Solaris 10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)

x86: 元のブート環境へのフォールバック

元のブート環境にフォールバックするには、ご使用の環境にもっとも適した手順を選択してください。

リリース 

参照先 

Solaris 10 1/06 以降のリリース

Solaris 10 3/05 リリース

Procedurex86: 新しいブート環境のアクティブ化に成功した場合の GRUB メニューを使ったフォールバック

手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. システムをリブートします。


    # init 6
    

    GRUB メニューが表示されます。Solaris OS は、元のブート環境です。second_disk ブート環境は正常にアクティブ化されていて、GRUB メニューに表示されます。failsafe エントリは、なんらかの理由で主エントリがブートしない場合の回復用です。


    GNU GRUB version 0.95 (616K lower / 4127168K upper memory)
    +-------------------------------------------------------------------+
    |Solaris                                                            |
    |Solaris failsafe                                                   |
    |second_disk                                                        |
    |second_disk failsafe                                               |
    +-------------------------------------------------------------------+
    Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press
    enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before
    booting, or 'c' for a command-line.
  3. 元のブート環境をブートするには、矢印キーを使用して元のブート環境を選択し、Return キーを押します。


例 10–1 新しいブート環境のアクティブ化に成功した場合のフォールバック


# su
# init 6

GNU GRUB version 0.95 (616K lower / 4127168K upper memory)
+-------------------------------------------------------------------+
|Solaris                                                            |
|Solaris  failsafe                                                  |
|second_disk                                                        |
|second_disk failsafe                                               |
+-------------------------------------------------------------------+
Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press
enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before
booting, or 'c' for a command-line.

元のブート環境である Solaris を選択します。


Procedurex86: ブート環境のアクティブ化に失敗した場合の GRUB メニューを使ったフォールバック


注意 – 注意 –

Solaris 10 3/05 リリースでは、以前のブート環境と新しいブート環境が異なるディスク上にある場合に推奨されるフォールバック方法には、BIOS でのハードディスクのブート順序の変更が含まれていました。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、BIOS ディスク順序を変更する必要はなく、変更しないことを強くお勧めします。BIOS ディスク順序を変更すると、GRUB メニューが無効になることがあり、ブート環境がブートできなくなることがあります。BIOS ディスク順序が変更されている場合は、この順序を元の設定に戻せば、システムの機能が復元されます。


手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. GRUB メニューを表示するには、システムをリブートします。


    # init 6
    

    GRUB メニューが表示されます。


    GNU GRUB version 0.95 (616K lower / 4127168K upper memory)
    +-------------------------------------------------------------------+
    |Solaris                                                            |
    |Solaris failsafe                                                   |
    |second_disk                                                        |
    |second_disk failsafe                                               |
    +-------------------------------------------------------------------+
    Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press
    enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before
    booting, or 'c' for a command-line.
  3. GRUB メニューから、元のブート環境を選択します。ブート環境は、GRUB ソフトウェアで作成されている必要があります。Solaris 10 1/06 リリースより前に作成されたブート環境は、GRUB ブート環境ではありません。ブート可能な GRUB ブート環境がない場合は、この手順と、「x86: ブート環境のアクティブ化に失敗した場合の GRUB メニューと DVD または CD を使ったフォールバック」の手順をスキップしてください。

  4. GRUB メニューを編集して、シングルユーザーモードでブートします。

    1. GRUB メインメニューを編集するには、e と入力します。

      GRUB 編集メニューが表示されます。


      root (hd0,2,a)
      kernel /platform/i86pc/multiboot
      module /platform/i86pc/boot_archive
    2. 矢印キーを使用して、元のブート環境のカーネルエントリを選択します。

    3. ブートエントリを編集するには、e と入力します。

      GRUB 編集メニューにカーネルエントリが表示されます。


      grub edit>kernel /boot/multiboot
    4. -s と入力し、Enter キーを押します。

      次の例では、-s オプションの配置に注意してください。


      grub edit>kernel /boot/multiboot -s
      
    5. シングルユーザーモードでブート処理を開始するには、b と入力します。

  5. 必要に応じて、フォールバックブート環境のルート (/) ファイルシステムの整合性を確認します。


    # fsck mount_ point
    
    mount_point

    信頼性のあるルート (/) ファイルシステム

  6. 元のブート環境のルートスライスをいずれかのディレクトリ (/mnt など) にマウントします。


    # mount device_name /mnt
    
    device_name

    フォールバックするブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  7. アクティブブート環境のルートスライスから、次のように入力します。


    # /mnt/sbin/luactivate
    

    前の稼働ブート環境がアクティブになり、結果が示されます。

  8. /mnt をマウント解除します。


    # umount /mnt
    
  9. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。

Procedurex86: ブート環境のアクティブ化に失敗した場合の GRUB メニューと DVD または CD を使ったフォールバック


注意 – 注意 –

Solaris 10 3/05 リリースでは、以前のブート環境と新しいブート環境が異なるディスク上にある場合に推奨されるフォールバック方法には、BIOS でのハードディスクのブート順序の変更が含まれていました。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、BIOS ディスク順序を変更する必要はなく、変更しないことを強くお勧めします。BIOS ディスク順序を変更すると、GRUB メニューが無効になることがあり、ブート環境がブートできなくなることがあります。BIOS ディスク順序が変更されている場合は、この順序を元の設定に戻せば、システムの機能が復元されます。


手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) を挿入します。

  3. DVD または CD からブートします。


    # init 6
    

    GRUB メニューが表示されます。


    GNU GRUB version 0.95 (616K lower / 4127168K upper memory)
    +-------------------------------------------------------------------+
    |Solaris                                                            |
    |Solaris failsafe                                                   |
    +-------------------------------------------------------------------+
    Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press
    enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before
    booting, or 'c' for a command-line.
  4. GRUB メニューを編集して、シングルユーザーモードでブートします。

    1. GRUB メインメニューを編集するには、e と入力します。

      GRUB 編集メニューが表示されます。


      root (hd0,2,a)
      kernel /platform/i86pc/multiboot
      module /platform/i86pc/boot_archive
    2. 矢印キーを使用して、元のブート環境のカーネルエントリを選択します。

    3. ブートエントリを編集するには、e と入力します。

      エディタにカーネルエントリが表示されます。


      grub edit>kernel /boot/multiboot
    4. -s と入力し、Enter キーを押します。

      次の例では、-s オプションの配置に注意してください。


      grub edit>kernel /boot/multiboot -s
      
    5. シングルユーザーモードでブート処理を開始するには、b と入力します。

  5. 必要に応じて、フォールバックブート環境のルート (/) ファイルシステムの整合性を確認します。


    # fsck mount_ point
    
    mount_point

    信頼性のあるルート (/) ファイルシステム

  6. 元のブート環境のルートスライスをいずれかのディレクトリ (/mnt など) にマウントします。


    # mount device_name /mnt
    
    device_name

    フォールバックするブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  7. アクティブブート環境のルートスライスから、次のように入力します。


    # /mnt/sbin/luactivate
    Do you want to fallback to activate boot environment c0t4d0s0
    (yes or no)? yes
    

    前の稼働ブート環境がアクティブになり、結果が示されます。

  8. /mnt をマウント解除します。


    # umount device_name
    
    device_name

    フォールバックするブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  9. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。

Procedurex86: 新しいブート環境のアクティブ化に成功した場合のフォールバック

手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # /sbin/luactivate BE_name
    
    BE_name

    アクティブにするブート環境の名前を指定します。

  3. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。

Procedurex86: 別のディスクに存在するブート環境をフォールバックする

手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. システムをリブートし、該当する BIOS メニューに入ります。

    • ブートデバイスが SCSI の場合は、SCSI コントローラのマニュアルを参照して SCSI BIOS へ入る方法を確認してください。

    • ブートデバイスがシステム BIOS で管理されている場合は、システム BIOS のマニュアルを参照してシステム BIOS へ入る方法を確認してください。

  3. 該当する BIOS のマニュアルに従って、元のブート環境のブートデバイスに戻るようにブートデバイスを変更します。

  4. BIOS の変更を保存します。

  5. ブート処理を開始するために、BIOS メニューを閉じます。

  6. b -s と入力して、シングルユーザー状態でマシンをブートします。

  7. 次のコマンドを入力します。


    # /sbin/luactivate
    
  8. リブートします。


    # init 6
    

Procedurex86: 同じディスクに存在するブート環境をフォールバックする

手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. システムのブート方法を決定します。

    • Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD からブートする場合は、そのディスクを挿入します。この場合、システムの BIOS が DVD または CD からのブートをサポートしている必要があります。

    • ネットワークからブートする場合は、PXE (Preboot Execution Environment) ネットワークブートを使用してください。システムは PXE をサポートするものでなければなりません。システムの BIOS 設定ツールまたはネットワークアダプタの構成設定ツールを使用して、PXE を使用するようにシステムを設定します。

    • フロッピーディスクからブートする場合は、システムのフロッピーディスクドライブに Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクを挿入します。


      x86 のみ –

      「x86: (省略可能) アクティブ化の前にブート用フロッピーディスクを更新する」の手順に従って、Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 2 CD (x86 版) からフロッピーディスクへ Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ソフトウェアをコピーできます。


    画面の指示に従って進み、「Current Boot Parameters」メニューを表示します。

  3. b -s と入力して、シングルユーザー状態でマシンをブートします。

  4. 必要に応じて、フォールバックブート環境のルート (/) ファイルシステムの整合性を確認します。


    # fsck mount_ point
    
    mount_point

    信頼性のあるルート (/) ファイルシステム

  5. アクティブブート環境のルートスライスをディレクトリ (/mnt など) にマウントします。


    # mount device_name /mnt
    
    device_name

    フォールバックするブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  6. アクティブブート環境のルートスライスから、次のように入力します。


    # /mnt/sbin/luactivate
    

    前の稼働ブート環境がアクティブになり、結果が示されます。

  7. /mnt/sbin のマウントを解除します。


    # umount device_name
    
    device_name

    フォールバックするブート環境のディスクデバイスにあるルート (/) ファイルシステムの名前を指定します。デバイス名の形式は、/dev/dsk/cwtxdysz です。

  8. リブートします。


    # init 6
    

    前の稼働ブート環境がアクティブブート環境になります。