiliary ルーチンのユーザーインタフェースを変更できます。LAPACK 3.1.1 と互換性のある auxiliary ルーチンは、通常、ユーザーによる呼び出しに使用できますが、auxiliary ルーチンについてはマニュアルへの記載、テスト、およびサポートが特にされていません。LAPACK の auxiliary ルーチンのユーザーインタフェースは、Sun Performance Library の将来のリリースで変更される可能性があることに注意してください。そのため、ユーザーインタフェースは、該当バージョンの Sun Performance Library でサポートされる LAPACK のバージョンに対応します。

マニュアル類

次に示す Sun Performance Library 関連文書が提供されています。

その他の情報については、『LAPACK User's Guide』 (第 3 版、Anderson, E. ほか著、SIAM、1999) を参照してください。SIAM (Society for Industrial and Applied Mathematics) または書店で入手できます。『LAPACK User's Guide』は、Netlib で提供している LAPACK 3.1.1 基本ルーチンに関する公式の解説書です。LAPACK 3.1.1 ルーチンについて、数学的に説明しています。