Sun Identity Manager 8.1 システム管理者ガイド

Identity Manager のデバッグページの使用

使用中の配備で問題を特定して解決できるようにするには、Identity Manager のデバッグページを使用します。たとえば、各種アクティビティーとオブジェクトのトレースの有効化と無効化、統計情報の収集、実行中のプロセスの検証、またはボトルネックとメモリー問題の調査が行えます。

一番よく使用されるデバッグページとその実際の .jsp ファイル名は、次の表のとおりです。


注 –

すべての Identity Manager デバッグページの総覧については、コマンドウィンドウを開いき、idm/debug ディレクトリのコンテンツを一覧表示します。


表 5–5 Identity Manager のデバッグページ

ページ名 

使用目的 

制御タイミング (callTimer.jsp)

各種メソッドの呼び出しタイマー統計を収集して表示します。この情報を基に、特定メソッドに対するボトルネックと呼び出された API を追跡できます。次のような呼び出しタイマーのメトリックスをインポートしたりエクスポートするには、読み出しタイミングページのオプションも使用できます。 

  • スキャン中の初期ユーザービューの取得に掛かる所要時間 (リソースなし)

  • スキャン中の初期ユーザービューの更新に掛かる所要時間 (リソース含む)

  • ユーザービューのポリシー評価に掛かる所要時間

  • 各ユーザースキャンに掛かる所要時間 (ユーザービューの取得やポリシー評価など)

  • アクセスをスキャンするためにユーザーリストの取得に掛かる所要時間

  • アクセスレビューでアクセスアテステーションルールの評価に掛かる所要時間


注 –

呼び出しタイミングの統計は、トレースが有効に設定されている間にだけ収集されます。


トレース設定の編集 (Show_Trace.jsp)

Identity Manager のインストールに用意されている Java クラスのトレース設定を有効にします。設定できる項目は次のとおりです。  

  • トレース対象となるメソッド、クラス、またはパッケージ、およびトレースレベル。

  • トレース情報の送信先をファイルにするか標準の出力先にするか、およびトレース出力ファイルの日時表示形式。

  • 格納対象となる最大トレースファイル数と、各ファイルの最大サイズ。

  • キャッシュ対象となるメソッドの最大数を指定します。

  • トレースファイルへのデータの書き込み方法。データ生成時にデータをトレースファイルへ書き込むか、キューに入れてからデータをファイルへ書き込むか。

ホスト接続プール (Show_ConnectionPools.jsp )

(データソースを使用していない場合に) 接続プール統計を表示します。プールのバージョン、接続の作成回数、アクティブ数、プール内にある接続数、プールから処理された要求数、切断された接続数などがあります。 

このホスト接続プールページは、ゲートウェイへの接続管理に使用された接続プールの概要を表示する際にも使用できます。この情報を使用して、低位アドレスメモリー状態を調べられます。 

消去されたキャッシュの一覧表示 (Clear_XMLParser_Cache.jsp)

キャッシュから最近使用した XML パーサーを消去して、低位アドレスメモリー状態を調査します。 

メソッドタイミング (Show_Timings.jsp)

ホットスポットをメソッドレベルで検出して評価します。次のような Identity Manager メソッドから情報を収集するには、このページを使用します。 

  • メソッド名

  • メソッドが呼び出された回数

  • メソッドがエラー状態で終了した回数

  • メソッドによって消費された平均時間

  • 各メソッドの呼び出しによって消費された最小時間と最大時間

オブジェクトサイズの概要 (Show_Sizes.jsp)

システムに影響しそうな、疑わしい大きなオブジェクトを検出します。このページは、リポジトリに格納されたオブジェクトのサイズを (文字単位で) 表示します。オブジェクトの総結合サイズ、平均サイズ、最小サイズなどがあります。リポジトリ内の最大設定オブジェクトの ID、名称、およびサイズを表示するには、「Type」列のエントリをクリックします。 

管理者設定ツールのプロビジョニングスレッド ( Show_Provisioning.jsp)

使用中のプロビジョニングスレッドの概要をシステム別に表示します (この情報のサブセットは、 Show_Threads.jsp から使用できます)。

システムキャッシュの概要 (Show_CacheSummary.jsp)

低位アドレスメモリーの状態を調査できるよう、次の情報を表示します。 

  • 管理者に関連付けられているオブジェクトキャッシュ

  • システムオブジェクトのキャッシュ

  • ユーザーのログインセッション

  • XML パーサーのキャッシュ

システムメモリーの概要 (Show_Memory.jsp )

JVM に十分なメモリーが割り当てられているか判断できるよう、調整などメモリーをたくさん使用する機能の使用時に使用できる合計メモリーと空きメモリーがどれくらいあるかを表示します。また、ガベージコレクションの起動や、ヒープ使用量を調査するための JVM 内の未使用メモリーの消去にも、このページが役に立ちます。 

システムプロパティー (SysInfo.jsp)

使用環境について表示します。 

システムスレッド (Show_Threads.jsp)

自動プロセスが実行中であることを確認できるよう、実行中のプロセスを表示します。プロセスの種類、プロセス名、優先順位、そのプロセスがデーモンかどうか、およびそのプロセスがアライブ中 (実行中) かについて記載します。 

ユーザーセッションプールの消去 (Clear_User_Cache.jsp )

低位アドレスメモリーの状態を調査するには、セッションプールの消去ページを使用します。 

Waveset プロパティー (Show_WSProp.jsp)

Waveset.properties ファイル内のプロパティーを表示して一時的に編集します。編集したプロパティー設定は、次回のサーバー起動時に初めて反映されます。

フラッシュされて消去された XML リソースアダプタキャッシュ (Clear_XMLResourceAdapter_Cache.jsp )

キャッシュから XML リソースアダプタを消去して、低位アドレスメモリー状態の調査に使用します。 


注 –

以上のデバッグページの詳細は、「Identity Manager のデバッグページの使用」を参照してください。


Procedure個々の Identity Manager デバッグページにアクセスする

始める前に

Identity Manager のデバッグページにアクセスして操作を実行するには、デバッグ機能が必要です。デバッグ機能がない場合は、エラーメッセージが表示されます。管理者とコンフィギュレータには、デフォルトでこのデバッグ機能が割り当てられています。

  1. ブラウザを開き、管理者インタフェースにログインします。

  2. 次の URL を入力して、「System Settings 」ページを開きます。

    http://host:port/idm/debug

    各表記の意味は次のとおりです。

    • host は、Identity Manager の実行先ローカルサーバーです。

    • port は、このサーバーが監視中の TCP ポート数です。

      このページから、Identity Manager の各種アクティビティーやオブジェクトのトレースを有効にしたり無効にできるほか、これらのページに表示される情報を基に、使用中の配備の問題をトラブルシューティングできます。

      デバッグページの中には、「System Settings」ページにリンクされていないものもありますので、そのページの .jsp ファイル名を入力してページを開く必要があります。例を示します。

      http:// host:port/idm/debug/ pageName.jsp

      ここで、pageName.jsp は、開こうとしている個々のデバッグページです。