Oracle Solaris Studio 12.2 IDE (Indegrated Development Environment) には、C や C++、Fortran アプリケーションを作成、編集、構築、デバッグ、パフォーマンス解析するためのモジュールが用意されています。この章では、Oracle Solaris Studio のこのリリース IDE についての重要な情報について説明します。
IDE を起動するコマンドは solstudio です。このコマンドについての詳細は、solstudio(1) のマニュアルページを参照してください。
IDE についての詳細は、IDE のオンラインヘルプおよび『Oracle Solaris Studio 12.2 IDE クイックスタートチュートリアル』を参照してください。
Oracle Solaris Studio 12.2 IDE で追加または変更された機能は次のとおりです。
Qt アプリケーション開発フレームワークを使用すると、GUI フォーム、リソース、変換などの Qt ファイルを作成できます。
Run Monitor には、CPU、メモリー、スレッドの使用状況などのアプリケーション実行時に関する情報が表示されます。Solaris プラットフォームでは、 I/O 使用状況に加え、「スレッドの詳細」にてスレッドマイクロステートを追跡することができます。
コールグラフには、グラフィカル表示に加えて、選択した関数から呼び出されるすべての関数または選択した関数を呼び出すすべての関数のツリー表示が含まれるようになりました。
ハイパーリンクナビゲーションを使用して、オーバーライドされているメソッドからオーバーライドしているメソッドに、またその逆に、ジャンプできるようになりました。
ソースコードにコメントを追加して、関数、クラス、およびメソッドのドキュメントを生成できます。IDE は Doxygen 構文を使用するコメントを認識して、ドキュメントを自動的に生成します。
「オプション」ウィンドウの大域デバッグオプションが、「セッション起動」プロパティと「ウィンドウ」プロパティに再編されました。「プログラムが停止したら Dbx コマンドタブを前面に表示する」、「ブレークポイントを保存して復元する」、「開始プロセスへのステップを許可する」、「式の評価を吹き出し表示する」の 4 つのプロパティ設定が削除されました。
「局所変数」ウィンドウは「変数」ウィンドウになりました。
「新規ウォッチポイント」ボタンおよび「式評価」ボタンがデバッグツールバーから削除されました。
「呼び出し元を現在に設定」および「呼び出し先を現在に設定」ボタンが、デバッグツールバーから削除されました。
「再起動」ボタンがツールバーに追加されました。
「新規ブレークポイント」ダイアログボックスで、LWP、言語モード、および一時チェックボックスが削除されました。「条件」、「数」、「WhileIn」、および「スレッド」フィールドの配置が変更されました。「詳細/簡易表示」ボタンが削除されました。
複数のデバッグセッションがある場合、「セッション」ウィンドウが自動的に開きます。
「スタックの呼び出し」ウィンドウには最大で 40 フレームが表示されます。「増やす」をクリックすると、40 より多くのフレームを表示できます。
「変数」ウィンドウおよび「ウォッチポイント」ウィンドウは静的なメンバーを表示できます。
「変数」ウィンドウには、現在のソースコード行と前のソースコード行だけの変数を表示するためのボタンがあります。
「変数」ウィンドウには「新規ウォッチポイント」ボタンがあります。
「ディスアセンブラ」ウィンドウは「逆アセンブリ」に名前が変更されました。
Oracle Solaris Studio IDE には、Java SE Development Kit (JDK) 6 Update 13 以降が必要です。IDE は、必要な JDK が見つからない場合は、起動せず、エラーメッセージを表示します。
IDE のプラグインマネージャーでは、IDE のインストール済みプラグインを動的に更新できます。プラグインマネージャーを使用して、新しいプラグインと機能を IDE に追加することもできます。
プラグインマネージャーを使用して IDE を更新する場合は、登録済みのアップデートセンターが IDE によってチェックされ、新しいプラグインや、すでにインストールされているプラグインの新しいバージョンが使用可能かどうか確認されます。新規または更新されたプラグインが使用可能な場合は、プラグインマネージャーを使用してプラグインの選択、ダウンロード、およびインストールを実行できます。
代わりに、「ヘルプ」>「更新の有無を確認」を選択してプラグインマネージャーを開くこともできます。プラグインインストーラは、インストール済みプラグインに対応する更新を確認します。更新が使用可能な場合は、インストーラの手順どおりに更新をインストールできます。
デフォルトの IDE アップデートセンターに加えて、実験用の新しいプラグインや、通常の配布にすでに含まれていない古いプラグインなど、さまざまなタイプのプラグインを提供するいくつかのアップデートセンターから選択することもできます。
インストール済みのプラグインをアップデートセンターから更新する
「ツール」>「プラグイン」を選択し、プラグインマネージャーを開きます。
「更新」タブをクリックし、インストール済みプラグインに対応する使用可能な更新を表示します。
左側の区画で、更新するプラグインを選択し、「更新」する更新をクリックします。
インストーラの各ページで操作を完了し、更新をダウンロードおよびインストールします。
「更新」タブの左側の区画には、使用可能な更新がアップデートセンターに存在する、インストール済みプラグインが表示されます。デフォルトでは、IDE は登録済みのアップデートセンターで、インストール済みのプラグインに対応する使用可能な更新を定期的に確認します。左側の区画でプラグインが表示されていない場合は、IDE がアップデートセンターを前回確認したときに、使用可能な更新がなかったことを意味します。
アップデートセンターから新しいプラグインを追加する
「ツール」>「プラグイン」を選択し、プラグインマネージャーを開きます。
「使用可能なプラグイン」タブをクリックし、使用可能でまだインストールされていないプラグインを表示します。
左側の区画で、追加するプラグインを選択し、「インストール」をクリックします。
インストーラの各ページで操作を完了し、プラグインをダウンロードおよびインストールします。
一部のプラグインでは、更新プロセスを完了するために IDE を再起動する必要が生じることがあります。
プラグインマネージャーの「設定」タブで、IDE が更新を確認する頻度を設定できます。「カタログの再読み込み」をクリックし、アップデートセンターを今すぐ確認できます。
NetBeans IDE 6.9 のデフォルトヒープサイズは 128M バイトです。最大 500 個までのソースファイルとヘッダーファイルを持つ小規模なプロジェクトを開発する場合、Oracle Solaris Studio 12.2 IDE は、このデフォルト設定で十分動作します。
より規模の大きいプロジェクトを開発する場合は、ヒープサイズを増加する必要があります。大規模なプロジェクトの開発時に OutOfMemory 例外が発生した場合は、ヒープサイズが原因であることがあります。
NetBeans IDE が実行する Java 仮想マシン (JVM)* のヒープサイズは、netbeans.conf ファイルで設定できます。
ヒープサイズを変更するには、次の手順に従います。
/Oracle_Solaris_Studio_installation_directory/netbeans/etc/netbeans.conf ファイルで、netbeans.conf ファイル内にある -J-Xmx コマンド行の Java 起動スイッチ (下では太字で表示) を編集し、IDE を再起動します。
netbeans_default_options=”-J-Xms32m —J-Xmx128m —J-XX:PermSize=32m —J-XX:MaxPermSize=96m —J-Xverify:none —J-Dapple.laf.useScreenMenuBar=true”
NetBeans C/C++ Plugin での中規模および大規模のアプリケーションの推奨ヒープサイズを次に示します。
1G バイト以上の RAM のシステム上での中規模アプリケーション開発 (500潤オ2000 ソースおよびヘッダーファイル) : 512M バイト
* 2G バイト以上の RAM のシステム上での大規模アプリケーション開発 (2000 を超えるソースおよびヘッダーファイル) : 1G バイト
Sun JVM を実行している場合、ガベージコレクタスイッチの -J-XX:+UseConcMarkSweepGC (並行コレクタ) および -J-XX:+UseParNewGC (パラレルコレクタ) を、netbeans.conf ファイルに追加することもできます。これらのオプションによって、ガベージコレクタを主実行エンジンと並行して実行できます。ただし、これらのオプションは Sun 以外による JVM の実装ではサポートされていないことがあります。
NetBeans のパフォーマンスチューニングについての詳細は、「Tuning JVM Switches for Performance」を参照してください。
注: 「Java 仮想マシン」および「JVM」という用語は、Java(TM) プラットフォーム用の仮想マシンを意味します。