Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド

ファイル・システムの基本概念

この節では、ファイル・システムの基本概念について説明します。

ファイル

「ファイル」は、情報が入っているコンテナです。使用するほとんどのファイルには、ドキュメント、スプレッドシート、チャートなどの特定の書式の情報 (データ) が入っています。書式は、データをファイル内で配列する特定の方法です。ファイルの書式は、「データ型」として認識されます。

ファイル・マネージャは、アイコンを表示するモードの 1 つにあるときは、ファイルを表すのに使用するアイコンによってファイルのデータ型を識別できます。各データ型は、異なるアイコンを持っています。

ほとんどのアプリケーション・プログラムは、限られた数のデータ型しか認識しません。たとえば、ドキュメント・エディタは、スプレッドシート・ファイルを読めない可能性があります。デスクトップは、データ型データベースを使用して異なる型のファイルを認識できます。ほとんどの場合、ファイルをダブルクリックすると、デスクトップはファイルのデータ型を理解しているアプリケーションを自動的に起動します。

ファイル名の使用可能な長さは、システムによって異なります。オペレーティング・システムの中には、14 文字よりも長い名前は使用できないものもあります。詳細は、システム管理者に問い合わせてください。

フォルダ

「フォルダ」は、ファイルのためのコンテナで、ファイル・キャビネットにあるフォルダに似ています。実際、ファイル・マネージャは、フォルダを表すフォルダ・アイコンを使用します。フォルダには、サブフォルダと呼ばれるその他のフォルダを保持することもできます。フォルダとサブフォルダに対して、階層を形成する層を複数作成できます。他のコンテキストで、フォルダは「ディレクトリ」と呼ばれることもあります。

任意の 1 つのフォルダごとに、固有のファイル名にしてください。ただし、別のフォルダのファイルには同じファイル名を付けてもかまいません。

フォルダからフォルダへナビゲートすると、現在の位置が「現在のフォルダ」として表示されます。

オブジェクト

ファイルとフォルダは、いずれもファイル・マネージャでアイコンで示されるため、「オブジェクト」という用語は、これらの両方を指すのに使用します。オブジェクトは、デスクトップ上では分離されたもので、作成と処理ができます。

デスクトップでは、アプリケーションもオブジェクトとして示されます。たとえばアプリケーション・マネージャには、システムで使用可能なアプリケーションを示すオブジェクトがあります。

パス

ファイルの位置は、ファイルへ到達するまでのフォルダとサブフォルダを表示して指定します。このリストは「パス」と呼ばれます。ファイルのパスは、ファイル・マネージャの 2 箇所で参照できます。1 つは、それぞれのフォルダでアイコン化したファイルのパスの表示に示されます。もう 1 つは、表示領域の上のパスの表示にテキスト形式で示されます。これら 2 つの領域を表示しないようにすることもできます。詳細は、ヘッダを構成するにはを参照してください。

パスとパス名

オブジェクトへのパスは、ファイル・システムのどこにオブジェクトがあるかを示します。パスの指定方法には、絶対パスと相対パスの 2 つがあります。

絶対パス

ルート・フォルダで始まるパスは、「絶対パス」です。「ルート・フォルダ」は、階層が始まる場所にあるシステムに 1 つしかない共通フォルダです。パスがスラッシュ (/) で始まる場合は、ルート・フォルダから指定された絶対パスです。たとえば、ファイル letter への絶対パスを次に示します。

/usr/dt/config/letter

相対パス

現在のフォルダに関連したファイルまたはフォルダの位置を示すパスは、「相対パス」です。フォルダから次のフォルダ・ツリーに移動する場合は、絶対パス名を入力する必要はありません。パス上の次のフォルダ名のパスを表す文字列を入力します。パスがスラッシュで始まらない場合は相対パスです。たとえば、現在のフォルダが /usr/dt で、フォルダ /usr/dt/config/letters に移動する場合、次のような相対パスを使用します。

config/letters

相対パスを指定するときは、次の 2 つの特殊フォルダ名が便利です。「.」フォルダ (「ドット」とも呼ばれます) は現在のフォルダを示します。「..」フォルダ (「ドット・ドット」とも呼ばれます) は「親」フォルダ、つまりフォルダ階層で一段上のレベルにあるフォルダを示します。たとえば、現在のフォルダが /usr/dt/config の場合、Dtwm ファイルの相対パスは次のとおりです。

../app-defaults/language/Dtwm

ファイルが /usr/dt/app-defaults/language フォルダにあるので、現在のフォルダの 1 つ上のレベルの app-defaults/language サブフォルダにあります。

関連項目

コンピュータのファイル・システムの詳細は、オペレーティング・システムのオンライン・ヘルプまたはマニュアルを参照してください。ファイル・システムとファイル管理の基礎を説明した本も市販されています。