Sun Identity Manager 8.1 リソースリファレンス

アダプタの詳細

次の表に、これらのアダプタの属性を要約します。

GUI 名

クラス名

SecurID ACE/Server 

com.waveset.adapter.SecurIdResourceAdapter

SecurID ACE/Server UNIX 

com.waveset.adapter.SecurIdUnixResourceAdapter

リソースを設定する際の注意事項

SecurID が Windows 上にインストールされている場合、このアダプタは、インストールされているバージョンの RSA ACE/Server に付属する apidemon と接続します。apidemon を、ACE/Server のインストールディレクトリ (デフォルトでは、c:\ace\utils\toolkit\apidemon.exe) から c:\winnt\system32 または c:\windows\system32 にコピーします。RSA ACE 6.1 の apidemon.exe は、ACEInstallDir\prog ディレクトリにあります。

UNIX アダプタは、RSA ACE/Server Administration Toolkit TCL API を使用します。API は、ACEInstallDir /utils/tcl/bin ディレクトリに配置する必要があります。ACEInstallDir の値は、リソースパラメータとして指定されます。ツールキットは、RSA 発行の『Customizing Your RSA ACE/Server Administration』に記載されているとおりに設定してください。

さらに、Identity Manager で RSA ユーザーやほかの ACE データベースオブジェクトを管理できるように、次の条件に適合していることを必ず確認してください。

Identity Manager のインストールに関する注意事項

SecurID が Windows 上にインストールされている場合、Identity Manager のゲートウェイは、RSA ACE/Server がインストールされているシステムと同じシステム上で稼働させる必要があります。

使用上の注意

ここでは、SecurID ACE/Server リソースアダプタの使用に関連する情報を提供します。 次のトピックで構成されています。

UNIX でのパススルー認証の有効化

UNIX では RSA C API がサポートされないため、SecurID ACE/Server UNIX アダプタでパススルー認証を有効にするプロセスは単純ではありません。このアダプタでパススルー認証を実行するには、次のようなコンポーネント間の対話が必要になります。

Identity Manager <--> SecurID Unix リソースアダプタ <--> SecurID Windows アダプタ <--> Sun Identity Manager Gateway <--> RSA ACE Agent for Windows <--> RSA UNIX Server

SecurID ACE/Server UNIX アダプタでパススルー認証を有効にするときは、設定および実装で次の点に注意してください。

複数のトークンの有効化

どちらの SecurID リソースアダプタでも、デフォルトのスキーママップは、管理者が 1 つのトークンを指定できるように設定されます。InstallDir\samples\forms ディレクトリにある SecurID User Form を使用する場合は、次の手順を実行して最大 3 つのトークンを有効にします。

Procedure最大 3 つのトークンを有効にする

  1. 次の SecurID User Form のセクションを編集します。


    <FieldLoop for=’tokenNum’>   <expression>      <ref>oneTokenList</ref>   </expression>

    oneTokenListthreeTokenList に変更します。

  2. User Form を Identity Manager に読み込みます。

  3. SecurID ACE/Server スキーママップの左側で、次の Identity Manager ユーザー属性の名前を変更します。

    元の Identity Manager ユーザー属性

    変更後の Identity Manager ユーザー属性

    tokenClearPin

    token1ClearPin

    tokenDisabled

    token1Disabled

    tokenLost

    token1Lost

    tokenLostPassword

    token1LostPassword

    tokenLostExpireDate

    token1LostExpireDate

    tokenLostExpireHour

    token1LostExpireHour

    tokenLostLifeTime

    token1LostLifeTime

    tokenPinToNTC

    token1PinToNTC

    tokenPinToNTCSequence

    token1PinToNTCSequence

    expirePassword

    token1NewPinMode

    password

    token1Pin

    tokenResync

    token1Resync

    tokenFirstSequence

    token1FirstSequence

    tokenNextSequence

    token1NextSequence

    tokenSerialNumber

    token1SerialNumber

    tokenUnassign

    token1Unassign

  4. 2 番目のトークンを格納するために、次のフィールドをスキーママップに追加します。

    Identity Manager ユーザー属性

    リソースユーザー属性

    token2ClearPin

    token2ClearPin

    token2Disabled

    token2Disabled

    token2Lost

    token2Lost

    token2LostPassword

    token2LostPassword

    token2LostExpireDate

    token2LostExpireDate

    token2LostExpireHour

    token2LostExpireHour

    token2LostLifeTime

    token2LostLifeTime

    token2NewPinMode

    token2NewPinMode

    token2PinToNTC

    token2PinToNTC

    token2PinToNTCSequence

    token2PinToNTCSequence

    password

    token2Pin

    token2Resync

    token2Resync

    token2FirstSequence

    token2FirstSequence

    token2NextSequence

    token2NextSequence

    token2SerialNumber

    token2SerialNumber

    token2Unassign

    token2Unassign

  5. 2 番目のトークンを格納するために、次のフィールドをスキーママップに追加します。

    Identity Manager ユーザー属性

    リソースユーザー属性

    token3ClearPin

    token3ClearPin

    token3Disabled

    token3Disabled

    token3Lost

    token3Lost

    token3LostPassword

    token3LostPassword

    token3LostExpireDate

    token3LostExpireDate

    token3LostExpireHour

    token3LostExpireHour

    token3LostLifeTime

    token3LostLifeTime

    token3NewPinMode

    token3NewPinMode

    token3PinToNTC

    token3PinToNTC

    token3PinToNTCSequence

    token3PinToNTCSequence

    password

    token3Pin

    token3Resync

    token3Resync

    token3FirstSequence

    token3FirstSequence

    token3NextSequence

    token3NextSequence

    token3SerialNumber

    token3SerialNumber

    token3Unassign

    token3Unassign

ステータスによるトークンの取得

SecurId アダプタは、トークン型、ステータス、有効期限など、指定された特性セットに適合するトークンのリストを返すことができます。たとえば、ユーザーフォームの次の部分は、割り当てられていない 128 ビットトークンすべてのリストを返します。

<defvar name=’unassignedTokens’>
   <invoke name=’listResourceObjects’ class=’com.waveset.ui.FormUtil’>
      <ref>:display.session</ref>
      <s>ListTokensByField</s>
      <ref>resource</ref>
      <map>
         <s>field</s>
         <s>7</s>
         <s>compareType</s>
         <s>2</s>
         <s>value</s>
         <s>128</s>
         <s>templateParameters</s>
         <ref>accounts[$(resource)].templateParameters</ref>
      </map>
      <s>false</s>
   </invoke>
</defvar>

fieldcompareType、および value の各文字列に代入できる値は、RSA Sd_ListTokensByField 関数のマニュアルに定義されています。詳細については、RSA 発行の『Customizing Your RSA ACE/Server Administration』を参照してください。

パスワードポリシー

Identity Manager で英字を含むパスワードを使用していて、SecurID では PIN に英字が許可されない場合は、次のメッセージが表示されます。

SecurId ACE/Server: (realUpdateObject) Sd_SetPin Error Alpha characters not allowed

このエラーを解決するには、リソースの Identity Manager パスワードポリシーが英字を含めないように変更するか、またはリソースの PIN 制限が英字を許可するように変更します。

ゲートウェイタイムアウト

SecurID ACE/Server for Windows アダプタでは、RA_HANGTIMEOUT リソース属性を使用してタイムアウト値を秒単位で指定できます。この属性は、ゲートウェイに対する要求がタイムアウトしてハングしているとみなされるまでの時間を制御します。

次のように、この属性を Resource オブジェクトに手動で追加する必要があります。

<ResourceAttribute name=’Hang Timeout’ displayName=’com.waveset.adapter.RAMessages:
RESATTR_HANGTIMEOUT’ type=’int’ description=’com.waveset.adapter.RAMessages:
RESATTR_HANGTIMEOUT_HELP’ value=’NewValue’>
 </ResourceAttribute>

この属性のデフォルト値は 0 です。これは Identity Manager がハングした接続を確認しないことを表します。

セキュリティーに関する注意事項

ここでは、サポートされる接続と特権の要件について説明します。

サポートされる接続

Identity Manager は、次のいずれかを使用して SecurID ACE/Server アダプタと通信することができます。

SSHPubKey 接続の場合、「リソースパラメータ」ページで非公開鍵を指定する必要があります。この鍵には --- BEGIN PRIVATE KEY --- および --- END PRIVATE KEY -- のような注釈行を含める必要があります。公開鍵は、サーバー上の /.ssh/authorized_keys ファイルに配置する必要があります。

必要な管理特権

「ログイン ユーザー」リソースパラメータ (UNIX の場合) または「管理者ログイン」リソースパラメータ (Windows の場合) で指定されたユーザーは、ユーザー関連タスクとトークン関連タスクを実行できる管理者ロールに割り当てられている必要があります。

テスト接続を使用して次のテストができます。

テスト接続では、通常のプロビジョニングの実行とは異なるコマンドオプションを使用できます。


注 –

Resource SecurID Administrators レポートには、SecurID リソースで使用可能な管理者が一覧表示されます。このレポートには、管理者の名前、管理レベル、管理タスクリスト、管理サイト、管理グループなど、各管理者のプロパティーが示されます。このレポートは、.csv と .pdf のどちらの形式でもダウンロードできます。


プロビジョニングに関する注意事項

次の表に、このアダプタのプロビジョニング機能の概要を示します。

機能  

サポート状況  

アカウントの有効化/無効化 

あり 

アカウントの名前の変更 

あり 

パススルー認証 

あり 

前アクションと後アクション 

なし 

データ読み込みメソッド 

  • リソースからインポート

  • 調整

アカウント属性

次の表に、SecurID ACE/Server アカウント属性に関する情報を示します。特に記載されていないかぎり、属性のデータ型はすべて String です。

SecurID ACE/Server アダプタは、複数の値を含むカスタムアカウント属性 (SecurId の User Extension Data) をサポートしません。

Identity Manager ユーザー属性

リソースユーザー属性

説明

adminGroup

adminGroup

管理者がメンバーになっているグループ。これは読み取り専用属性です。 

adminLevel

adminLevel

ユーザーの管理レベル。値には、レルム、サイト、またはグループを指定できます。これは読み取り専用属性です。 

adminSite

adminSite

管理者がアクセスできるサイト。これは読み取り専用属性です。 

adminTaskList

adminTaskList

管理者が実行できるタスクセットの名前。これは読み取り専用属性です。 

adminTaskListTasks

adminTaskListTasks

管理者が実行できる個々のタスク。これは読み取り専用属性です。 

allowedToCreatePin

allowedToCreatePin

ユーザーが PIN の指定を許可されていることを示す、読み取り専用の Boolean 型属性。PIN が指定されていない場合は、システムによってユーザーの PIN が生成されます。 

clients

clients

ユーザーがメンバーになっているクライアントを指定します。 

accountId

defaultLogin

ACE/Server のユーザーのアカウント ID。最大 48 文字。 

defaultShell

defaultShell

ユーザーのデフォルトのシェル。最大 256 文字。 

expirePassword

WS_PasswordExpired

パスワードが期限切れになるかどうかを示します。パスワードが期限切れになると、SecurID アカウントは New PIN モードに配置されます。これは書き込み専用属性です。 

firstname

firstname

必須。ユーザーの名。最大 24 文字。 

groups

groups

ユーザーがメンバーになっているグループを指定します。 

lastname

lastname

必須。ユーザーの姓。最大 24 文字。 

remoteAlias

remoteAlias

リモートレルムでのユーザーのログイン名。 

remoteRealm

remoteRealm

リモートユーザーの場合にユーザーが所属するレルム。 

requiredToCreatePin

requiredToCreatePin

ユーザーが PIN を指定する必要があることを示す、読み取り専用の Boolean 型属性。 

tempEndDate

tempEndDate

一時モードが終了する日付。 

tempEndHour

tempEndHour

一時モードが終了する時間。 

tempStartDate

tempStartDate

一時モードが開始する日付。 

tempStartHour

tempStartHour

一時モードが開始する時間。 

tempUser

tempUser

一時モードに入るユーザーまたは一時モードから抜けるユーザーを設定します。 

tokenClearPin

token1ClearPin

ユーザー更新で設定されている場合、ユーザーの PIN がクリアされます。 

tokenDisabled

token1Disabled

ユーザー更新で設定されている場合、ユーザーの PIN が無効になります。 

tokenLost

token1Lost

ユーザー更新で true に設定されている場合、アカウントは RSA 内で緊急アクセスモードになります。 

tokenLostPassword

token1LostPassword

値がブランクではない場合、LOST トークンは、指定された値を一時的なパスコードとして使用します。値がブランクの場合は、RSA が一時的なパスコードを割り当てるという従来の動作が実行されます。これは書き込み専用属性です。 

tokenLostExpireDate

token1LostExpireDate

LOST トークンの一時パスワードが期限切れになる日付を指定します。この属性は、tokenLostPassword がブランクではなく、tokenLostLifeTime がブランクか 0 の場合にのみ意味を持ちます。これは書き込み専用属性です。 

この属性は、サンプルユーザーフォームには実装されていません。 

tokenLostExpireHour

token1LostExpireHour

LOST トークンの一時パスワードが期限切れになる時間を指定します。たとえば、午後 4 時を表すには 16 と指定します。 この属性は、tokenLostPassword がブランクではなく、tokenLostLifeTime がブランクか 0 の場合にのみ意味を持ちます。これは書き込み専用属性です。 

この属性は、サンプルユーザーフォームには実装されていません。 

tokenLostLifeTime

token1LostLifeTime

一時的なパスコードを受け付ける期間を時間単位で指定します。このフィールドは、takenLostPassword の値に関係なく使用できます。これは書き込み専用属性です。 

tokenFirstSequence

token1FirstSequence

トークンを再同期する必要がある場合に、元のトークンを指定します。これは書き込み専用属性です。 

tokenNewPinMode

token1NewPinMode

ユーザーアカウントが New PIN モードに配置されている場合に、ユーザーの新しい PIN を指定します。 

tokenNextSequence

token1NextSequence

トークンを再同期する必要がある場合に、新しいトークンを指定します。これは書き込み専用属性です。 

tokenPin

token1Pin

暗号化された値。ユーザーの PIN。 

tokenPinToNTC

token1PinToNTC

true に設定されている場合、指定された割り当て済みトークンの PIN を次のトークンコードに設定するプロセスを開始します。 

tokenPinToNTCSequence

token1PinToNTCSequence

ユーザーの現在のトークンコードを指定します。 

tokenResync

token1Resync

トークンを再同期するかどうかを示します。この属性は、tokenFirstSequence 属性と tokenNextSequence 属性を有効にします。これは書き込み専用属性です。 

tokenSerialNumber

token1SerialNumber

トークンシリアル番号。12 文字にしてください。この要件を満たすように、必要な数の 0 を先頭に挿入します。 

tokenUnassign

token1Unassign

ユーザーから削除するトークンを指定します。これは書き込み専用属性です。 

userType

userType

RemoteLocal のいずれかにする必要があります。

リソースオブジェクトの管理

Identity Manager は、デフォルトで次の SecurID ACE/Server オブジェクトをサポートします。

表 39–1 サポートされる SecurID ACE/Server オブジェクト

リソースオブェクト 

サポートされる機能 

管理される属性 

group 

リスト、ビュー 

グループ名、このグループに割り当てられたユーザーのリスト、このグループでアクティブ化されているクライアントのリスト 

clients 

リスト、ビュー 

クライアント名、このクライアントに割り当てられたユーザーのリスト、このクライアントでアクティブ化されているグループのリスト 

アイデンティティーテンプレート

$accountId$

サンプルフォーム

SecurID User Form

トラブルシューティング

Identity Manager のデバッグページを使用して、次のクラスでトレースオプションを設定します。

Windows システムのゲートウェイへの接続に伴う問題を診断するため、次のメソッドでもトレースを有効にすることができます。