Logical Domains 1.2 管理ガイド

複製を使用して新規ドメインをプロビジョニングする

ディスクイメージのスナップショットを作成したら、ZFS 複製コマンドを使用してこのディスクイメージを複製できます。そのあと、複製されたイメージを別のドメインに割り当てることができます。起動ディスクイメージを複製することによって、新規ゲストドメイン用の起動ディスクが迅速に作成され、Solaris OS インストールプロセス全体を実行する必要はなくなります。

たとえば、作成された disk0 がドメイン ldg1 の起動ディスクである場合、次の手順を実行してこのディスクを複製し、ドメイン ldg2 の起動ディスクを作成します。


primary# zfs create ldmpool/ldg2
primary# zfs clone ldmpool/ldg1/disk0@version_1 ldmpool/ldg2/disk0

ldompool/ldg2/disk0 は、仮想ディスクとしてエクスポートして、新規の ldg2 ドメインに割り当てることができます。ドメイン ldg2 は、OS のインストールプロセスを実行しなくても、この仮想ディスクから直接起動することができます。

起動ディスクイメージの複製

起動ディスクを複製した場合、新しいイメージは元の起動ディスクと全く同一であり、イメージの複製前に起動ディスクに格納されていたホスト名、IP アドレス、マウントされているファイルシステムテーブル、システム構成、チューニングなどの情報が含まれています。

マウントされているファイルシステムテーブルは、元の起動ディスクイメージ上と複製されたディスクイメージ上で同じであるため、複製されたディスクイメージは、元のドメインの場合と同じ順序で新規ドメインに割り当てる必要があります。たとえば、起動ディスクイメージが元のドメインの 1 番めのディスクとして割り当てられていた場合は、複製されたディスクイメージを新規ドメインの 1 番めのディスクとして割り当てる必要があります。このようにしない場合、新規ドメインは起動できなくなります。

元のドメインが静的 IP アドレスで構成されていた場合、複製されたイメージを使用する新規ドメインは、同じ IP アドレスで始まります。この場合は、sys-unconfig(1M) コマンドを使用すると、新規ドメインのネットワーク構成を変更できます。この問題を回避するために、未構成のシステムのディスクイメージのスナップショットを作成することもできます。

元のドメインが動的ホスト構成プロトコル (DHCP) で構成されていた場合は、複製されたイメージを使用する新規ドメインも、DHCP を使用します。この場合、新規ドメインの起動時に、IP アドレスとそのネットワーク構成を自動的に受け取るため、新規ドメインのネットワーク構成を変更する必要はありません。


注 –

ドメインのホスト ID は起動ディスクには格納されませんが、ドメインの作成時に Logical Domains Manager によって割り当てられます。このため、ディスクイメージを複製した場合、その新規ドメインは元のドメインのホスト ID を保持しません。


Procedure未構成システムのディスクイメージのスナップショットを作成する

  1. 元のドメインをバインドし、起動します。

  2. sys-unconfig コマンドを実行します。

  3. sys-unconfig コマンドが完了すると、このドメインは停止します。

  4. ドメインを停止し、バインドを解除します。ドメインを再起動しないでください

  5. ドメインの起動ディスクイメージのスナップショットを作成します。

    次に例を示します。


    primary# zfs snapshot ldmpool/ldg1/disk0@unconfigured
    

    この時点でのスナップショットは、未構成システムの起動ディスクイメージです。

  6. このイメージを複製して新規ドメインを作成します。このドメインの最初の起動時に、システムを構成するように求められます。