Solaris DHCP サービス開発ガイド

パブリックモジュールとデータ格納コンテナの名前付け

パブリックモジュールおよびコンテナはどちらも、アーキテクチャのアップグレードメカニズムが機能するためのバージョン番号を含んでいなければなりません。

パブリックモジュール名

パブリックモジュールの名前は、次の形式に従っていなければなりません。

ds_name.so. ver

ここで、name はモジュールの名前、ver はコンテナ形式のバージョン番号です。name は、ユーザーの組織に対応する、国際的に認知された識別子である接頭辞を使用する必要があります。たとえば、Sun Microsystems が提供するパブリックモジュールには、Sun の株式のティッカーシンボルである SUNW の接頭辞が付いていなくてはなりません。たとえば、NIS+ のパブリックモジュール名は ds_SUNWnisplus.so.1 となります。モジュール名にこのような識別子を含めることにより、パブリックモジュールディレクトリ /usr/lib/inet/dhcp/svc 内でパブリックモジュール名の衝突を避けることができます。

たとえば、会社名が Inet DataBase なら、モジュール名に ds_IDBtrees.so.1 を付けることができます。

コンテナ名

管理インタフェースを通して管理者に表示されるコンテナの名前には、常に dhcptab と、DHCP ネットワークテーブルのドット形式の IP ネットワークアドレス (10.0.0.0 など) を含まなければなりません。

内部的に、データ格納コンテナの名前には、必要に応じてコンテナ形式の改訂番号を生成できるようにバージョン番号を含む必要があります。この名前付けのスキームでは、1 つのコンテナの複数のバージョンが同時に存在することが可能で、これはアーキテクチャのコンテナのバージョンアップグレードメカニズムが機能するために必要です。

コンテナに使用される名前は、その名前が一意であるために、国際的に認識できるトークンを含む必要があります。

たとえば、Solaris DHCP で提供される NIS+ のパブリックモジュールは、dhcptab コンテナを内部的には SUNWnisplus1_dhcptab として作成します。172.21.174.0 ネットワークテーブルのコンテナは SUNWnisplus1_172.21.174.0 になります。

会社名が Inet DataBase で、パブリックモジュールが ds_IDBtrees.so.1 であれば、コンテナに IDBtrees1_dhcptab および IDBtrees1_172.21.174.0 と名付けることができます。