Sun Desktop Manager 1.0 管理ガイド

第 4 章 移行

構成設定の管理を簡素化するために、Desktop Manager には多数の機能変更および新機能が含まれています。Java Desktop System Configuration Manager 1.1 インストールを Sun Desktop Manager 1.0 インストールに移行するには、システムを 1 つずつ移行する必要があります。たとえば、最初にサーバーコンポーネントを移行し、次にクライアントコンポーネント (Configuration Agent) を移行します。必要があれば、Java Desktop System Configuration Manager 1.1 Configuration Agent を Desktop Manager で使用し続けることができますが、委任管理、ファイルベースのプロファイルリポジトリなどの Desktop Manager の機能は使用できません。

オブジェクトモデルと用語

Desktop Manager の基本的なオブジェクトモデルは簡素化されていますが、Java Desktop System Configuration Manager と互換性があります。Desktop Manager は、プロファイル内に収集されて保存されている構成設定を管理します。プロファイルは、ドメイン階層のホストおよびグループ、または組織階層のユーザーおよびグループに割り当てることができます。1 つの要素に複数のプロファイルを割り当てることもできます。階層のより上位の要素に割り当てられているプロファイルは、その要素の子によって継承されます。

プロファイル管理

Java Desktop System Configuration Manager 1.1 で作成したプロファイルのグループは、Desktop Manager で「プロファイル」として表示されます。要素に設定を割り当てることができるのは、対応するプロファイルを作成してからです。Java Desktop System Configuration Manager で実体に割り当てた構成設定は、Desktop Manager で自動的に「... の設定」のラベル付きでプロファイルとして表示されます。

プロファイルの書式

Desktop Manager で「構成」ウィザードを使用して LDAP サーバーを構成する場合、ウィザードでは、既存の Java Desktop System Configuration Manager 1.1 プロファイルも検出して、そのプロファイルを新しい書式に移行するように促します。この移行は必須ではなく、移行しても Desktop Manager のエージェントの読み取り性能が向上するだけです。引き続き Configuration Manager 1.1 のエージェントをサポートする必要がある場合は、プロファイルを移行しないでください。互換性を失わずに、そのままプロファイルを表示および編集することができます。

委任管理

Java Desktop System Configuration Manager 1.1 では、プロファイルを保存できる場所は、LDAP サーバーの組織階層およびドメイン階層のルートの下のみです。Desktop Manager では、組織階層およびドメイン階層の異なる場所にプロファイルを保存できます。この委任管理機能は、組織階層またはドメイン階層の異なる枝の構成をそれぞれ影響し合わないように、異なる管理者が管理を担当する場合に特に有効です。

Desktop Manager に移行すると、LDAP サーバー上の既存の Configuration Manager 1.1 のプロファイルは、組織階層およびドメイン階層のルートの下にそのまま残ります。必要な場合は、「コピー/移動」ウィザードを使用するかプロファイルの詳細オプション設定によって、LDAP サーバー上の新しい場所にプロファイルを移動することができます。ただし、既存のプロファイルを新しい場所に移動すると、そのプロファイルの Java Desktop System Configuration Manager 1.1 との互換性は失われます。したがって、Configuration Manager 1.1 のエージェントを完全に Desktop Manager に移行する場合にのみ、委任管理機能を使用してください。