Solaris インストールプログラムを使用して、Solaris OS をインストールまたはアップグレードすることができます。この節では、Solaris OS をインストールするために必要な作業の一覧を示し、DVD または CD メディアから Solaris OS をインストールする方法について説明します。
この手順では、スタンドアロンの SPARC システムを CD または DVD メディアからインストールする方法について説明します。
DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブが直接接続されていないマシンやドメインに Solaris OS をインストールする場合は、別のマシンに接続されている DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブを使用できます。手順の詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (ネットワークインストール)』の付録 B「リモートからのインストールまたはアップグレード (作業)」を参照してください。
次のメディアを用意してください。
DVD からインストールする場合は、Solaris 10 Operating System DVD (SPARC 版) を使用してください。
CD からインストールする場合は、次の CD を使用してください。
Solaris 10 SOFTWARE CD。
Solaris 10 LANGUAGES CD (SPARC 版) – 特定地域の言語をサポートするために必要な場合、インストールプログラムがこの CD をドライブに挿入するように要求します。
非大域ゾーンがインストールされているシステムをアップグレードする場合、Solaris 10 SOFTWARE CD を使用することはできません。Solaris 10 Operating System DVD または DVD ベースのネットワークインストールイメージを使用する必要があります。
システムの最小要件を満たしていることを確認します。
システムの必要条件は次のとおりです。
メモリー - 128M バイト以上
ディスク容量 – 6.8G バイト以上
プロセッサ速度 - 200 MHz 以上
システム要件の詳細については、「システム要件と推奨事項」を参照してください。
Solaris OS のインストールに必要な情報を収集します。
ネットワークに接続されていないシステムの場合は、次の情報を収集します。
インストールするシステムのホスト名
システムで使用する予定の言語とロケール
ネットワークに接続されたシステムの場合は、次の情報を収集します。
インストールするシステムのホスト名
システムで使用する予定の言語とロケール
ホスト IP アドレス
サブネットマスク
ネームサービスの種類 (DNS、NIS、NIS+ など)
ドメイン名
ネームサーバーのホスト名
ネームサーバーのホスト IP アドレス
root パスワード
システムをインストールするために収集する必要のある情報については、「インストール用のチェックリスト」を参照してください。システムのアップグレードを行う場合は、『Solaris 10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の「アップグレード用のチェックリスト」を参照してください。
(省略可能) システムのバックアップをとります。
既存のデータやアプリケーションを保存するには、システムのバックアップをとります。システムのバックアップ手順についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 24 章「ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)」を参照してください。
Solaris 10 Operating System DVD (SPARC 版) または Solaris 10 SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) を挿入します。
ok プロンプトが表示されます。
ローカルの DVD または CD からブートし、Solaris インストール GUI を起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom |
ローカルの DVD または CD からブートし、テキストインストーラをデスクトップセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom - text |
テキストインストーラをデスクトップセッションで実行することを指定します。このオプションは、デフォルトの GUI インストーラよりも優先されます。
ローカルの DVD または CD からブートし、テキストインストーラをコンソールセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom - nowin |
テキストインストーラをコンソールセッションで実行することを指定します。このオプションは、デフォルトの GUI インストーラよりも優先されます。
Solaris インストールプログラムの GUI およびテキストインストーラの詳細は、「Solaris インストールプログラムの GUI またはテキストインストーラの要件」を参照してください。
インストールが開始します。インストーラは、インストール中に使用する言語の選択を求めます。
インストールで使用する言語を選択し、Enter キーを押します。
数秒後に Solaris インストールプログラムの開始画面が表示されます。
Solaris GUI インストールプログラムを実行している場合は、図 2–1 のような画面が表示されます。
Solaris テキストインストーラをデスクトップセッションで実行している場合は、図 2–2 のような画面が表示されます。
「次へ」をクリックしてインストールを開始します。システム構成の質問に答えます。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 6 章「システム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合以外は、インストールプログラムのいくつかの画面で情報の入力が求められます。「インストール用のチェックリスト」を参照して、構成の質問に答えてください。
構成の質問に答え終わると、「ようこそ」画面が表示されます。
「インストーラ・オプション (Installer Questions)」画面が表示されます。
システムのリブートとディスクの取り出しを自動的に行うかどうかを決定します。「次へ」をクリックします。
「媒体の指定 (Specify Media)」画面が表示されます。
インストールに使用するメディアを指定します。「次へ」をクリックします。
ライセンスパネルが表示されます。
インストールを続行する場合は、ライセンス条項に同意します。「次へ」をクリックします。
その後、システムがアップグレード可能かどうかが判定されます。システムをアップグレードするには、Solaris ルート (/) ファイルシステムがすでに存在している必要があります。Solaris インストールプログラムは、必要な条件を検出すると、アップグレードを行います。
「「アップグレード」または「初期」インストールの選択」画面が表示されます。
初期インストールまたはアップグレードのいずれかを選択します。「次へ」をクリックします。
非大域ゾーンがインストールされているシステムをアップグレードする場合は、次の手順に従ってください。
初期インストールかアップグレードかを選択するプロンプトが表示されたら、「アップグレード」を選択します。「次へ」をクリックします。
複数のルート (/) パーティションが存在するシステムの場合は、「アップグレードするバージョンの選択」パネルでアップグレードするパーティションを選択します。
Solaris インストールプログラムは、このアップグレードをカスタマイズすることはできないというメッセージを表示します。Solaris インストールプログラムは、このシステムをアップグレードできるかどうかを判断するために、システムを解析します。 「アップグレードの準備完了」パネルが表示されます。
ルートパーティションが 1 つだけの場合、Solaris インストールプログラムはアップグレードするパーティションを選択するプロンプトを表示しません。パーティションは自動的に選択されます。
アップグレードを続行する場合は、「アップグレードの準備完了」パネルの「インストール開始」をクリックします。
Solaris インストールプログラムは、システムのアップグレードを開始します。アップグレードが完了したあと、保存されなかったローカルな変更があればそれを修正する必要があります。詳細な情報を得るには、手順 12 の手順 a に進んでください。
アップグレードを続行しない場合は、「戻る」をクリックして初期インストールを実行します。
実行するインストールの種類を選択します。「次へ」をクリックします。
全体ディストリビューションをインストールするには、「デフォルトインストール」を選択します。
特定のソフトウェアグループをインストールする
追加のソフトウェアをインストールする
特定のソフトウェアパッケージをインストールする
特定のロケールをインストールする
ディスク配置をカスタマイズする
ソフトウェアグループの詳細は、「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。
テキストインストーラでは、「デフォルトインストール」か「カスタムインストール」かの選択は表示されません。デフォルトインストールを実行するには、テキストインストーラに表示されるデフォルト値をそのまま使用します。カスタムインストールを実行するには、テキストインストーラの画面で値を編集します。
構成に関する追加の質問が表示される場合は、それらに答えます。
システムのインストールに必要な情報を指定し終わると、「インストールの準備完了」画面が表示されます。
「インストール開始」をクリックして、Solaris ソフトウェアをインストールします。画面の指示に従って、Solaris ソフトウェアをインストールします。
Solaris ソフトウェアプログラムのインストールが終了すると、システムは自動的にリブートするか、または手動でリブートするように促します。
追加の製品をインストールする場合は、その製品の DVD または CD を挿入するように指示が表示されます。インストール手順については、該当するインストールマニュアルを参照してください。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、/var/sadm/system/logs ディレクトリと /var/sadm/install/logs ディレクトリに作成されます。
インストール時に自動リブートを選択しなかった場合は、システムをリブートします。
# reboot |
インストールやアップグレードで問題が発生した場合は、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の付録 A「問題発生時の解決方法 (作業)」を参照してください。