名前 | 形式 | 機能説明 | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目
ldmp2v collect [-a ufsdump|flash|none] [-v] [-x exclude-fs [-x ...]] -d data-dir ldmp2v prepare [-b zvol | file] [-c cpu] [-o keep-hostid] [-o keep-mac] [-m mountpoint:size [-m ...]] [-M memsize] [-p prefix] [-s] [-v] [-x no-auto-adjust-fs] [-x remove-unused-slices] -d data-dir domain ldmp2v prepare -R guest-root [-c cpu] [-o keep-hostid] [-o keep-mac] [-m mountpoint:size [-m ...]] [-M memsize] [-v] [-x no-auto-adjust-fs] [-x remove-unused-slices] -d data-dir domain ldmp2v prepare -C domain ldmp2v convert -i install-image -d data-dir [-v] domain ldmp2v convert [-j] -n interface -d data-dir [-v] domain
Logical Domains Physical-to-Virtual (P2V) 移行ツール Version 1.0 は、既存の物理システムを、チップマルチスレッディング (CMT) システム上の論理ドメインで動作する仮想システムに自動的に変換します。ソースシステムとして使用できるのは、Solaris 8 以降のオペレーティングシステムが動作する任意の sun4u SPARC システムか、または Solaris 10 OS が動作する Logical Domains 以外の sun4v システムです。
物理システムから仮想システムへの変換は、次のフェーズで実行されます。
収集フェーズ。物理ソースシステムで実行されます。collect は、ソースシステムに関して収集した構成情報に基づいて、ソースシステムのファイルシステムイメージを作成します。
準備フェーズ。ターゲットシステムの制御ドメインで実行されます。prepare は、collect フェーズで収集された構成情報に基づいて、ターゲットシステムに論理ドメインを作成します。ファイルシステムイメージは、1 つ以上の仮想ディスクに復元されます。このイメージは、論理ドメインとして動作できるように変更されます。
変換フェーズ。ターゲットシステムの制御ドメインで実行されます。convert フェーズでは、Solaris の標準アップグレード処理を使用して、作成された論理ドメインが Solaris 10 OS で動作する論理ドメインに変換されます。
次の節からは、物理システムから仮想システムへの変換が各フェーズで実行される方法について説明します。
ldmp2v collect [-a ufsdump|flash|none] [-v] [-x exclude-fs [-x ...]] -d data-dir |
ldmp2v collect コマンドは、次のオプションを使用します。
使用するアーカイブ方法を指定します。有効な値は、ufsdump、flash、または none です。デフォルトは ufsdump です。
P2V ファイルを格納するディレクトリをシステムごとに指定します。収集フェーズでは、このディレクトリは、root による書き込みが可能である必要があります。中間ディレクトリは、自動的に作成されます。
詳細モードを使用します。このモードでは、ldmp2v によって発行されるメッセージがより詳細になります。
ファイルシステム (exclude-fs) をアーカイブから除外します。
ldmp2v prepare [-b zvol | file] [-c cpu] [-o keep-hostid] [-o keep-mac] [-m mountpoint:size [-m ...]] [-M memsize] [-p prefix] [-s] [-v] [-x no-auto-adjust-fs] [-x remove-unused-slices] -d data-dir domain ldmp2v prepare -R guest-root [-c cpu] [-o keep-hostid] [-o keep-mac] [-m mountpoint:size [-m ...]] [-M memsize] [-v] [-x no-auto-adjust-fs] [-x remove-unused-slices] -d data-dir domain ldmp2v prepare -C domain |
ldmp2v prepare コマンドは、次のオペランドおよびオプションを使用します。
操作の対象となる論理ドメインを指定します。
/etc/ldmp2v.conf の BACKEND_TYPE の設定を上書きします。仮想ディスクのバックエンドとして、ZFS ボリューム (zvol) またはプレーンファイル (file) を使用できます。
VCPU の数を論理ドメインに割り当てます。デフォルトでは、ldmp2v は、物理システム上の各 CPU に 1つの VCPU を割り当てます。
指定したドメインをクリーンアップします。
P2V に必要なファイルが配置されるディレクトリをシステムごとに指定します。
mountpoint で、ファイルシステムの基本となるスライスおよびディスクのサイズを変更します。サイズは numunit と指定します。ここで、unit は、ブロックの場合は b、K バイトの場合は k、M バイトの場合は m、G バイトの場合は g です。このオプションは、複数回指定できます。このオプションを使用すると、/、/usr、および /var の自動サイズ変更が無効になります。
論理ドメインに割り当てるメモリー量を M バイト単位で指定します。デフォルトでは、ldmp2v は、物理システムと同じ量を割り当てます。
物理システムのホスト ID を論理ドメインに転送します。デフォルトでは、Logical Domains Manager は新しい一意の ID を割り当てます。
物理システムの MAC アドレスを論理ドメインに転送します。デフォルトでは、Logical Domains Manager は新しい一意の MAC アドレスを割り当てます。
バックエンドデバイスを作成する場所を指定します。zvol バックエンドの場合は ZFS データセット、file バックエンドの場合は / からの相対ディレクトリを指定します。このオプションは、/etc/ldmp2v.conf の BACKEND_PREFIX パラメータより優先されます。
非自動モードを選択します。OS イメージの変更手順は、guest-root をルートとするファイルシステムに適用されます。論理ドメインの /etc/vfstab を更新して、guest-root 配下のファイルシステムのレイアウトに一致させます。
スパースバックエンドデバイスを作成します。このオプションは、/etc/ldmp2v.conf の BACKEND_SPARSE パラメータより優先されます。
詳細モードを使用します。このモードでは、ldmp2v によって発行されるメッセージがより詳細になります。
/、/usr、および /var ファイルシステムが自動サイズ調整で合計 10G バイトにならないようにします。新しい Solaris リリースにアップグレードする場合、既存のファイルシステムのサイズが十分でないことがあるため、このオプションは注意して使用してください。
-m オプションを使用すると、ファイルシステムのサイズを手動で変更できます。
ファイルシステムまたはスワップパーティションを含まないスライスを作成しないようにして、仮想ディスクのサイズを減らします。
ldmp2v convert -i install-image -d data-dir [-v] domain ldmp2v convert [-j] -n interface -d data-dir [-v] domain |
ldmp2v convert コマンドは、次のオプションを使用します。
P2V に必要なファイルが配置されるディレクトリをシステムごとに指定します。
アップグレードに使用する Solaris 10 OS DVD ISO イメージのパスを指定します。
Custom JumpStart を使用します。この場合、JumpStart サーバーおよび JumpStart クライアントが適切に構成されている必要があります。
ネットワークインストールサーバーを使用する場合に起動する仮想ネットワークインタフェースを指定します。
詳細モードを使用します。このモードでは、ldmp2v によって発行されるメッセージがより詳細になります。
変換フェーズを開始する前に、元の物理システムを停止してください。これは、論理ドメインが、物理システムと同じ IP アドレスを使用し、場合によっては同じ MAC アドレスを使用するためです。
物理システムのいずれかの IP アドレスがアクティブな場合、ldmp2v convert コマンドはエラーメッセージを表示して終了します。
この節では、3 つのフェーズの例を示します。
ldmp2v collect コマンドの使用方法の例を次に示します。
NFS マウント済みファイルシステムを共有する。次の例は、collect フェーズの簡単な実行方法を示しています。この場合、ソースシステムとターゲットシステムは、1 つの NFS マウント済みファイルシステムを共有します。
# ldmp2v collect -d /home/dana/p2v/volumia |
NFS マウント済みファイルシステムを共有しない。ソースシステムとターゲットシステムが 1 つの NFS マウント済みファイルシステムを共有しない場合、ファイルシステムイメージをローカル記憶領域に書き込んだあとで制御ドメインにコピーできます。ufsdump を使用してファイルを除外することはできないため、ldmp2v が提供するフラッシュアーカイブ方式を使用します。フラッシュツールは、作成したアーカイブを自動的に除外します。
# ldmp2v collect -d /home/dana/p2v/volumia -a flash |
ファイルシステムのバックアップステップをスキップする。NetBackup など、他社のバックアップツールを使用することでシステムのバックアップをすでに利用できる場合は、none アーカイブ方式を使用してファイルシステムのバックアップステップをスキップできます。このオプションを使用する場合、システム構成マニフェストのみが作成されます。
# ldmp2v collect -d /home/dana/p2v/volumia -a none |
-d で指定するディレクトリが、ソースシステムとターゲットシステムによって共有されていない場合は、そのディレクトリの内容を制御ドメインにコピーします。準備フェーズを開始する前に、ディレクトリの内容を制御ドメインにコピーする必要があります。
ldmp2v prepare コマンドの使用方法の例を次に示します。
次の例は、物理システムの MAC アドレスを保持しながら、/etc/ldmp2v.conf に構成されているデフォルトを使用することで、volumia という論理ドメインを作成します。
# ldmp2v prepare -d /home/dana/p2v/volumia -o keep-mac volumia |
次の例は、-C オプションを使用して、ドメインとそのバックエンドデバイスを完全に削除する方法を示しています。
# ldmp2v prepare -C volumia |
次の例は、-m オプションを使用してマウントポイントとその新しいサイズを指定することで、P2V の実行中に 1 つ以上のファイルシステムのサイズを変更する方法を示しています。
# ldmp2v prepare -d /home/dana/p2v/normaal -m /:8g normaal |
ldmp2v convert コマンドの使用方法の例を次に示します。
ネットワークインストールサーバーを使用する。ldmp2v convert コマンドは、指定した仮想ネットワークインタフェースを使用することによってネットワーク経由で Logical Domains を起動します。インストールサーバーで setup_install_server および add_install_client スクリプトを実行する必要があります。
Custom JumpStart 機能を使用し、完全に操作不要の変換を実行することもできます。
次の例は、ネットワークインストールサーバーを使用してシステムをアップグレードする方法を示しています。
# ldmp2v convert -n vnet0 -d /p2v/volumia volumia |
次の例は、Custom JumpStart を使用してシステムをアップグレードする方法を示しています。
# ldmp2v convert -j -n vnet0 -d /p2v/volumia volumia |
ISO イメージを使用する。ldmp2v convert コマンドは、Solaris DVD ISO イメージを論理ドメインに関連付け、そこから起動します。アップグレードを行うには、sysid のすべての質問に回答し、「Upgrade」を選択します。
sysid の質問への回答は、アップグレード処理時にのみ使用されるため、もっとも単純なオプション (ネットワーク接続なし、ネームサービスなし、など) を選択できます。システムの元の ID は、アップグレードによって保持され、アップグレードの完了後に再起動すると有効になります。アップグレードの実行に必要な時間は、元のシステムにインストールされている Solaris クラスタによって異なります。
# ldmp2v convert -i /tank/iso/s10s_u5.iso -d /home/dana/p2v/volumia volumia |
次の属性の説明については、attributes(5) マニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWldmp2v |
インタフェースの安定性 |
未確定 |