Solaris 10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)

ファイルシステムのタイプ

Solaris Live Upgrade では、次の 2 種類のファイルシステムを区別します。クリティカルファイルシステムと共有可能ファイルシステムです。次の表に、これらのファイルシステムのタイプを示します。

ファイルシステムのタイプ 

説明 

例と詳細 

クリティカルファイルシステム 

クリティカルファイルシステムは、Solaris OS に必須のファイルシステムです。これらのファイルシステムは、アクティブなブート環境と非アクティブなブート環境の vfstab において別々のマウントポイントを持ちます。これらのファイルシステムは、必ずソースブート環境から非アクティブブート環境にコピーされます。クリティカルファイルシステムのことを「共有不能」と呼ぶこともあります。

root (/)、/usr /var/opt などがクリティカルファイルシステムの例です。

共有可能ファイルシステム 

共有可能なファイルシステムとは、/export のように、アクティブなブート環境と非アクティブなブート環境の両方の vfstab において同じマウントポイントを持つユーザー定義ファイルのことです。したがって、アクティブなブート環境内の共有ファイルを更新すると、非アクティブなブート環境のデータも更新されます。新しいブート環境を作成するとき、共有可能なファイルシステムはデフォルトで共有されます。しかし、コピー先のスライスを指定した場合、そのファイルシステムは (共有されずに) コピーされます。

たとえば、/export が共有可能ファイルシステムの例です。

共有可能なファイルシステムについての詳細は、「共有可能なファイルシステムのスライスを選択するための指針」を参照してください。

スワップ 

スワップは、特殊な共有可能ファイルシステムです。ほかの共有可能なファイルシステムと同様に、すべてのスワップスライスはデフォルトで共有されます。しかし、スワップ用のディレクトリを指定した場合、スワップスライスは (共有されずに) コピーされます。 

スワップを再構成する手順については、次の節を参照してください。 

ファイルシステム上の RAID-1 ボリュームの作成

Solaris Live Upgrade では、ファイルシステム上に RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成できます。概要については、「RAID-1 ボリュームファイルシステムを持つブート環境の作成」を参照してください。