GRUB menu.lst ファイルには、GRUB メインメニューの内容の一覧が記述されています。GRUB メインメニューには、Solaris Live Upgrade ブート環境を含め、使用しているシステムにインストールされているすべての OS インスタンスのブートエントリが一覧表示されます。Solaris のソフトウェアアップグレード処理では、このファイルに対して行なった変更内容がすべて保持されます。
menu.lst ファイルに対する修正は、Solaris Live Upgrade エントリと一緒に、すべて GRUB メインメニューに表示されます。ファイルに対する変更点はすべて、システムを次にリブートしたときに有効になります。このファイルは、次の目的で変更できます。
Solaris 以外のオペレーティングシステム用の GRUB メニューエントリを追加するため
GRUB メニューでのデフォルトの OS の指定など、ブート動作をカスタマイズするため
GRUB menu.lst ファイルを使用して Solaris Live Upgrade エントリを変更しないでください。変更により、Solaris Live Upgrade の実行に失敗する可能性があります。
menu.lst ファイルを使用してカーネルデバッガによるブートなどのブート動作をカスタマイズできますが、カスタマイズする場合は eeprom コマンドを使用する方法をお勧めします。menu.lst ファイルを使用してカスタマイズすると、ソフトウェアのアップグレード時に Solaris OS エントリが変更される可能性があります。これにより、ファイルに加えた変更内容が失われます。
eeprom コマンドの使用法については 『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「eeprom コマンドを使用して Solaris ブートパラメータを設定する方法」を参照してください。
次に menu.lst ファイルの例を示します。
default 0 timeout 10 title Solaris root (hd0,0,a) kernel /platform/i86pc/multiboot -B console=ttya module /platform/i86pc/boot_archive title Solaris failsafe root (hd0,0,a) kernel /boot/multiboot -B console=ttya -s module /boot/x86.miniroot.safe #----- second_disk - ADDED BY LIVE UPGRADE - DO NOT EDIT ----- title second_disk root (hd0,1,a) kernel /platform/i86pc/multiboot module /platform/i86pc/boot_archive title second_disk failsafe root (hd0,1,a) kernel /boot/multiboot kernel/unix -s module /boot/x86.miniroot-safe #----- second_disk -------------- END LIVE UPGRADE ------------ title Windows root (hd0,0) chainloader -1 |
タイムアウトした場合にブートする項目を指定します。デフォルトの設定を変更する場合は、番号を変更して一覧の別の項目を指定できます。最初のタイトルを 0 として数えます。たとえば、デフォルトを 2 に変更すると、second_disk ブート環境が自動的にブートします。
デフォルトのエントリをブートするまで、ユーザーの入力を待つ時間を秒単位で指定します。タイムアウトを指定しない場合は、エントリを選択する必要があります。
オペレーティングシステムの名前を指定します。
これが Solaris Live Upgrade ブート環境の場合、OS name は新しいブート環境の作成時にその環境に指定した名前です。前の例では、Solaris Live Upgrade ブート環境の名前は second_disk です。
これがフェイルセーフブートアーカイブの場合、このブートアーカイブは主 OS が損傷したときの回復処理に使用されます。前の例では、Solaris フェイルセーフと second_disk フェイルセーフが Solaris および second_disk オペレーティングシステムの回復用ブートアーカイブです。
ファイルのロード先となるディスク、パーティション、およびスライスを指定します。GRUB は、ファイルシステムの種類を自動的に検出します。
マルチブートプログラムを指定します。kernel コマンドのあとに、必ずマルチブートプログラムを指定する必要があります。マルチブートのあとの文字列は、解釈されずに Solaris OS に渡されます
複数のオペレーティングシステムの詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB ブート環境で複数のオペレーティングシステムをサポートする方法」を参照してください。
GRUB メニューの menu.lst ファイルを検出するには、常に bootadm コマンドを使用する必要があります。アクティブな GRUB メニューを見つけるには、list-menu サブコマンドを使用します。menu.lst ファイルには、システムにインストールされているすべてのオペレーティングシステムが一覧表示されています。このファイルの内容は、GRUB メニューに表示されるオペレーティングシステムの一覧を記述したものです。このファイルに変更を加える場合は、「x86: GRUB メニューの menu.lst ファイルの検出 (作業)」を参照してください。