Sun Studio 12 Update 1 リリースでは、Sun Performance Library に次の機能が導入されました。
Sun Performance Library には現在、ScaLAPACK 1.8.0 高性能クラスタライブラリが含まれています。このライブラリは、OpenMPI 1.3 リリースをベースとする Sun HPC ClusterTools 8.1 とともに動作します。リファレンス実装とドキュメントは、http://www.netlib.org/scalapack/ で説明されています。
新しいカスタムライブラリツールには、Sun Performance Library のスケールダウンバージョンを作成するオプションがあります。カスタムライブラリツール gen_custom は、アーカイブライブラリからルーチンだけを抽出し、それらを再結合してカスタムライブラリにします。こうすることで、Sun Performance Library のような大型ライブラリの占有サイズを、ユーザの必要なルーチンの分量にまで削減することができます。詳細については、gen_custom(3p) マニュアルページを参照ください。
BLAS、LAPACK、および FFT のルーチンに、多数のパフォーマンス向上が追加されました。
Intel(R) CoreTM i7 (Nehalem) および AMD のクワッドコア OpteronTM (Shanghai) CPU のサポートが使用できます。これらのライブラリにリンクするには、次のオプションを使用します。
-m64 -xlic_lib=sunperf (C および Fortran)
-m64 -library=sunperf (C++)
Fujitsu SPARC64-VII(R) CPU のサポートが使用できます。このバージョンの Sun Performance Library は、実現可能な最高のパフォーマンスを得るために、浮動小数点の積和演算 (FMA) 命令を使用します。これらのライブラリにリンクするには、次のオプションを使用します。
-xtarget=sparc64vii -fma=fused -xlic_lib=sunperf (C および Fortran)
-xtarget=sparc64vii -fma=fused -library=sunperf (C++)
SPARC64-VI および SPARC64-VII に対する ZGEMM の向上。
LAPACK ルーチンは、LAPACK 3.1.1 の最新の仕様に適合するように更新されています。
Woodcrest CPU のサポートが使用できます。
SPARC64-VI CPU のサポートが使用できます。
SUSE Linux Enterprise Server 9 または Redhat Enterprise Linux 4 オペレーティング環境の 32 ビットおよび 64 ビットシステムでライブラリが使用できる。
64 ビット整数パラメータのルーチンが使用できる。つまり、すべてのバージョンの Sun Performance Library に DAXPY() および DAXPY_64() があります。
スパースソルバーパッケージ SuperLU のシリアルバージョンが使用でき、C ドライバから、またはライブラリ内の既存の Fortran ベースのスパースソルバーを介して呼び出しすることができる。
この時点では、4 倍精度ルーチン (dqdoti、dqdota) は使用できない。
SSE2 対応システムおよび X86 以上のシステム上の Solaris OS および Linux OS で区間 BLAS ルーチンが使用できる。
UltraSPARC IV+ プロセッサおよび UltraSPARC IV プロセッサ用の BLAS と FFT の改良が組み込まれている。
SPARC64VI CPU のサポートが使用できる。このバージョンの Sun Performance Library は、SPARC64VI CPU で可能な最高のパフォーマンスを得るために、浮動小数点の積和演算 (FMA) 命令を使用します。このライブラリとリンクするには、-xtarget=sparcfmaf フラグを指定してコンパイルおよびリンクします。
スパースソルバーパッケージ SuperLU のシリアルバージョンが使用でき、C ドライバから、またはライブラリ内の既存の Fortran ベースの SPSOLVE スパースソルバーを介して呼び出しすることができる。