Sun Identity Manager 8.1 アップグレード

ステップ 9: 変更内容を解析する

Identity Manager 製品のアップグレードによる変更内容を解析し、それに合わせて構成とカスタマイズを更新する必要があります。たとえば、次のとおりです。

Identity Manager 製品のアップグレード時に行われたリポジトリオブジェクトに対する変更内容を注意して解析する必要があります。たとえば、次のとおりです。


ヒント –

これらのオブジェクトの変更を無視しても問題がないと判断することもできますが、多くの場合、これらの構成オブジェクトをベースラインに追加することがベストプラクティスと考えられています。


アップグレード後、カスタマイズ済みのファイルとオブジェクトを復元します。

カスタマイズ済みのファイルを復元する

アップグレード時に、Identity Manager は、JSP や HTML のファイルなどのカスタマイズ済みのファイルをすべて、次のディレクトリに自動的にコピーします。

$WSHOME/patches/Sun_Java_System_Identity_Manager_Version_Date_/savedFiles

次の表に、このディレクトリ内のファイルを示します。

表 3–1 savedFiles ディレクトリファイル構造

ファイル名 

説明 

changedFileList

保存したすべてのカスタマイズ済みファイルのリストを持つファイル。 

このファイルには、アップグレード時に同じ名前のファイルがインストールされる場合に上書きされるファイル (旧バージョンの Identity Manager とともにインストールされたファイル) のリストもあります。 

notRestoredFileList

アップグレードプロセスで復元されない、すべてのカスタマイズ済みファイルのリストを持つファイル

notInstalledFileList

アップグレードプロセスでインストールされない、新バージョンのファイルのリストを持つファイル

アップグレードでは、元の Identity Manager とともにインストール済みの一部のファイルが追加されることがあります。古いファイルを上書きする前に、Identity Manager はそれらのファイルをsavedFiles ディレクトリに自動的に保存します。それらのファイルのリストについては、 changedFileList ファイルを参照してください。

Identity Manager は、アップグレードプロセスで changedFileList にリストされているファイルの多く (すべてではない) を自動的に復元します。それらのファイルのリストについては、 notRestoredFileList を参照してください。カスタマイズ済みのファイルの復元時に、Identity Manager は、アップグレードでインストールされたファイルの新バージョンを上書きします。

カスタマイズ済みファイルの一部を手動で復元する必要がある場合があります。アップグレードで復元されないファイルのリストについては、 notRestoredFileList ファイルを参照してください。カスタマイズ済みファイルを手動で復元する必要がある場合は、アップグレード時にインストールされた新規ファイルを編集してカスタマイズし、その編集したファイルを保存します。

カスタマイズ済みオブジェクトの復元

システム構成に書式とプロセスのマッピングを設定した場合は、アップグレード後にそれらのオブジェクトのカスタマイズ内容を復元する必要はありません。システム構成にリストされていないオブジェクトをカスタマイズした場合は、それらのオブジェクトの XML をインポートすることで、それらのオブジェクトを手動で復元する必要があります。

安全な方法として、Identity Manager は、update.xml のインポート時に一般的なカスタマイズ済みオブジェクトの多くをファイルに自動保存します。 これらのファイルは、 WEB-INF/ savedObjects ディレクトリのサブディレクトリに保存されます。これらのサブディレクトリの名前は、インポートの実行時のタイムスタンプです。

update.xmlをインポートすると、savedObjects ディレクトリに最大 3 つのサブディレクトリが作成されることがあります。オブジェクトの XML ファイルを手動でインポートして、オブジェクトのカスタマイズ内容を復元できます。