ステータスダイアログを使用すると、各プロセスの再生と録音の状態をマスター・レベルで表示できます。ステータスダイアログを開くには、[表示] メニューから [ステータス] を選択します。オーディオ・コントロールでは、使用するデバイスのタイプを検出します。デバイスで再生をサポートしている場合は、[再生] が表示されます。デバイスで録音をサポートしている場合は、[録音] が表示されます。次に例を示します。
ステータスダイアログには、次のコントロールがあります。
[プロセス] リスト・ボックス — 状態の監視に利用できる項目のリストが表示されます。マスター・レベルで状態を表示することも、/dev/audio を使用している動作中のプロセスごとの状態を表示することも可能です。1 度に監視できるのは、1 つのプロセス (あるいは、[マスター]) だけです。リストから項目を選択すると、ステータスダイアログの下部分にある [再生] 区画と [録音] 区画が更新され、選択した監視されている項目の状態を反映できます。
[継続的に更新] チェック・ボックス — [継続的に更新] チェック・ボックスを選択していない場合、選択したプロセスの状態はステータスダイアログを呼び出したときに表示されます。[継続的に更新] チェック・ボックスを選択している場合、選択したプロセスの状態は常に監視され更新されます。
[今すぐ更新] ボタン — [継続的に更新] チェック・ボックスを選択していない場合、表示を更新するには、[今すぐ更新] ボタンをクリックします。[継続的に更新] チェック・ボックスを選択している場合、[今すぐ更新] ボタンは無効です (グレー表示されます)。
次に、監視中の各パラメータの状態を説明します。これらのパラメータは LED アイコンとしてオンまたはオフの状態で示されるか、状態の詳細を示すテキスト文字列として表示されます。
[再生] と [録音]
[開く] — デバイスはプロセスによって開かれています。デバイスは読み取り専用、書き込み専用、または読み書き両用に開かれている可能性があるため、[再生] と [録音] に 1 つずつ [開く] があります。[開く] はミキサーモードでない (ミキシングが無効な) ときだけに使用されます。
[一時停止] — デバイスはアプリケーションの命令によって再生または録音を一時停止しています。[開く] と同様に、[再生] と [録音] のどちらか一方だけが一時停止であり、他方は使用中である可能性もあります。また、[一時停止] はミキサーモードでない (ミキシングが無効な) ときだけに使用されます。
[アクティブ] — デバイスはサウンドを再生または録音しています。ミキサーモードの場合、少なくとも一方のストリームが再生または録音している (アクティブである) ことを意味します。つまり、他方が一時停止している可能性もあります。ミキサーモードでない場合、再生または録音のストリームは 1 つしか存在しないため、そのストリームがアクティブであることを意味します。
[アンダーフロー] — 再生中に十分なオーディオを利用できない場合、デバイスはアンダーフローにない、無音状態になります。ミキサーモードのときは、再生中のオーディオ・ストリームにミキシングするための十分なサウンドがストリームになく、一方のストリームが無音状態になることを意味します。
[開く - 待機中] — ミキサーモードでないときは、あるプロセスがオーディオ・デバイスを開こうとしたが、別のプロセスがすでにそのデバイスを開いていたために開くことができなかったことを意味します。ミキサーモードのときは、あるプロセスがオーディオ・デバイスを再生または録音用に開こうとしたが、別のプロセスがすでにそのデバイスを同じ方向 (再生または録音) で開いていたために開くことができなかったことを意味します。あるいは、ミキシング用の資源が不足しているため、別のプロセスがオーディオ・デバイスを閉じて資源を解放するのを待っていることを意味します。
[EOF の数] — 再生中にオーディオ・ストリームにマーカを付けると、その部分がいつ再生されたを知ることができます。具体的には、サイズがゼロの書き込みを行い、シグナルを受信できるようにします。再生中、このマーカが検出されるたびに EOF の数が 1 つだけ増分され、アプリケーションにシグナルが送信されます。
[サンプル] — 再生または録音されるサンプル・フレームの数。サンプル・フレームとは、1 つのサンプル時間を再生するためのサンプルのことです。たとえば、モノラルのオーディオ・ストリームを再生することは、1 つのサンプル・フレームが 1 つのサンプルを持っていることを意味します。しかし、ステレオのオーディオストリームを再生することは、1 つのサンプル・フレームが 2 つのサンプル (一方は左チャネル用、他方は右チャネル用) を持っていることを意味します。
[エンコーディング] — 2 つのオーディオ・フォーマット属性 (精度と符号化) を結びつけます。精度とは、各サンプルが使用するビット数のことです。16 ビットと 8 ビットがサポートされています。符号化とは、オーディオ・サンプルを処理する方法のことです。通常は、大量のデータをネットワークに送信または、ディスクに格納しないように、オーディオ・ストリームのサイズを圧縮します。直線的なパルス符号変調 (AKA リニア PCM) である「リニア」がサポートされています。また、u-Law と A-Law もサポートされます (u-Law の u はギリシャ文字「ミュー」を示します。普通の文字では表現できないために u を代用しています。PostScript では表記できます)。精度と符号化を結びつけると、16 ビットのリニア PCM、8 ビットのリニア PCM、8 ビットの u-Law、および 8 ビットの A- Law がサポートされます。リニア PCM には「符号付き」と「符号なし」がありますが、「符号付き」だけがサポートされます。
[サンプリング速度] — 1 秒間に、オーディオ・ストリームがサンプリングされ、アナログからデジタルに (録音時)、あるいは、デジタルからアナログに (再生時) シグナルが変換される回数。この値が大きくなるほど、デジタル・シグナルの精度は上がります。しかし、より多くのディスク領域がデータ格納用に必要となり、より多くのネットワーク帯域幅がデータ転送用に必要となることも意味します。
[チャンネル] — サンプル・フレーム中のサンプルの数。現在、1 (モノラル) または 2 (ステレオ) がサポートされます。
[閉じる] ボタン — ステータスダイアログを閉じます。