「Upgrade」メニューまたは luupgrade コマンドを使用してブート環境をアップグレードします。この節では、次の場所に置かれているファイルを使用して非アクティブブート環境をアップグレードする手順について説明します。
ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー
ローカルファイル
ローカルテープ
ローカルデバイス (DVD または CD)
最新の OS へアップグレードする間、アクティブブート環境への影響はありません。新しいファイルは非アクティブブート環境のクリティカルファイルシステムとマージされますが、共有可能ファイルシステムは変更されません。
アップグレードを行う代わりに、Solaris フラッシュアーカイブを作成して、非アクティブブート環境にアーカイブをインストールできます。それらの新しいファイルは非アクティブブート環境のクリティカルファイルシステムを上書きしますが、共有可能ファイルシステムは変更されません。「ブート環境への Solaris フラッシュアーカイブのインストール」を参照してください。
物理ディスクスライス、Solaris ボリュームマネージャーのボリューム、および Veritas Volume Manager のボリュームがどのような組み合わせで含まれているブート環境もアップグレードできます。ルート (/) ファイルシステム用のスライスは、RAID–1 ボリューム (ミラー) に含まれている単一スライスの連結でなければいけません。ミラー化されたファイルシステムを持つブート環境の作成手順については、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境の作成 (コマンド行インタフェース)」を参照してください。
現在のシステム上に VxVM ボリュームが構成されている場合は、lucreate コマンドを使用して新しいブート環境を作成できます。新しいブート環境にデータをコピーすると、Veritas ファイルシステム構成が失われ、新しいブート環境に UFS ファイルシステムが作成されます。
Solaris Live Upgrade を使ってパッケージやパッチをシステムに追加できます。Solaris Live Upgrade では、現在動作しているシステムのコピーが作成されます。この新しいブート環境は、アップグレードすることも、パッケージやパッチを追加することもできます。Solaris Live Upgrade を使用すると、システムのダウンタイムはリブートの時間だけですみます。luupgrade コマンドを使って、パッチやパッケージを新しいブート環境に追加できます。
Solaris Live Upgrade でパッケージやパッチの追加または削除を行うには、パッケージやパッチが SVR4 パッケージガイドラインに準拠している必要があります。Sun のパッケージはこのガイドラインに準拠していますが、サードパーティーベンダーのパッケージがこれに準拠しているとは限りません。非準拠のパッケージを追加しようとすると、パッケージ追加ソフトウェアの障害が発生するか、アップグレード中にアクティブブート環境が改変されてしまう可能性があります。
パッケージの要件については、付録 B 「その他の SVR4 パッケージ要件 (リファレンス)」を参照してください。
インストールの種類 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
ブート環境へのパッチの追加 |
新しいブート環境を作成してから、-t オプションを指定して luupgrade コマンドを実行します。 | |
ブート環境へのパッケージの追加 |
-p オプションを指定して luupgrade コマンドを実行します。 |
この手順でアップグレードを行う場合は、DVD または結合されたインストールイメージを使用する必要があります。CD でインストールする場合は、「複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)」の手順に従う必要があります。
Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Upgrade」を選択します。
「Upgrade」メニューが表示されます。
新しいブート環境の名前を入力します。
Solaris インストールイメージが置かれている場所のパスを入力します。
インストールメディアの種類 |
説明 |
---|---|
ネットワークファイルシステム |
インストールイメージが置かれているネットワークファイルシステムのパスを指定します。 |
ローカルファイル |
インストールイメージが置かれているローカルファイルシステムのパスを指定します。 |
ローカルテープ |
インストールイメージが置かれているローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定します。 |
ローカルデバイス、DVD、または CD |
ローカルデバイスと、インストールイメージのパスを指定します。 |
SPARC: DVD または CD を使用する場合は、次の例のように、そのディスクへのパスを入力します。
/cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/s0 |
1 つに結合されたイメージがネットワーク上に存在する場合は、次の例のようにそのネットワークファイルシステムのパスを入力します。
/net/installmachine/export/Solaris_10/os_image |
F3 を押してアップグレードします。
アップグレードが完了すると、メインメニューが表示されます。
この手順でアップグレードを行う場合は、DVD または結合されたインストールイメージを使用する必要があります。インストールに複数の CD が必要な場合は、「複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)」の手順に従ってください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
次のように入力して、アップグレードするブート環境とインストールソフトウェアのパスを指定します。
# luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path |
ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。
アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。
オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。
この例では、second_disk ブート環境をアップグレードします。
# luupgrade -u -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/Solaris_10/OS_image |
オペレーティングシステムイメージは複数の CD 上にあるため、このアップグレード手順を使用する必要があります。ほかの CD がある場合は、luupgrade コマンドに -i オプションを指定してそれらの CD をインストールします。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
次のように入力して、アップグレードするブート環境とインストールソフトウェアのパスを指定します。
# luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path |
ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。
アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。
オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。
1 枚目の CD のインストーラ処理が完了したら、2 枚目の CD を挿入します。
この手順は前述のものと同じですが、-u オプションではなく -i オプションを使用します。メニューまたはテキストモードで、2 枚目の CD 上のインストーラを実行するように選択してください。
次のコマンドは、メニューを使用して 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。
# luupgrade -i -n BE_name -s os_image_path |
次のコマンドは、テキストモードで 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。ユーザーに入力を求めるプロンプトは表示されません。
# luupgrade -i -n BE_name -s os_image_path -O '-nodisplay -noconsole' |
追加の CD がインストールされます。ソフトウェアは、指定されたメディア上のインストールプログラムを探し、そのプログラムを実行します。インストーラプログラムは、-s で指定します。
アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。
オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。
(省略可能) テキストモードで 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。ユーザーに入力を求めるプロンプトは表示されません。
インストールする CD ごとに、手順 3 と手順 4 を繰り返します。
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。「ブート環境のアクティブ化」を参照してください。
この例では、second_disk ブート環境をアップグレードします。インストールイメージは、2 枚の CD に入っています。Solaris SOFTWARE - 1 CD と Solaris SOFTWARE - 2 CD です。-u オプションでは、CD セットのすべてのパッケージを格納するだけの領域があるかどうかを判定します。-O オプションと -nodisplay および -noconsole オプションを指定すると、2 枚目の CD の読み取りの後にキャラクタユーザーインタフェースは表示されません。これらのオプションを使用すると、情報の入力を求められません。このインタフェースを表示する場合は、これらのオプションを省略します。
Solaris SOFTWARE - 1 CD を挿入し、次のように入力します。
# luupgrade -u -n second_disk -s /cdrom/cdrom0/s0 |
Solaris SOFTWARE - 2 CD を挿入し、次のように入力します。
# luupgrade -i -n second_disk -s /cdrom/cdrom0 -O '-nodisplay \ -noconsole' |
インストールする各 CD について、上記の手順を繰り返します。
次の手順では、新しいブート環境に対してパッケージの削除と追加を行います。
Solaris Live Upgrade でアップグレードしたりパッケージやパッチの追加・削除を行なったりするには、パッケージやパッチが SVR4 パッケージガイドラインに準拠していなければなりません。Sun のパッケージはこのガイドラインに準拠していますが、サードパーティーベンダーのパッケージがこれに準拠しているとは限りません。非準拠のパッケージを追加しようとすると、パッケージ追加ソフトウェアの障害が発生するか、アクティブブート環境が改変されてしまう可能性があります。
パッケージの要件については、付録 B 「その他の SVR4 パッケージ要件 (リファレンス)」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
新しいブート環境から 1 つのパッケージまたは一連のパッケージを削除するには、次のように入力します。
# luupgrade -P -n second_disk package-name |
指定したパッケージをブート環境から削除することを示します。
パッケージを削除するブート環境の名前を指定します。
削除するパッケージの名前を指定します。複数のパッケージ名を指定する場合は、スペースで区切ります。
新しいブート環境に 1 つのパッケージまたは一連のパッケージを追加するには、次のように入力します。
# luupgrade -p -n second_disk -s /path-to-packages package-name |
ブート環境にパッケージを追加することを示します。
パッケージを追加するブート環境の名前を指定します。
追加するパッケージが含まれているディレクトリへのパスを指定します。
追加するパッケージの名前を指定します。複数のパッケージ名を指定する場合は、スペースで区切ります。
この例では、second_disk ブート環境に対してパッケージの削除と追加を行います。
# luupgrade -P -n second_disk SUNWabc SUNWdef SUNWghi # luupgrade -p -n second_disk -s /net/installmachine/export/packages \ SUNWijk SUNWlmn SUNWpkr |
次の手順では、新しいブート環境に対してパッチの削除と追加を行います。
Solaris Live Upgrade でパッケージやパッチの追加または削除を行うには、パッケージやパッチが SVR4 パッケージガイドラインに準拠している必要があります。Sun のパッケージはこのガイドラインに準拠していますが、サードパーティーベンダーのパッケージがこれに準拠しているとは限りません。非準拠のパッケージを追加しようとすると、パッケージ追加ソフトウェアの障害が発生するか、アクティブブート環境が改変されてしまう可能性があります。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
新しいブート環境から 1 つのパッチまたは一連のパッチを削除するには、次のように入力します。
# luupgrade -T -n second_disk patch_name |
指定したパッチをブート環境から削除することを示します。
パッチを削除するブート環境の名前を指定します。
削除するパッチの名前を指定します。複数のパッチ名を指定する場合は、スペースで区切ります。
新しいブート環境に 1 つのパッチまたは一連のパッチを追加するには、次のコマンドを入力します。
# luupgrade -t -n second_disk -s /path-to-patches patch-name |
ブート環境にパッチを追加することを示します。
パッチを追加するブート環境の名前を指定します。
追加するパッチが含まれているディレクトリへのパスを指定します。
追加するパッチの名前を指定します。複数のパッチ名を指定する場合は、スペースで区切ります。
この例では、second_disk ブート環境に対してパッチの削除と追加を行います。
# luupgrade -T -n second_disk 222222-01 # luupgrade -t -n second_disk -s /net/installmachine/export/packages \ 333333-01 4444444-01 |
次の手順では、新しいブート環境にインストールされているパッケージの整合性を確認します。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
新しいブート環境に新たにインストールされたパッケージの整合性を確認するには、次のように入力します。
# luupgrade -C -n second_disk -O "-v" package-name |
指定したパッケージに対して pkgchk コマンドを実行することを示します。
検査を実行するブート環境の名前を指定します。
pkgchk コマンドにオプションを直接渡します。
検査するパッケージの名前を指定します。複数のパッケージ名を指定する場合は、スペースで区切ります。パッケージ名を省略すると、指定したブート環境にあるすべてのパッケージに対して検査が実行されます。
コマンドを冗長モードで実行することを指定します。
この例では、パッケージ SUNWabc、SUNWdef、および SUNWghi を検査して、これらが正しくインストールされ損傷がないことを確認します。
# luupgrade -C -n second_disk SUNWabc SUNWdef SUNWghi |
Solaris Live Upgrade で使用する JumpStart プロファイルを作成することができます。ユーザーがカスタム JumpStart プログラムに精通しているのであれば、これはカスタム JumpStart で使用するものと同じプロファイルです。次の手順により、luupgrade コマンドに -j オプションを指定して使用して、プロファイルの作成、プロファイルのテスト、および インストールを行うことができます。
Solaris OS を Solaris フラッシュアーカイブとともにインストールする場合は、アーカイブおよびインストール用メディアに同一の OS バージョンが含まれている必要があります。たとえば、アーカイブが Solaris 10 3/05 オペレーティングシステムで、DVD メディアを使用している場合は、Solaris 10 3/05 DVD メディアを使用してアーカイブをインストールする必要があります。OS バージョンが一致しないと、ターゲットシステムへのインストールは失敗します。次のキーワードまたはコマンドを使用する場合は、同一のオペレーティングシステムが必要です。
プロファイルの archive_location キーワード
-s、- a、-j、および -J オプションを指定した luupgrade コマンド
詳細については、以下を参照してください。
「プロファイルを使用して Solaris Live Upgrade でアップグレードする (コマンド行インタフェース)」
JumpStart プロファイルの作成については、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「プロファイルの作成」を参照してください。
ここでは、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルの作成方法について説明します。luupgrade コマンドに -j オプションを指定してこのプロファイルを使用し、非アクティブブート環境をアップグレードできます。
このプロファイルの使用方法については、次の 2 つの節を参照してください。
プロファイルを使用したアップグレードについては、「プロファイルを使用して Solaris Live Upgrade でアップグレードする (コマンド行インタフェース)」を参照してください。
プロファイルを使用した Solaris フラッシュのインストールについては、「プロファイルを使用した Solaris フラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)」を参照してください。
テキストエディタを使用してテキストファイルを作成します。
ファイルにわかりやすい名前を付けます。プロファイルの名前は、システムに Solaris ソフトウェアをインストールするためにそのプロファイルをどのように使用するかを示すものにしてください。たとえば、このプロファイルに upgrade_Solaris_10 という名前を付けます。
プロファイルにプロファイルキーワードと値を追加します。
Solaris Live Upgrade プロファイルで使用できるのは、次の表に示されたアップグレードキーワードだけです。
次の表に、Install_type キーワードの値 upgrade または flash_install とともに使用できるキーワードを示します。
初期アーカイブ作成のキーワード |
説明 |
参照 |
---|---|---|
(必須) Install_type |
システムの既存の Solaris 環境をアップグレードするか、システムに Solaris フラッシュアーカイブをインストールするかを定義します。このキーワードには、次の値を使用します。
|
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「install_type プロファイルキーワード」を参照してください。 |
(Solaris フラッシュアーカイブの場合は必須) archive_location |
指定された位置から Solaris フラッシュアーカイブを取得します。 |
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「archive_location プロファイルキーワード」を参照してください。 |
(省略可能) cluster (クラスタの追加または削除) |
システムにインストールされるソフトウェアグループに対してクラスタを追加するか、または削除するかを指定します。 |
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「cluster プロファイルキーワード (ソフトウェアグループの追加)」を参照してください。 |
(省略可能) geo |
システムにインストールする地域ロケールか、あるいはシステムのアップグレード時に追加する地域ロケールを指定します。 |
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「geo プロファイルキーワード」を参照してください。 |
(省略可能) local_customization |
クローンシステムに Solaris フラッシュアーカイブをインストールする前に、カスタムスクリプトを作成して、クローンシステム上のローカル構成を保存できます。local_customization キーワードは、これらのスクリプトの格納先ディレクトリを示します。この値は、クローンシステム上のスクリプトへのパスです。 |
配置前および配置後スクリプトの詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の「カスタムスクリプトの作成」を参照してください。 |
(省略可能) locale |
インストールまたはアップグレード時に追加するロケールパッケージを指定します。 |
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「locale プロファイルキーワード」を参照してください。 |
(省略可能) package |
システムにインストールされるソフトウェアグループに対してパッケージを追加するか、または削除するかを指定します。 |
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「package プロファイルキーワード」を参照してください。 |
次の表に、Install_type キーワードの値 flash_update とともに使用できるキーワードを示します。
差分アーカイブ作成のキーワード |
説明 |
参照 |
---|---|---|
(必須) Install_type |
システムに Solaris フラッシュアーカイブをインストールすることを指定します。差分アーカイブを表す値は flash_update です。 |
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「install_type プロファイルキーワード」を参照してください。 |
(必須) archive_location |
指定された位置から Solaris フラッシュアーカイブを取得します。 |
このキーワードで使用可能な値のリストについては、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「archive_location プロファイルキーワード」を参照してください。 |
(省略可能) forced_deployment |
ソフトウェアで想定されているものとは異なるクローンシステムに、Solaris フラッシュ差分アーカイブを強制的にインストールします。forced_deployment を使用すると、クローンシステムを期待される状態にするために、新規ファイルがすべて削除されます。ファイルを削除して良いかどうか判断できない場合には、デフォルトを使用してください。デフォルトでは、新規ファイルが削除されそうになると、インストールが停止します。 |
このキーワードの詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「forced_deployment プロファイルキーワード (Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール)」を参照してください。 |
(省略可能) local_customization |
クローンシステムに Solaris フラッシュアーカイブをインストールする前に、カスタムスクリプトを作成して、クローンシステム上のローカル構成を保存できます。local_customization キーワードは、これらのスクリプトの格納先ディレクトリを示します。この値は、クローンシステム上のスクリプトへのパスです。 |
配置前および配置後スクリプトの詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の「カスタムスクリプトの作成」を参照してください。 |
(省略可能) no_content_check |
Solaris フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_content_check キーワードを使用してファイルごとの検証を省略できます。ファイルごとの検証により、クローンシステムがマスターシステムの複製であることが保証されます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。 |
このキーワードの詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「no_content_check プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)」を参照してください。 |
(省略可能) no_master_check |
Solaris フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_master_check キーワードを使用してファイルの検証を省略できます。クローンシステムのファイルの検証は行われません。この検証により、クローンシステムが元のマスターシステムから構築されていることが保証されます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。 |
このキーワードの詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「no_master_check プロファイルキーワード (Solaris フラッシュアーカイブのインストール)」を参照してください。 |
プロファイルをローカルシステムのディレクトリに保存します。
プロファイルの所有者が root で、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。
(省略可能) プロファイルをテストします。
プロファイルのテスト方法については、「Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルをテストする」を参照してください。
この例では、プロファイルはアップグレードパラメータを提供します。このプロファイルでは、Solaris Live Upgrade の luupgrade コマンドに -u および -j オプションを指定して、非アクティブなブート環境をアップグレードします。このプロファイルでは、パッケージおよびクラスタを追加します。地域ロケールおよび追加ロケールも、プロファイルに追加されます。プロファイルにロケールを追加する場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type upgrade package SUNWxwman add cluster SUNWCacc add geo C_Europe locale zh_TW locale zh_TW.BIG5 locale zh_TW.UTF-8 locale zh_HK.UTF-8 locale zh_HK.BIG5HK locale zh locale zh_CN.GB18030 locale zh_CN.GBK locale zh_CN.UTF-8 |
次のプロファイルの例は、Solaris Live Upgrade でクローンシステムに差分アーカイブをインストールするためのものです。差分アーカイブで指定されているファイルだけが、追加、削除、または変更されます。Solaris フラッシュアーカイブは、NFS サーバーから取得されます。イメージは元のマスターシステムから構築されたものなので、クローンシステムのイメージの妥当性検査は行われません。このプロファイルは、Solaris Live Upgrade の luupgrade コマンドの -u オプションと -j オプション で使用します。
# profile keywords profile values # ---------------- ------------------- install_type flash_update archive_location nfs installserver:/export/solaris/archive/solarisarchive no_master_check
luupgrade コマンドによる差分アーカイブのインストールについては、「プロファイルを使用した Solaris フラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)」を参照してください。
プロファイルを作成したら、luupgrade コマンドを使用してプロファイルをテストします。luupgrade が生成するインストール出力を調べることによって、意図したとおりにプロファイルが動作するかをすばやく調べることができます。
プロファイルをテストする
# luupgrade -u -n BE_name -D -s os_image_path -j profile_path |
ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。
アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。
luupgrade コマンドは、選択されたブート環境のディスク構成を使用して、-j オプションと共に渡されたプロファイルオプションをテストします。
オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。
アップグレード用に構成されたプロファイルのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。
次の例では、プロファイル名は Flash_profile です。このプロファイルは、second_disk という名前の非アクティブブート環境でのテストに成功します。
# luupgrade -u -n u1b08 -D -s /net/installsvr/export/u1/combined.u1wos \ -j /var/tmp/flash_profile Validating the contents of the media /net/installsvr/export/u1/combined.u1wos. The media is a standard Solaris media. The media contains an operating system upgrade image. The media contains Solaris version 10. Locating upgrade profile template to use. Locating the operating system upgrade program. Checking for existence of previously scheduled Live Upgrade requests. Creating upgrade profile for BE second_disk. Determining packages to install or upgrade for BE second_disk. Simulating the operating system upgrade of the BE second_disk. The operating system upgrade simulation is complete. INFORMATION: var/sadm/system/data/upgrade_cleanup contains a log of the upgrade operation. INFORMATION: var/sadm/system/data/upgrade_cleanup contains a log of cleanup operations required. The Solaris upgrade of the boot environment second_disk is complete. |
これで、プロファイルを使用して非アクティブブート環境をアップグレードできます。
ここでは、プロファイルを使用した OS のアップグレード方法を、手順を追って説明します。
プロファイルを使用して Solaris フラッシュアーカイブをインストールする場合は、「プロファイルを使用した Solaris フラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)」を参照してください。
プロファイルにロケールを追加した場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。
Solaris OS を Solaris フラッシュアーカイブとともにインストールする場合は、アーカイブおよびインストール用メディアに同一の OS バージョンが含まれている必要があります。たとえば、アーカイブが Solaris 10 3/05 オペレーティングシステムで、DVD メディアを使用している場合は、Solaris 10 3/05 DVD メディアを使用してアーカイブをインストールする必要があります。OS バージョンが一致しないと、ターゲットシステムへのインストールは失敗します。次のキーワードまたはコマンドを使用する場合は、同一のオペレーティングシステムが必要です。
プロファイルの archive_location キーワード
-s、- a、-j、および -J オプションを指定した luupgrade コマンド
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
プロファイルを作成します。
Solaris Live Upgrade プロファイルで使用可能なアップグレードキーワードのリストについては、「Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成する」を参照してください。
次のコマンドを入力します。
# luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path -j profile_path |
ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードします。
アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。
オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。
プロファイルへのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。プロファイル作成についての詳細は、「Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成する」を参照してください。
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。
この例では、second_disk ブート環境はプロファイルを使用してアップグレードされます。-j オプションを使用して、プロファイルにアクセスします。このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。プロファイルを作成する場合は、「Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成する」を参照してください。
# luupgrade -u -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \ -j /var/tmp/profile |