Logical Domains 1.2 管理ガイド

アクティブなドメインの移行

Logical Domains 1.2 ソフトウェアを使用してアクティブなドメインの移行を行うには、ソース論理ドメイン、ソースマシン、およびターゲットマシンに特定の一連の要件および制限が課せられます。以降の節では、各リソースタイプに対するこれらの要件および制限について説明します。


注 –

ソースシステムおよびターゲットシステムの primary ドメインに暗号化装置が割り当てられていると、移行処理が高速になります。


アクティブなドメインの CPU の移行

次に、移行を実行する場合の CPU に対する要件および制限を示します。

アクティブなドメインのメモリーの移行

ターゲットマシン上に、ソースドメインの移行に対応できる十分な空きメモリーが存在する必要があります。さらに、移行が終了するまで次に示すいくつかのプロパティーが維持される必要があります。

ターゲットマシンには、ソースドメインの移行に対応できる十分な空きメモリーが存在する必要があります。また、ターゲットマシンの使用可能メモリーのレイアウトとソースドメインのメモリーのレイアウトに互換性がある必要があります。互換性がないと、移行は失敗します。

特に、ターゲットマシンのメモリーが複数の小さいアドレス範囲に分割されているのに、ソースドメインには単一の大きいアドレス範囲が必要な場合、移行は失敗します。次の例は、この場合について示したものです。ターゲットドメインの 2 つのメモリーブロックに、2G バイトの空きメモリーがあるとします。


# ldm list-devices memory
MEMORY
    PA                   SIZE
    0x108000000          1G
    0x188000000          1G

ソースドメイン ldg-src にも 2G バイトの空きメモリーがありますが、これは単一のメモリーブロックに配置されています。


# ldm list -o memory ldg-src
NAME
ldg-src

MEMORY
    RA               PA               SIZE
    0x8000000        0x208000000      2G

このようなメモリーレイアウトの場合、移行は失敗します。


# ldm migrate-domain ldg-src dt212-239
Target Password:
Unable to bind 2G memory region at real address 0x8000000
Domain Migration of LDom ldg-src failed

アクティブなドメインの物理 I/O デバイスの移行

物理デバイスが関連付けられている仮想デバイスは移行できます。ただし、物理デバイスに直接アクセスする仮想デバイスは移行できません。たとえば、I/O ドメインは移行できません。

アクティブなドメインの仮想 I/O デバイスの移行

ソースドメインが使用するすべての仮想 I/O (VIO) サービスが、ターゲットマシン上で使用可能である必要があります。つまり、次に示す状態になっている必要があります。

アクティブなドメインの NIU ハイブリッド I/O の移行

NIU ハイブリッド I/O リソースを使用するドメインを移行できます。NIU ハイブリッド I/O リソースを指定する制約は、論理ドメインの必須要件ではありません。使用可能な NIU リソースが存在しないマシンにこのようなドメインを移行した場合、制約は維持されますが、この制約が満たされることはありません。

アクティブなドメインの暗号化装置の移行

暗号化装置をバインドした論理ドメインは、複数の VCPU を持つ場合は移行できません。このようなドメインを移行する試みは失敗します。

アクティブなドメインの遅延再構成

ソースホストまたはターゲットホスト上でアクティブな遅延再構成処理が実行されている場合、移行を開始できません。移行の進行中、遅延再構成処理はブロックされます。

ほかのドメインの操作

マシンでの移行が終了するまで、移行中のドメインのマシン記述 (MD) が変更されるような操作はブロックされます。このような操作には、このドメイン自体でのすべての操作のほか、マシン上のほかのドメインでのバインド、停止などの操作も含まれます。