次の手順では、既存のデスクトップ化されていない BestTextEditor というアプリケーションに登録パッケージを作成します。
この例では、BestTextEditor アプリケーションについて、次のことを想定しています。
ディレクトリ /usr/BTE にインストールされています。
ユーザのセッション言語はデフォルト値の C です。
BestTextEditor を起動するコマンド行は次のとおりです。
BTEd [filename]
filename は、新規ウィンドウで開くデータファイル名です。BestTextEditor は、独自のウィンドウを作成します。つまり、端末エミュレータ・ウィンドウ内で実行できません。
BestTextEditor は、次の 2 種類のデータ・ファイルを作成して使用します。
ドキュメンテーション・ファイル。ファイル名の命名規則は *.bte です。BestTextEditor は .bte データ・ファイルを印刷するためにコマンド行を提供します。コマンド構文は次のとおりです。
BTEPrint [-d destination] [-s] filename
-d destination — 宛先プリンタを指定します。
-s — サイレント印刷を指定します。アプリケーションのプリント・ダイアログ・ボックスは表示されません。
filename — 印刷するファイルを指定します。
テンプレート・ファイル。ファイル名の命名規則は *.tpl です。テンプレート・ファイルは印刷できません。
BestTextEditor の、既存のデスクトップでない app-defaults ファイルには、インタフェース・フォントと、フォアグラウンド・カラーおよびバックグラウンド・カラーのリソースがあります。
BestTextEditor のオンライン・ヘルプ・ボリュームは、デスクトップのヘルプ開発キットを使用して作成されます。オンライン・ヘルプ・ボリュームは組み込まれると、次のソース・ファイルを使用します。
…/BTEHelp.htg …/graphics/BTE1.xwd …/graphics/BTE2.xwd
次に、ファイル …/BTEHelp.sdl を生成します。
次の手順で BestTextEditor を登録します。
フォント・リソースとカラー・リソースを修正します。
BestTextEditor の app-defaults ファイルでは、以下を設定するリソースを削除します。
テキストのフォント
フォアグラウンドおよびバックグラウンドのカラー
アプリケーションの root を作成します。
次のディレクトリを作成します。
/desktop_approots/BTE
既存のアプリケーションを統合する場合、アプリケーションのインストール位置以外に、アプリケーションの root ディレクトリを作成してください。そうしないと、アプリケーションを更新したときに、作成した構成ファイルが削除されることがあります。
登録パッケージ・ディレクトリを作成します。
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/types/C /desktop_approots/BTE/dt/appconfig/help/C /desktop_approots/BTE/dt/appconfig/icons/C /desktop_approots/BTE/dt/appconfig/appmanager/C/BestTextEditor
アプリケーションのアクションとデータ型を作成します。
アクションおよびデータ型定義の構成ファイルを作成します。
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/types/C/BTE.dt
BestTextEditor を実行するためのアクション定義を作成します。
ACTION BTEditor { WINDOW_TYPE NO_STDIO ICON BTERun DESCRIPTION Double-click this icon or drop \ a BTE data file on it to run \ BestTextEditor. EXEC_STRING /usr/BTE/BTEd %Arg_1% }
*.bte ファイルのデータ型を作成します。
DATA_ATTRIBUTES BTEDataFile { DESCRIPTION BestTextEditor data file. ICON BTEData ACTIONS Open,Print } DATA_CRITERIA BTEDataFileCriteria1 { DATA_ATTRIBUTES_NAME BTEDataFile NAME_PATTERN *.bte MODE f }
*.tpl ファイルのデータ型を作成します。
DATA_ATTRIBUTES BTETemplateFile { DESCRIPTION BestTextEditor template file. ICON BTETempl ACTIONS Open } DATA_CRITERIAL BTETemplateFileCriteria1 { DATA_ATTRIBUTES_NAME BTETemplateFile NAME_PATTERN *.tpl MODE f }
*.bte ファイルの [開く] アクションを作成します。
ACTION Open { ARG_TYPE BTEDataFile TYPE MAP MAP_ACTION BTEditor }
*.bte ファイルの [印刷] アクションを作成します。
次の例は、データ・ファイルを印刷する簡単な [印刷] アクションです。これらのアクションには、LPDEST 環境変数が必要で、-s 印刷オプションを無視します (LPDEST を設定しない場合、アクションは異常終了する可能性があります)。
ACTION Print { ARG_TYPE BTEDataFile TYPE MAP MAP_ACTION BTEPrintData }
ACTION BTEPrintData { WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING BTEPrint -d $LPDEST %Arg_1% }
次は、BTEPrintData アクションと付随するスクリプトの別のバージョンを示します。アクションとスクリプトは、LPDEST が設定されていないか、サイレント印刷が要求されている状況を処理します。
ACTION BTEPrintData { WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING /usr/BTE/bin/BTEenvprint \ %(File)Arg_1% }
/usr/BTE/bin/BTEenvprint スクリプトは次のとおりです。
# BTEenvprint #!/bin/sh DEST=”” SILENT=”” if [ $LPDEST ] ; then DEST=”-d $LPDEST” fi BTEPrint $DEST SILENT $1
ACTION Open { ARG_TYPE BTETemplateFile TYPE MAP MAP_ACTION BTEditor }
ACTION Print { ARG_TYPES BTETemplateFile TYPE MAP MAP_ACTION NoPrint }
NoPrint は、ファイルが印刷できないことをユーザに通知するダイアログ・ボックスを表示する組み込みアクションです。
ヘルプ・ファイルを登録パッケージに組み込みます。
次の位置に置きます。
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/help/C/BTEHelp.sdl /desktop_approots/BTE/dt/appconfig/help/C/graphics/BTE1.xwd /desktop_approots/BTE/dt/appconfig/help/C/graphics/BTE2.xwd
次のファイルを作成します。
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/types/C/BTEhelp.dt
次のアクション定義をファイルに入れます。
ACTION BTEHelp { WINDOW_TYPE NO_STDIO EXEC_STRING /usr/dt/bin/dthelpview -helpVolume \ BTEHelp.sdl DESCRIPTION Opens the BestTextEditor help volume. }
アプリケーションのアイコンを作成します。
[アイコン・エディタ] を使用して、アイコンを作成します。表 5–3 に示すサイズのガイドラインを使用します。
表 5–3 アイコン・サイズのガイドライン
名前 |
サイズ |
---|---|
basename.t.pm |
16x16 |
basename.m.pm |
32x32 |
basename.l.pm |
64x64 |
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/icons/C
アプリケーションを実行するアクションを示すアイコン: BTERun.t.pm、BTERun.m.pm、BTERun.l.pm
*.bte ファイルを示すアイコン: BTEData.t.pm、BTEData.m.pm
*.tpl ファイルを示すアイコン: BTETempl.t.pm、BTETempl.m.pm
アプリケーション・グループ (手順 7 で使用) を示すアイコン: BTEApp.t.pm、BTEApp.m.pm
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/appmanager/C/BestTextEditor
(省略可能) アプリケーション・グループのデータ型と関連するアクションを作成して、アプリケーション・グループ・アイコンに一意のアイコンを作成します。この手順を省略すると、アプリケーション・グループはデフォルト・アイコンを使用します。
次のデータ型とアクション定義をファイル /desktop_approots/BTE/dt/appconfig/types/C/BTE.dt に追加します。データ型は、アイコンを BestTextEditor アプリケーション・グループが使用するように指定します。アクションは、組み込みアプリケーション・グループと同様の、[開く] と [印刷] の動作を提供します。
DATA_ATTRIBUTES BestTextEditorAppGroup { ACTIONS OpenInPlace,OpenNewView ICON BTEApp {
DATA_CRITERIA BestTextEditorAppGroupCriterial { DATA_ATTRIBUTES_NAME BestTextEditorAppGroup MODE d PATH_PATTERN */appmanager/*/BestTextEditor }
ACTION Open { ARG_TYPE BestTextEditorAppGroup TYPE MAP MAP_ACTION OpenAppGroup }
ACTION Print { ARG_TYPE BestTextEditorAppGroup TYPE MAP MAP_ACTION PrintAppGroup }
アプリケーションを起動するアプリケーション・グループにアイコンを作成します。これを行うには、次のファイルを作成し、ファイルを実行可能にします。
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/appmanager/C/BestTextEditor/BTEditor
ヘルプ・ボリュームを開くアプリケーション・グループにアクション・ファイルを作成します。これを行うには、次のファイルを作成し、ファイルを実行可能にします。
/desktop_approots/BTE/dt/appconfig/appmanager/C/BestTextEditor/BTEHelp
アプリケーション・グループに、README ファイル、サンプル・データ、テンプレート・ファイルなどの他のファイルを置きます。
アプリケーションを登録します。
端末エミュレータ・ウィンドウで次の操作を実行します。