Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ディスク容量の計画をたてて、システムに十分なディスク容量があるかどうかを調べることができます。
ディスク容量の計画のたて方は、ユーザーによって異なります。必要に応じて、次の条件に基づいて割り当てる容量を考慮に入れてください。
表 3–5 ディスク容量とスワップ領域に関する一般的な計画| 
 容量割り当ての条件  | 
 説明  | 
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 ファイルシステム  | 
 ファイルシステムを割り当てる場合には、将来の Solaris バージョンにアップグレードするときのために、現在必要な容量よりも 30% 多く割り当ててください。 デフォルトでは、ルート(/) とスワップ領域 (/swap) だけが作成されます。OS サービスのためにディスク容量が割り当てられたときは、/export ディレクトリも作成されます。Solaris のメジャーリリースにアップグレードする場合は、システムのスライスを切り直すか、インストール時に必要な容量の 2 倍を割り当てる必要があります。Solaris Update にアップグレードする場合は、将来のアップグレードに備えて余分のディスク容量を追加しておけば、システムのスライスを切り直す手間を軽減できます。Solaris Update リリースにアップグレードするたびに、直前のリリースに比べておよそ 10% のディスク容量が追加で必要になります。ファイルシステムごとに 30% のディスク容量を追加しておくと、Solaris Update を数回追加できます。  | 
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 /var ファイルシステム  | 
 クラッシュダンプ機能 savecore(1M) を使用する場合は、/var ファイルシステムの容量を物理メモリーの倍のサイズに設定します。  | 
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 スワップ  | 
 次のような条件では、Solaris インストールプログラムはデフォルトのスワップ領域 (512M バイト) を割り当てます。 
 デフォルトでは、Solaris インストールプログラムは、利用可能な最初のディスクシリンダ (SPARC システムでは通常シリンダ 0) でスワップが開始されるようにスワップ領域を割り当てます。この配置により、デフォルトのディスクレイアウトでルート (/) ファイルシステムに最大の容量を確保し、アップグレード時にルート (/) ファイルシステムを拡張できます。 将来スワップ領域を拡張することを考えている場合、次のいずれかの手順を実行してスワップスライスを配置することにより、別のディスクシリンダでスワップスライスを開始できます。 
 スワップ領域の概要については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 21 章「追加スワップ空間の構成 (手順)」を参照してください。  | 
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 ホームディレクトリファイルシステムを提供するサーバー  | 
 ホームディレクトリは、通常デフォルトで /export ファイルシステムにあります。  | 
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 インストールする Solaris ソフトウェアグループ  | 
 ソフトウェアグループはソフトウェアパッケージの集まりです。ディスク容量を計画する際には、選択したソフトウェアグループから個々のソフトウェアパッケージを個別に追加したり削除したりできることを覚えておいてください。ソフトウェアグループについては、「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。  | 
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 アップグレード  | 
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 言語サポート  | 
 中国語、日本語、韓国語などです。単一の言語をインストールする場合は、約 0.7G バイトのディスク容量をその言語用に追加して割り当ててください。すべての言語サポートをインストールする場合は、インストールするソフトウェアグループに応じて、最大で約 2.5G バイトのディスク容量を言語サポート用に追加して割り当てる必要があります。  | 
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 印刷やメールのサポート  | 
 容量を追加します。  | 
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 追加ソフトウェアや Sun 以外のソフトウェア  | 
 容量を追加します。  | 
Solaris ソフトウェアグループは Solaris パッケージの集まりです。それぞれのソフトウェアグループには、異なる機能やハードウェアドライバのサポートが含まれています。
初期インストールの場合は、システムでどの機能を実行するかを考慮して、インストールするソフトウェアグループを選択します。
アップグレードの場合は、システムにインストールされているソフトウェアグループでアップグレードする必要があります。たとえば、システムにエンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループがインストールされている場合には、開発者システムサポートソフトウェアグループにアップグレードするオプションはありません。ただし、アップグレード中に、インストール済みのソフトウェアグループに属していないソフトウェアをシステムに追加することはできます。
Solaris ソフトウェアのインストール時には、選択した Solaris ソフトウェアグループに対してパッケージを追加したり、削除したりすることができます。追加や削除するパッケージを選択する際には、ソフトウェアの依存関係や Solaris ソフトウェアがどのようにパッケージ化されているかを知っている必要があります。
次の図は、ソフトウェアパッケージのグループを示しています。限定ネットワークシステムサポートには、最小限の数のパッケージが含まれています。全体ディストリビューションと OEM サポートには、すべてのパッケージが含まれています。

表 3–6 に、Solaris ソフトウェアグループと、各グループのインストールに必要な推奨ディスク容量を示します。
表 3–6 に示す推奨ディスク容量には、次の項目のための容量が含まれています。
スワップ領域
パッチ
追加のソフトウェアパッケージ
ソフトウェアグループに必要なディスク容量が、この表に一覧表示されている容量より少ない場合もあります。
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 ソフトウェアグループ  | 
 説明  | 
 推奨ディスク容量  | 
|---|---|---|
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 全体ディストリビューションと OEM サポート  | 
 全体ディストリビューションのパッケージに加え、追加のハードウェアドライバが含まれています。これには、インストール時にシステムに存在していないハードウェアのドライバも含まれます。  | 
 6.8G バイト  | 
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 全体ディストリビューション  | 
 開発者システムサポートのパッケージに加え、サーバーに必要な追加のソフトウェアが含まれています。  | 
 6.7G バイト  | 
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 開発者システムサポート  | 
 エンドユーザーシステムサポートのパッケージに加え、ソフトウェア開発用の追加のサポートが含まれています。ソフトウェア開発のサポートとして、ライブラリ、インクルードファイル、マニュアルページ、プログラミングツールなどが追加されています。ただし、コンパイラは含まれていません。  | 
 6.6G バイト  | 
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 エンドユーザーシステムサポート  | 
 ネットワークに接続された Solaris システムと共通デスクトップ環境 (CDE) の起動と実行に必要な最小限のコードを提供するパッケージが含まれています。  | 
 5.3G バイト  | 
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 コアシステムサポート  | 
 ネットワークに接続された Solaris システムの起動と実行に必要な最小限のコードを提供するパッケージが含まれています。  | 
 2.0G バイト  | 
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 限定ネットワークシステムサポート  | 
 ネットワークサービスのサポートが限定された Solaris システムを起動および実行するために必要な最小限のコードを提供するパッケージが含まれています。限定ネットワークシステムサポートは、テキストベースのマルチユーザーコンソールと、システム管理ユーティリティーを提供します。このソフトウェアグループを使用すると、システムでネットワークインタフェースを認識できますが、ネットワークサービスがアクティブになることはありません。  | 
 2.0G バイト  |