「ユーザー」は、Enterprise Server で定義される個人またはアプリケーションプログラムの ID です。認証されたユーザーを「主体」と呼ぶ場合もあります。
管理者には、ユーザーを Enterprise Server 環境に統合し、これらのユーザーの資格を安全に確立して、ユーザーが使用権限を持つアプリケーションおよびサービスにアクセスできるようにする責任があります。
次のタスクを使用してユーザーを管理します。
keyfile に新しいエントリを追加し、新規ユーザーを作成するには、リモートモードで create-file-user サブコマンドを使用します。エントリにはユーザー名、パスワード、およびユーザーのグループが含まれます。グループ名をコロン (:) で区切ることで、複数のグループを指定できます。
新しい file レルムユーザーの作成は動的なイベントであり、サーバーの再起動は必要ありません。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
ユーザーを特定のグループに所属させる場合は、list-file-groups(1) サブコマンドを使用して現在のグループを表示します。
create-file-user(1) サブコマンドを使用して、ファイルユーザーを作成します。
この例では、デフォルトレルムの file に Jennifer というユーザーを作成します。グループは指定しません。
asadmin> create-file-user --user admin --passwordfile=c:\tmp\asadminpassword.txt Jennifer Command create-file-user executed successfully. |
コマンド行に asadmin help create-file-user と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。
keyfile 内のユーザーを一覧表示するには、リモートモードで list-file-users サブコマンドを使用します。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
list-file-users(1) サブコマンドを使用して、ユーザーを一覧表示します。
この例では、デフォルトの file レルムファイルのファイルユーザーを一覧表示します。
asadmin> list-file-users Jennifer Command list-file-users executed successfully. |
コマンド行に asadmin help list-file-users と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。
「グループ」は、肩書きや顧客のプロファイルなどの共通の特性で分類されたユーザーのカテゴリです。たとえば、E コマースアプリケーションのユーザーは customer グループに属し、お得意様は preferred グループにも属します。ユーザーをグループに分類すると、大量のユーザーによるアクセスを容易に制御できます。グループはサーバーおよびレルム全体で定義されます。ユーザーは複数のユーザーグループに関連付けることができます。
ロールはアプリケーション内での役割を定義するのに対し、グループはある方法で関連付けられているユーザーの集まりに過ぎません。この点で、グループとロールは異なります。たとえば、人事アプリケーションで、full-time、part-time、および on-leave といったグループがあるとします。これらのグループのユーザーは、すべて社員 (employee ロール) です。これに加え、各ユーザーには追加の雇用レベルを定義する各自の役職が指定されます。
ファイルユーザーのグループを一覧表示するには、リモートモードで list-file-groups サブコマンドを使用します。--name オプションを指定しない場合は、ファイルグループがすべて表示されます。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
list-file-groups(1) サブコマンドを使用して、ファイルグループを一覧表示します。
この例では、ユーザー joesmith のグループを一覧表示します。
asadmin> list-file-groups --name joesmith staff manager Command list-file-groups executed successfully |
指定したユーザーの keyfile の情報を変更するには、リモートモードで update-file-user サブコマンドを使用します。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
update-file-user(1) サブコマンドを使用して、ユーザー情報を更新します。
変更内容を適用するために、Enterprise Server を再起動します。
「ドメインの再起動」を参照してください。
次のサブコマンドは、ユーザー Jennifer のグループを更新します。
asadmin> update-file-user --passwordfile c:\tmp\asadminpassword.txt --groups staff:manager:engineer Jennifer Command update-file-user executed successfully. |
コマンド行に asadmin help update-file-user と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。
指定したユーザーのエントリを keyfile から削除するには、リモートモードで delete-file-user サブコマンドを使用します。自分自身を削除することはできません。つまり、ログインしているユーザーを、そのセッション中に削除することはできません。
サーバーが実行されていることを確認します。
リモートサブコマンドには、実行中のサーバーが必要です。
list-file-users(1) サブコマンドを使用して、ユーザーを一覧表示します。
delete-file-user(1) サブコマンドを使用して、ユーザーを削除します。
この例では、ユーザー Jennifer をデフォルトの file レルムから削除します。
asadmin> delete-file-user Jennifer Command delete-file-user executed successfully. |
コマンド行に asadmin help delete-file-user と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。