Logical Domains 1.2 管理ガイド

イベントメッセージ

ポーリングの代わりに、特定の状態変化が発生した場合にイベント通知を受信するように登録できます。個々に、または一括して登録できるイベントのタイプは 3 つあります。詳細は、「イベントタイプ」 を参照してください。

登録および登録解除

イベントを登録するには、<LDM_interface> メッセージを使用します。<LDM_interface> タグ」 を参照してください。処理タグには登録または登録解除するイベントのタイプを記述し、<data> セクションは空白のままにしておきます。


例 10–3 イベントの登録要求メッセージの例


<LDM_interface version="1.0">
  <cmd>
    <action>reg-domain-events</action>
    <data version="3.0"/>
  </cmd>
</LDM_interface>

Logical Domains Manager は、登録または登録解除が成功したかどうかを示す <LDM_interface> 応答メッセージで応答します。


例 10–4 イベントの登録応答メッセージの例


<LDM_interface version="1.0">
  <cmd>
    <action>reg-domain-events</action>
    <data version="3.0"/>
      <response>
        <status>success</status>
      </response>
    </data>
    <response>
      <status>success</status>
    </response>
  </cmd>
  <response>
    <status>success</status>
  </response>
</LDM_interface>

各タイプのイベントの処理文字列は、イベントサブセクションにリストされます。

<LDM_event> メッセージ

イベントメッセージの形式は受信 <LDM_interface> メッセージと同じですが、このメッセージの開始タグは <LDM_event> になる点が異なります。メッセージの処理タグは、イベントをトリガーするために実行された処理です。メッセージのデータセクションにはイベントに関連付けられたオブジェクトが記述されます。詳細は、発生したイベントのタイプによって異なります。


例 10–5 <LDM_event> 通知の例


<LDM_event version='1.0'>
  <cmd>
    <action>Event command here</action>
    <data version='3.0'>
      <Envelope
        <References/>
        <Content xsi:type='ovf:VirtualSystem_Type' ovf:id='ldg1'/>
          <Section xsi:type="ovf:ResourceAllocationSection_type"> 
            <Item>
              <rasd:OtherResourceType>LDom Resource Type</rasd:OtherResourceType>
              <gprop:GenericProperty
              key="Property name">Property Value</gprop:GenericProperty>
            </Item>
          </Section>
      </Envelope>
    </data>
  </cmd>
</LDM_event>

イベントタイプ

次に、登録できるイベントのタイプを示します。

これらすべてのイベントは、Logical Domains Manager (ldm) サブコマンドに対応しています。

ドメインイベント

ドメインイベントは、ドメインに直接実行できる処理を記述します。次の表に、<LDM_event> メッセージの <action> タグにリストされる可能性のあるドメインイベントを示します。

ドメインイベント 

ドメインイベント 

ドメインイベント 

add-domain

remove-domain

bind-domain

unbind-domain

start-domain

stop-domain

domain-reset

panic-domain

migrate-domain

これらのイベントでは、常に、OVF データセクションにイベントが発生したドメインが記述された <Content> タグのみが含まれます。ドメインイベントを登録するには、<action> タグを reg-domain-events に設定した <LDM_interface> メッセージを送信します。これらのイベントの登録を解除するには、処理タグを unreg-domain-events に設定した <LDM_interface> メッセージが必要です。

ハードウェアイベント

ハードウェアイベントは、物理的なシステムハードウェアの変更に関係しています。LDoms ソフトウェアの場合、実行できるハードウェア変更は、ユーザーがサービスプロセッサ (SP) 構成の追加、削除、または設定を行う場合の SP への変更だけです。現在、このタイプのイベントは次の 3 つだけです。

ハードウェアイベントでは、常に、OVF データセクションにイベントが発生している SP 構成が記述された <Section> タグのみが含まれます。これらのイベントを登録するには、<action> タグを reg-hardware-events に設定した <LDM_interface> メッセージを送信します。これらのイベントの登録を解除するには、<action> タグを unreg-hardware-events に設定した <LDM_interface> メッセージが必要です。

進捗イベント

進捗イベントは、ドメインの移行など、長時間にわたって実行されるコマンドに対して発行されます。このイベントは、コマンド実行期間中のそれまでの進捗量を報告します。この時点では、migration-process イベントのみが報告されます。

進捗イベントでは、常に、OVF データセクションにイベントの影響を受ける SP 構成が記述された <Section> タグのみが含まれます。 これらのイベントを登録するには、<action> タグを reg-hardware-events に設定した <LDM_interface> メッセージを送信します。これらのイベントの登録を解除するには、<action> タグを unreg-hardware-events に設定した <LDM_interface> メッセージが必要です。

進捗イベントの <data> セクションは、影響を受けるドメインを記述する <content> セクションによって構成されています。この <content> セクションでは、ldom_info <Section> タグを使用して進捗を更新します。次の汎用プロパティーが ldom_info セクションに表示されます。

リソースイベント

任意のドメインでリソースを追加、削除、または変更すると、リソースイベントが発生します。これらの一部のイベントのデータセクションには、OVF データセクションにサービス名が示されている <Section> タグがある、<Content> タグが含まれています。次の表に、<LDM_event> メッセージの <action> タグにリスト可能なイベントを示します。

リソースイベント 

リソースイベント 

add-vdiskserverdevice

remove-vdiskserverdevice

set-vdiskserverdevice

remove-vdiskserver

set-vconscon

remove-vconscon

set-vswitch

remove-vswitch

remove-vdpcs

 

その他のリソースイベントでは、常に、OVF データセクションにイベントが発生したドメインが記述された <Content> タグのみが含まれます。

リソースイベント 

リソースイベント 

リソースイベント 

add-vcpu

add-crypto

add-memory

add-io

add-variable

add-vconscon

add-vdisk

add-vdiskserver

add-vnet

add-vswitch

add-vdpcs

add-vdpcc

set-vcpu

set-crypto

set-memory

set-variable

set-vnet

set-vconsole

set-vdisk

remove-vcpu

remove-crypto

remove-memory

remove-io

remove-variable

remove-vdisk

remove-vnet

remove-vdpcc

リソースイベントを登録するには、<action> タグを reg-resource-events に設定した <LDM_interface> メッセージを送信します。これらのイベントの登録を解除するには、<action> タグを unreg-resource-events に設定した <LDM_interface> メッセージが必要です。

すべてのイベント

各イベントを個別に登録しないで、3 つのタイプすべてのイベントを待機するように登録することもできます。3 タイプすべてのイベントを同時に登録するには、<action> タグを reg-all-events に設定した <LDM_interface> メッセージを送信します。これらのイベントの登録を解除するには、<action> タグを unreg-all-events に設定した <LDM_interface> メッセージが必要です。