Sun Identity Manager 8.1 リソースリファレンス

アダプタの詳細

Identity Manager のインストールに関する注意事項

Siebel CRM リソースアダプタは、カスタムアダプタです。インストールプロセスを完了するには、次の手順を実行する必要があります。

ProcedureSiebel CRM リソースアダプタをインストールする

  1. Siebel CRM リソースをリソースリストに追加するには、「管理するリソースの設定」ページの「カスタムリソース」セクションに次の値を追加する必要があります。


    com.waveset.adapter.SiebelCRMResourceAdapter
  2. 次の表に従って、適切な JAR ファイルを、 InstallDir\idm\WEB-INF\lib ディレクトリにコピーします。

    JAR ファイルのバージョンは、Siebel CRM リソースのバージョンと一致している必要があります。

    Siebel 7.0  

    Siebel 7.7、7.8、8.0  

    • SiebelJI_Common.jar

    • SiebelJI_enu.jar

    • SiebelJI.jar

    • Siebel.jar

    • SiebelJI_enu.jar


    注 –

    InstallDir\idm\WEB-INF\lib ディレクトリには、バージョンが異なる Siebel の JAR ファイルをコピーしないでください。バージョン間で競合が発生する可能性があります。


リソースを設定する際の注意事項

なし

使用上の注意

ビジネスオブジェクトとビジネスコンポーネントの選択

デフォルトでは、Siebel CRM アダプタでのアカウントプロビジョニングには Employee Siebel ビジネスオブジェクトの Employee Siebel ビジネスコンポーネントが使用されます。ただし、アカウントプロビジョニングにどの Siebel ビジネスオブジェクトのどの Siebel ビジネスコンポーネントを使用するかを、アダプタに設定できます。


注 –

指定したビジネスオブジェクトに含まれるビジネスコンポーネントを指定してください。


Siebel Tools Client を使用して、ビジネスコンポーネントを検査し、プロビジョニングに使用可能な属性を確認できます。デフォルトのスキーママップには、デフォルトの Employee ビジネスコンポーネントで利用できる一般的な属性がいくつか含まれています。

Siebel 環境を管理するために属性の追加、削除、または変更が必要になることがあります。特に、デフォルト以外のビジネスオブジェクトやビジネスコンポーネントを使用するようにアダプタを設定した場合は、その可能性が高くなります。

次の手順は、Siebel Tools クライアントを使用して、Identity Manager が Siebel 環境に対してプロビジョニングできる属性を検索する基本的な方法を示します。

ProcedureSiebel 環境にプロビジョニングする属性を識別する

  1. Siebel Tools の Object Explorer を開きます。

  2. 「Business Component」アイコンをクリックします。

  3. スクロールダウンするか、またはクエリーを作成して、目的のビジネスコンポーネントを選択します。

  4. Object Explorer 内で「Fields」を選択します。

    そのビジネスコンポーネントで使用可能なフィールドのリストが表示されます。

    Object Explorer に表示されるフィールドの「Name」列の値は、通常、設定した Siebel CRM リソースのスキーママップ内の右側 (リソースユーザー属性) で使用されます。

    一般に、これらのフィールドはどれでもある程度まで管理できます。ただし、複数値フィールドや選択リストフィールドを管理する場合は、次に示すように、異なる形式でスキーママップの右側に指定してください。

    • 複数値フィールドの場合: 右側には field@@ keyAttr の形式を使用する必要があります。各表記の意味は次のとおりです。

      • field は、複数値フィールドの名前を表します。

      • keyAttr は、複数値リストの各項目を一意に識別するために使用する、関連付けられた複数値ビジネスコンポーネント内のフィールドの名前を表します。

        例: Position@@Name

      選択リストフィールドの場合: 右側には field!! keyAttr の形式を使用する必要があります。各表記の意味は次のとおりです。

      • field は、選択リストフィールドの名前を表します。

      • keyAttr は、選択リストの項目を一意に識別するために使用する、関連付けられた選択リストビジネスコンポーネント内のフィールドの名前を表します。

        例: Employee Organization!!名前

複数値グループの第一の値の管理

複数値グループ (MVG) に、第一として指定された単一のメンバーがすでに含まれている場合、アダプタは次のアクションを実行します。

現在 MVG に複数の値があり、そのうちの 1 つが第一として指定されている場合は、次のようになります。

複数の値が存在する場合に第一マーカーを既存の値から新しい値に移動するには、スキーママップにアカウント属性を追加してください。この属性の名前は、「Primary MVG_Name”」の形式にする必要があります。MVG_Name は、Employee Organization IdPosition などの値です。したがって、その属性は、Primary Employee Organization IdPrimary Position のような名前になります。その後、ユーザーフォームで、Primary 属性に目的の値を設定します。

高度なナビゲーション

Siebel CRM アダプタの高度なナビゲーション機能を使用すると、子ビジネスコンポーネントを作成および更新できます。これは、Identity Manager に通常は実装されない高度な機能です。

高度なナビゲーション機能により、子ビジネスコンポーネントの作成および更新に必要な次の情報を任意で指定できます。

作成および更新動作時に、高度なナビゲーション規則を使用できます。この規則はほかの種類の動作には使用できません。

Siebel CRM アダプタの高度なナビゲーション機能を実装するには、次の作業を実行してください。

属性  

定義  

busObj

ビジネスオブジェクトの名前。 

parentBusComp

busObj の親ビジネスコンポーネントの名前。このビジネスコンポーネントの最初の修飾された (parentSearchAttr を参照) レコードに移動することで、ビジネスオブジェクトのコンテキストが更新されます。

parentSearchAttr

parentBusComp で検索フィールドとして使用する属性。検索する値は、リソースユーザー属性名が PARENT_COMP_ID の属性に対する値として存在している必要があります。

busComp

作成または更新するファイナルビジネスコンポーネントの名前。作成の場合、このビジネスコンポーネントの新規レコードがビジネスオブジェクト内に作成されます。更新の場合、このビジネスコンポーネントの最初の修飾された (searchAttr を参照) レコードに移動することで、更新するビジネスコンポーネントレコードが選択されます。

searchAttr

busComp で検索フィールドとして使用する属性。検索する値はユーザーのアカウント ID です。

attributes

設定または更新される busComp 内のフィールドセットを指定する文字列のリスト。このリストは、実行されるアクション用にリソースのスキーママップで定義された属性よりも優先されます。

coAction

要求されたアクション (resource.action) が create の場合、作成後すぐに更新も実行するようにアダプタに指示するには、coAction の値に update を指定します。Create では設定できない必須フィールドがあり、そのために create を論理的に完了するには update も実行する必要がある場合、この指定が必要になることがあります。resource.actioncreate で、coActionupdate に設定されていないかぎり、この属性は無視されます。

ナビゲーション規則の例については、$WSHOME/sample/rules/SiebelNavigationRule.xml を参照してください。

プロビジョニングに関する注意事項

次の表に、このアダプタのプロビジョニング機能の概要を示します。

機能  

サポート状況  

アカウントの有効化/無効化 

なし 

アカウントの名前の変更  

あり 

アカウントの作成 

あり 

アカウントの更新 

あり 

アカウントの削除 

あり 

パススルー認証 

あり 

前アクションと後アクション 

なし 

データ読み込みメソッド 

  • リソースから直接インポート

  • 調整

アカウント属性

デフォルトのスキーママップは、Employee ビジネスオブジェクトと Employee ビジネスコンポーネントが設定されていることを前提としています。Siebel 環境を管理するために属性の追加、削除、または変更が必要になることがあります。特に、デフォルト以外のビジネスオブジェクトやビジネスコンポーネントを使用するようにアダプタを設定した場合は、その可能性が高くなります。

アイデンティティーシステムユーザー属性  

リソースユーザー属性 

説明  

accountId

Login Name

ユーザーのログイン名 

firstname

First Name

ユーザーの名 

lastname

Last Name

ユーザーの姓 

Responsibility

Responsibility@@Name

従業員に割り当てる責任のリストを含む複数値属性。この属性は、ユーザーフォームで複数選択ボックスを使用して管理してください。 

「Responsibility」フィールドは、サンプルの Siebel CRM ユーザーフォームで複数選択ボックスとして設定されています。

Position

Position@@Name

従業員に割り当てる役職名のリストを含む複数値属性。 

割り当てる役職名はすべて Siebel に存在している必要があります。 

第一役職名を割り当てるには、スキーママップに Primary Position 属性を追加して、第一にする役職名を設定します。

セキュリティーに関する注意事項

ここでは、サポートされる接続と特権の要件について説明します。

サポートされる接続

Identity Manager は、HTTP または RSA を使用して Siebel CRM アダプタと通信できます。詳細については、Siebel のユーザーマニュアルを参照してください。

必要な管理特権

アダプタで設定された管理ユーザー名およびパスワードに、指定されたビジネスコンポーネントの新規レコードの作成および既存レコードの更新を行うための十分な特権が Siebel 内で与えられていることを必ず確認してください。

リソースオブジェクトの管理

デフォルトでは、Siebel CRM アダプタは、次の Siebel オブジェクトをサポートします。

リソースオブェクト  

サポートされる機能  

管理される属性  

Employee:Position

  • Create

  • 更新

  • 削除

  • 名前の変更

  • 「名前」

  • Division

  • Primary Employee

  • 説明

必要に応じて、追加のリソースオブジェクトタイプをサポートするようにアダプタを手動で設定できます。 これを行うには、次の手順に従ってリソースプロトタイプ XML を編集します。

Procedureリソースプロトタイプ XML を編集する

  1. XML のデフォルトの Employee:Position オブジェクトタイプの例のあとに、新しい <ObjectType> 要素を追加します。

  2. Employee を、目的の Siebel ビジネスオブジェクトの名前に置き換えます。

  3. Position を、目的の Siebel ビジネスコンポーネントの名前に置き換えます。

  4. 組み込まれている <ObjectAttributes> 要素に、ビジネスコンポーネントの各項目を一意に識別するために使用される <ObjectAttribute> を指定する idAttr 属性が含まれていることを確認します。

アイデンティティーテンプレート

デフォルトのアイデンティティーテンプレートは $accountId$ です。

サンプルフォーム

このリソースアダプタには、次のサンプルフォームが用意されています。

Form  

ファイル  

SiebelCRM ユーザーフォーム  

sample/SiebelCRMUserForm.xml

SiebelCRM Create Employee:Position Form 

sample/SiebelCRMpositioncreate.xml

SiebelCRM Update Employee:Position Form 

sample/SiebelCRMpositionupdate.xml

トラブルシューティング

Identity Manager のデバッグページを使用して、次のクラスでトレースオプションを設定します。

com.waveset.adapter.SiebelCRMResourceAdapter

さらに、リソースインスタンスに対して次の Identity Manager Active Sync ロギングパラメータを設定できます。