ONC+ 開発ガイド

構成スクリプトの印刷、インストール、置き換え

この節では、SAC とポートモニターの管理コマンドを使用して、3 種類の構成スクリプトをインストールする方法を説明します。システムごとの構成スクリプトとポートモニターごとの構成スクリプトは sacadm コマンドで管理します。サービスごとの構成スクリプトは pmadm コマンドで管理します。

システムごとの構成スクリプト

システムごとの構成スクリプトは sacadm コマンドで管理します。

sacadm -G  [ -z script ]

システムごとの構成スクリプトを印刷するか置き換えるときは、-G オプションを使用します。-G オプションだけを指定すると、システムごとの構成スクリプトが印刷されます。-G オプションと -z オプションを組み合わせると、/etc/saf/_sysconfigscript に指定されたファイルの内容で置き換えられます。-G オプションは -z オプション以外のオプションと組み合わせて使用することはできません。

次に示すシステムごとの構成ファイル (_sysconfig) では、時間帯を示す変数 TZ を設定しています。

assign TZ=EST5EDT # set TZ
runwait echo SAC is starting> /dev/console

ポートモニターごとの構成スクリプト

モジュールごとの構成スクリプトは sacadm コマンドで管理します。

sacadm -g -p pmtag [ -z script ]

-g オプションは、ポートモニターごとの構成スクリプトの印刷、インストール、置き換えを行うときに使用します。-g オプションには -p オプションが必要です。-g オプションに -p オプションだけを組み合わせて指定すると、script に指定したファイルがポートモニター pmtag に対するポートモニターごとの構成スクリプトとしてインストールされます。-g オプションに -p オプションと -z オプションを組み合わせて指定すると、pmtag に指定したポートモニターのポートモニターごとの構成スクリプトと同じファイル script がインストールされます。あるいは、/etc/saf/pmtag/_config が存在する場合、script の内容に _config が置き換わります。-g オプションをこれ以外のオプションと組み合わせて使用することはできません。

_config ファイル内では、コマンド /usr/bin/daemon は STREAMS のマルチプレクサーを構築してまとめるデーモンプロセスを起動するとみなされます。この構成スクリプトをインストールすると、ポートモニターが必要とするコマンドを、ポートモニターの起動の直前に実行できます。

# build a STREAMS multiplexor
run /usr/bin/daemon
runwait echo $PMTAG is starting> /dev/console

サービスごとの構成スクリプト

サービスごとの構成スクリプトは、サービスが呼び出される前に、ポートモニターによって解釈されて実行されます。

pmadm -g -p pmtag -s  svctag [ -z script ]
 pmadm -g -s svctag -t type -z script

注 –

SAC は自分自身の構成ファイル (_sysconfig) と、ポートモニターの構成ファイルの両方を解釈して実行します。サービスごとの構成ファイルだけは、ポートモニターが実行します。


-g オプションは、サービスごとの構成スクリプトの印刷、インストール、置き換えを行うときに使用します。-g オプションに -p オプションと -s オプションを組み合わせると、ポートモニター (pmtag) で提供されるサービス (svctag) のサービスごとの構成スクリプトが印刷されます。-g オプションに -p オプション、-s オプション、-z オプションを組み合わせると、指定したファイル (script) に入っているスクリプトが、ポートモニター (pmtag) で提供されるサービス (svctag) のサービスごとの構成スクリプトとしてインストールされます。-g オプションに -s オプション、-t オプション、-z オプションを組み合わせると、指定したファイル (script) が、ポートモニタータイプ (type) で提供されるサービス (svctag) のサービスごとの構成スクリプトとしてインストールされます。-g オプションを、上で述べた以外のオプションと組み合わせて使用することはできません。

次に示すサービスごとの構成スクリプトでは、2 つの設定を制御します。1 つは、プロセスの ulimit4096 に設定することにより、プロセスが作成するファイルサイズの上限を設定しています。もう 1 つは、umask077 に設定することにより、プロセスが作成するファイルに適用される保護マスクを指定しています。

runwait ulimit 4096
runwait umask 077