Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)

第 6 章 カスタム JumpStart インストールの準備 (作業)

この章では、カスタム JumpStart インストールを使用して、各サイトのシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために必要な準備の手順について説明します。

作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備

表 6–1 作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備

作業 

説明 

参照先 

旧バージョンの Solaris ソフトウェアがシステム上にインストールされている場合は、システムをアップグレードする方法を決定します。 

システムに以前の Solaris リリースがインストールされている場合は、システムをどのようにアップグレードするかを決める必要があります。システムアップグレードの前と後に実施すべき作業を明確にしておいてください。計画を立てることによって、プロファイル、開始スクリプト、終了スクリプトなどの作成が容易になります。 

「アップグレード」

JumpStart ディレクトリを作成します。 

サーバーの場合

ネットワーク接続されたシステムに対してカスタム JumpStart インストールを実行する場合は、プロファイルサーバーを作成する必要があります。プロファイルサーバーには、カスタム JumpStart ファイル用の JumpStart ディレクトリが入っています。 

「ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成」

フロッピーディスクの場合

ネットワークに接続されていないシステムに対してカスタム JumpStart インストールを実行する場合は、プロファイルフロッピーディスクを作成する必要があります。プロファイルフロッピーディスクには、カスタム JumpStart ファイルが入っています。 

「スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成」

ルールを rules ファイルに追加します。

各システムグループまたは単一のシステムをどのようにインストールするか決定したあとで、インストールする各グループに対してルールを作成します。各ルールは、1 つ以上のシステム属性に基づいてグループを識別し、それぞれのグループを 1 つのプロファイルにリンクします。 

rules ファイルの作成」

ルールごとにプロファイルを作成します。 

プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするか (たとえば、どのソフトウェアグループをインストールするか) を定義するテキストファイルです。すべてのルールはプロファイルを指定して、ルールが一致したときにシステムがどのようにインストールされるかを定義します。通常は、ルールごとに異なるプロファイルを作成します。しかし、複数のルールで同じプロファイルを使用することも可能です。 

「プロファイルの作成」

(省略可能) プロファイルをテストします。 

プロファイルの作成後、pfinstall(1M) コマンドを使用すれば、プロファイルを使用してシステムをインストールまたはアップグレードする前に、プロファイルをテストできます。

「プロファイルのテスト」

rules ファイルの妥当性を検査します。

rules.ok ファイルは、rules ファイルから生成されたファイルで、JumpStart プログラムはこれを使用して、インストールするシステムとプロファイルとを一致させます。rules ファイルの妥当性を検査するには、check スクリプトを使用する必要があります。

rules ファイルの妥当性を検査する」

ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成

ネットワーク上のシステム用にカスタム JumpStart インストールを設定する際には、サーバー上に JumpStart ディレクトリと呼ばれるディレクトリを作成する必要があります。JumpStart ディレクトリには、重要なカスタム JumpStart ファイル (rules ファイル、rules.ok ファイル、プロファイルなど) がすべて置かれます 。JumpStart ディレクトリは、プロファイルサーバーのルート (/) ディレクトリに作成する必要があります。

JumpStart ディレクトリがあるサーバーを「プロファイルサーバー」と呼びます。プロファイルサーバーは、インストールサーバーまたはブートサーバーと同じにすることも、あるいはまったく異なるサーバーとすることもできます。プロファイルサーバーは、異なったプラットフォームのシステムにカスタム JumpStart ファイルを提供できます。たとえば、x86 サーバーは、SPARC ベースのシステムと x86 ベースのシステムの両方に、カスタム JumpStart ファイルを提供できます。


注 –

プロファイルサーバーの作成後、システムがそのサーバーにアクセスできるように設定する必要があります。詳しい手順については、「すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法」を参照してください。


ProcedureJumpStart ディレクトリをサーバー上に作成する方法


注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャーを実行していると仮定しています。ディスク管理にボリュームマネージャーを使用しない場合は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』で、ボリュームマネージャーを使用しないでリムーバブルメディアを管理する方法を確認してください。


手順
  1. JumpStart ディレクトリを作成するサーバーに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. サーバーに JumpStart ディレクトリを作成します。


    # mkdir -m 755 jumpstart_dir_path
    

    jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリの絶対パスです。

    たとえば、次のコマンドは、ルート (/) ディレクトリに jumpstart というディレクトリを作成し、アクセス権を 755 に設定します。


    # mkdir -m 755 /jumpstart
    
  3. 次のエントリを追加して、/etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。


    share -F nfs -o ro,anon=0 jumpstart_dir_path
    

    たとえば、次のエントリは /jumpstart ディレクトリを共有します。


    share -F nfs -o ro,anon=0 /jumpstart
    
  4. shareall と入力し、Enter キーを押します。

  5. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 8 に進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    サンプルのコピー元 

    参照先 

    プラットフォームに対応した Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD 

    サーバーの CD-ROM ドライブに、Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD を挿入します。 

    ボリュームマネージャーが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上にある、プラットフォームに対応した Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 のイメージ

    Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 イメージが置かれたディレクトリに移動します。コマンド例を示します。 


    cd /export/install

  6. サンプルのカスタム JumpStart ファイルをプロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリへコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    
    media_path

    CD、DVD、またはローカルディスク上のイメージのパス

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart ファイルの例を配置する、プロファイルサーバー上のパス

    たとえば、次のコマンドは、jumpstart_sample ディレクトリをプロファイルサーバー上の /jumpstart ディレクトリにコピーします。

    • SPARC システムの場合:


      cp -r /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* /jumpstart
      
    • x86 システムの場合:

      • Solaris 10 1/06 以降のリリース:


        cp -r /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* /jumpstart
        
      • Solaris 10 3/05 リリース:


        cp -r /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* /jumpstart
        
  7. サンプル JumpStart ファイルを更新し、それらのファイルがサイトの環境内で動作するようにします。

  8. root が JumpStart ディレクトリを所有していて、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  9. ネットワーク上のシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるように設定します。

    詳しい手順については、「すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法」を参照してください。

すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする

プロファイルサーバーを作成する際に、システムがカスタム JumpStart インストール中にプロファイルサーバーにアクセスできるようにする必要があります。このためには、次の方法があります。

コマンドまたはファイル 

アクセスの提供 

参照先 

add_install_client コマンド

ネットワークインストールでシステムを追加するたびに、add_install_client コマンドに -c オプションを使用してプロファイルサーバーを指定します。


注 –

NFS を使用していない場合は、別の方法を使用してアクセスを提供する必要があります。

  • SPARC システムでは boot コマンドを使用します

  • x86 システムの場合:

    • Solaris 10 1/06 以降のリリースでは GRUB メニューを編集します。

    • Solaris 10 3/05 リリースでは boot コマンドを使用します。


『Solaris 10 インストールガイド (ネットワークインストール)』「CD イメージを使用してネットワークからインストールするシステムの追加」

  • SPARC: boot コマンド

  • x86: boot コマンド

次のリリースの場合: 

  • SPARC

  • x86 版 Solaris 10 3/05 リリース

システムのブート時にプロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリの場所を指定します。カスタム JumpStart 構成ファイルは、圧縮して 1 つのファイルにする必要があります。続いて、NFS サーバー、HTTP サーバー、またはシステムがローカルにアクセスできるメディアに、圧縮されたその構成ファイルを保存します。 

システムをブートしてカスタム JumpStart インストールを開始する場合は、この圧縮ファイルの場所を指定してください。 

x86: GRUB メニュー

Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、システムをブートするときに GRUB メニューのブートエントリを編集して、プロファイルサーバーの JumpStart ディレクトリの場所を指定します。カスタム JumpStart 構成ファイルは、圧縮して 1 つのファイルにする必要があります。続いて、NFS サーバー、HTTP サーバー、またはシステムがローカルにアクセスできるメディアに、圧縮されたその構成ファイルを保存します。

GRUB メニューのエントリを編集する場合は、圧縮ファイルの場所を指定します。 

/etc/bootparams ファイル

/etc/bootparams ファイルにワイルドカードを追加します。

「すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法」

Procedureすべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法

次に示す手順は、ネットワークインストールの情報を次の場所に格納している場合にのみ実行してください。

次に示す手順は、同じタイプのシステム (たとえばすべて SPARC システム) で実行する必要があります。

次のような場合には、この手順を実行しないでください。

上記のような場合には boot コマンドを使用するか、x86 システムの Solaris 10 1/06 リリースでは GRUB メニューを使用してください。


注 –

DHCP サーバーにネットワークインストールの情報を格納することもできます。


手順
  1. インストールサーバーまたはブートサーバーにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. テキストエディタを使用して /etc/bootparams を開きます。

  3. このエントリを追加します。

    * install_config=server:jumpstart_dir_path
    
    *

    すべてのシステムにアクセスできるように指定するワイルドカード文字

    server

    JumpStart ディレクトリがあるプロファイルサーバーのホスト名

    jumpstart_dir_path

    JumpStart ディレクトリの絶対パス

    たとえば、次のエントリはすべてのシステムが、sherlock というプロファイルサーバーにある /jumpstart ディレクトリにアクセスできるようにします。

    * install_config=sherlock:/jumpstart

    注意 – 注意 –

    この手順を使用した場合、インストールクライアントを起動したときに次のエラーメッセージが表示されることがあります。

    WARNING:getfile:RPC failed:error 5:(RPC Timed out).

    このエラーメッセージの詳細については、「ネットワークからのブート時のエラーメッセージ」を参照してください。


    これで、すべてのシステムはプロファイルサーバーにアクセスできるようになりました。

スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成

JumpStart ディレクトリが収められているフロッピーディスクを「プロファイルフロッピーディスク」と呼びます。ネットワークに接続されていないシステムには、プロファイルサーバーへのアクセス権はありません。このため、システムがネットワークに接続されていない場合はフロッピーディスク上に JumpStart ディレクトリを作成する必要があります。プロファイルフロッピーディスクを作成するシステムには、フロッピーディスクドライブが必要です。

JumpStart ディレクトリには、必要なカスタム JumpStart ファイルがすべて収められています。カスタム JumpStart ファイルには、たとえば、rules ファイル、rules.ok ファイル、プロファイルなどがあります。JumpStart ディレクトリは、プロファイルフロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに作成する必要があります。

次のいずれかの手順を参照してください。

ProcedureSPARC: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法


注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャーを実行していると仮定しています。フロッピーディスク、CD、DVD の管理にボリュームマネージャーを使用しない場合は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』で、ボリュームマネージャーを使用しないでリムーバブルメディアを管理する方法を確認してください。


手順
  1. フロッピーディスクドライブを持つ SPARC システムに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 空のフロッピーディスクまたは上書き可能なディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. フロッピーディスクに UNIX ファイルシステム (UFS) が含まれているかどうかを確認します。

    システム上の /etc/mnttab ファイルに、次のようなエントリがあるかどうかを調べます。


    /vol/dev/diskette0/scrap  /floppy/scrap  ufs  suid,rw,largefiles,dev=1740008  927147040
    • エントリが存在する場合は、手順 6 へ進みます。

    • エントリが存在しない場合は、次の手順へ進みます。

  5. フロッピーディスク上に UFS を作成します。


    # newfs /vol/dev/aliases/floppy0
    
  6. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 9 に進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    サンプルのコピー元 

    参照先 

    Solaris Operating System DVD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版)  

    サーバーの CD-ROM ドライブに Solaris Operating System DVD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) を挿入します。 

    ボリュームマネージャーが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris Operating System DVD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) イメージ

    Solaris Operating System DVD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) イメージが置かれたディレクトリに移動します。コマンド例を示します。 


    cd /export/install
    

  7. サンプルのカスタム JumpStart ファイルをプロファイルフロッピーディスクの JumpStart ディレクトリへコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    
    media_path

    CD、DVD、またはローカルディスク上のイメージのパス

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart のサンプルファイルを置くプロファイルフロッピーディスクのパス


    注 –

    すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_10_sparc/s0/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
    
  8. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  9. root が JumpStart ディレクトリを所有していて、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  10. フロッピーディスクを取り出します。


    # eject floppy
    

    これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。続行するには、rules ファイルの作成」へ進みます。

Procedurex86: GRUB を使用してプロファイルフロッピーディスクを作成する方法

Solaris 10 1/06 以降のリリースの場合は、次の手順を実行します。システムをブートするのに Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ソフトウェアは使用されなくなりました。GRUB メニューを使用すればインストール手順の実行中にブート処理を実行できます。

Solaris 10 3/05 リリースを使用している場合は、「x86: Solaris 10 3/05 リリースの場合: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法」を参照してください。


注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャーを実行していると仮定しています。フロッピーディスク、CD、DVD の管理にボリュームマネージャーを使用しない場合は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』で、ボリュームマネージャーを使用しないでリムーバブルメディアを管理する方法を確認してください。


手順
  1. フロッピーディスクドライブを持つ x86 システムに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 空のフロッピーディスクまたは上書き可能なディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 7 に進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    サンプルのコピー元 

    参照先 

    Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版)  

    サーバーの CD-ROM ドライブに、Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) を挿入します。 

    ボリュームマネージャーが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) イメージ

    Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) イメージが置かれたディレクトリに移動します。入力例を示します。 


    cd /export/install

  5. サンプルのカスタム JumpStart ファイルをプロファイルフロッピーディスクの JumpStart ディレクトリへコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    
    media_path

    CD、DVD、またはローカルディスク上のイメージのパス

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart のサンプルファイルを置くプロファイルフロッピーディスクのパス


    注 –

    プロファイルフロッピーディスクを使用するときは、すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_10_x86/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
    
  6. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  7. root が JumpStart ディレクトリを所有していて、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  8. 「ファイル・マネージャ (File Manager)」ウィンドウの「取り出し (Eject Disk)」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  9. 「リムーバブルメディア・マネージャ (Removable Media Manager)」画面で「了解 (OK)」をクリックします。

  10. フロッピーディスクを手動で取り出します。

参照

これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。続行するには、rules ファイルの作成」へ進みます。

Procedurex86: Solaris 10 3/05 リリースの場合: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法

Solaris 10 3/05 リリースを使用している場合は、この手順を実行します。

Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、システムをブートするのに Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ソフトウェアは使用されなくなりました。GRUB メニューを使用すればインストール手順の実行中にブート処理を実行できます。手順については、「x86: GRUB を使用してプロファイルフロッピーディスクを作成する方法」を参照してください。


注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャーを実行していると仮定しています。フロッピーディスク、CD、DVD の管理にボリュームマネージャーを使用しない場合は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』で、ボリュームマネージャーを使用しないでリムーバブルメディアを管理する方法を確認してください。


手順
  1. フロッピーディスクドライブを持つ x86 システムに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブ (通常はドライブ A) に挿入します。このフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクとして使用します。


    x86 のみ –

    『Solaris 10 インストールガイド (ネットワークインストール)』「x86 版 Solaris 10 3/05: ブートソフトウェアのフロッピーディスクへのコピー」の手順に従って、Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 2 CD (x86 版) からフロッピーディスクへ Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ソフトウェアをコピーできます。


  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のイメージをシステムのハードディスクへコピーします。


    # dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_image
    

    コマンドの boot_image の部分には、Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のイメージのコピー先ファイル名を入力します。絶対パス名を指定できます。

    たとえば次のコマンドは、ブートフロッピーディスクを boot_save ファイルにコピーします。


    dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_save
    
  5. 「ファイル・マネージャ (File Manager)」ウィンドウの「取り出し (Eject Disk)」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  6. 「リムーバブルメディア・マネージャ (Removable Media Manager)」画面で「了解 (OK)」をクリックします。

  7. Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクを手動で取り出します。

  8. 空のフロッピーディスクまたは上書き可能なディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  9. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  10. フロッピーディスクをフォーマットします。


    # fdformat -d -U
    
  11. Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) イメージを、システムのハードディスクからフォーマットしたフロッピーディスクにコピーします。


    # dd if=boot_image of=/vol/dev/aliases/floppy0
    

    コマンドの boot_image の部分には、Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のイメージのコピー先ファイル名を入力します。絶対パス名を指定できます。

  12. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 7 に進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    サンプルのコピー元 

    参照先 

    Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版)  

    サーバーの CD-ROM ドライブに、Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) を挿入します。 

    ボリュームマネージャーが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) イメージ

    Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) イメージが置かれたディレクトリに移動します。入力例を示します。 


    cd /export/install

  13. サンプルのカスタム JumpStart ファイルをプロファイルフロッピーディスクの JumpStart ディレクトリへコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    
    media_path

    CD、DVD、またはローカルディスク上のイメージのパス

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart のサンプルファイルを置くプロファイルフロッピーディスクのパス


    注 –

    プロファイルフロッピーディスクを使用するときは、すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_10_x86/s2/Solaris_10/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
    
  14. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  15. root が JumpStart ディレクトリを所有していて、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  16. 「ファイル・マネージャ (File Manager)」ウィンドウの「取り出し (Eject Disk)」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  17. 「リムーバブルメディア・マネージャ (Removable Media Manager)」画面で「了解 (OK)」をクリックします。

  18. フロッピーディスクを手動で取り出します。

参照

これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。続行するには、rules ファイルの作成」へ進みます。

rules ファイルの作成

rules ファイルは、Solaris OS をインストールする各システムグループのルールが記述されているテキストファイルです。各ルールは 1 つ以上のシステム属性にもとづいてシステムグループを識別し、各グループをプロファイルにリンクします。プロファイルは、グループ内の各システムに Solaris ソフトウェアがどのようにインストールされるかを定義するテキストファイルです。たとえば、次のルールは JumpStart プログラムが basic_prof プロファイル内の情報を使用し、sun4u プラットフォームグループを持つすべてのシステムに対してインストールを実行することを示します。

karch sun4u - basic_prof -

rules ファイルを使用して、カスタム JumpStart インストールに必要な rules.ok ファイルを作成します。


注 –

「スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成」または 「ネットワーク上のシステム用のプロファイルサーバーの作成」の手順に従って JumpStart ディレクトリを設定した場合は、rules ファイルのサンプルがすでに JumpStart ディレクトリに置かれています。rules ファイルのサンプルには、説明といくつかのルール例があります。サンプルの rules ファイルを利用する場合は、使用しないルール例は必ずコメントにしておいてください。


rules ファイルの構文

rules ファイルには、次の属性が必要です。

rules ファイルには、次の要素を任意に含めることができます。

Procedurerules ファイルを作成する方法

手順
  1. テキストエディタを使って、rules という名前のテキストファイルを作成します。または、作成済みの JumpStart ディレクトリからサンプル rules ファイルを開きます。

  2. Solaris ソフトウェアをインストールする各システムグループの rules ファイルにルールを追加します。

    rules ファイルのキーワードと値については、「ルールキーワードと値の説明」を参照してください。

    rules ファイル内のルールは、次の構文に従っている必要があります。

    !rule_keyword rule_value && !rule_keyword rule_value ... begin  profile  finish
    
    !

    ルールキーワードの前で使用し、否定を示す記号。

    rule_keyword

    ホスト名 (hostname) やメモリーサイズ (memsize) などの一般的なシステム属性を記述する、事前定義された字句単位または語。rule_keyword は、同じ属性を持つシステムを 1 つのプロファイルに対応させるためにルール値と共に使用されます。ルールキーワードの一覧は、「ルールキーワードと値の説明」を参照してください。

    rule_value

    対応するルールキーワードに特定のシステム属性を付与する値。ルール値については、「ルールキーワードと値の説明」を参照してください。

    &&

    ルールキーワードとルール値のペアを 1 つのルールに結合するために使用する記号 (論理演算子 AND)。カスタム JumpStart インストール時に、システムがルール内のすべてのペアに一致しなければ、ルールの一致は成立しません。

    begin

    インストール開始前に実行される Bourne シェルスクリプト名。開始スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要があります。開始スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければなりません。

    開始スクリプトの詳しい作成方法については、「開始スクリプトの作成」を参照してください。

    profile

    テキストファイル名。システムがルールに一致したとき Solaris ソフトウェアがシステムにどのようにインストールされるかを定義しています。プロファイル内の情報は、プロファイルキーワードと、それらに対応するプロファイル値から構成されます。すべてのプロファイルは JumpStart ディレクトリになければなりません。


    注 –

    プロファイルフィールドには、別の使用方法もあります。詳細は、「サイト固有のインストールプログラムの使用」「開始スクリプトによる派生プロファイルの作成」を参照してください。


    finish

    インストール終了後に実行される Bourne シェルスクリプト名。終了スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要があります。終了スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければなりません。

    終了スクリプトの詳しい作成方法については、「終了スクリプトの作成」を参照してください。

    各ルールには、少なくとも次の要素を含める必要があります。

    • キーワード、値、および対応するプロファイル

    • begin および finish フィールド内のマイナス記号 (-) (開始および終了スクリプトが指定されない場合)

  3. rules ファイルを JumpStart ディレクトリに保存します。

  4. rootrules ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

rules ファイルの例

次のサンプルファイルは、rules ファイル内のルールをいくつか示しています。各行には、ルールキーワードとそのキーワードに有効な値があります。JumpStart プログラムは、rules ファイルを上から下へ走査します。

ルールキーワードと値を既知のシステムに一致させることができた場合、JumpStart プログラムはプロファイルフィールドに示されているプロファイルによって指定された Solaris ソフトウェアをインストールします。


例 6–1 rule ファイル

 # rule keywords and rule values       begin script       profile       finish script
 # -----------------------------       ------------       --------      -------------
  hostname eng-1                       -                  basic_prof    -
  network 192.168.255.255 && !model \
 'SUNW,Sun-Blade-100'                  -                  net_prof      -
  model SUNW,SPARCstation-LX           -                  lx_prof       complete
  network 192.168.2.0 && karch i86pc  setup               x86_prof      done
  memsize 64-128 && arch i386          -                  prog_prof     -
  any   -                              -                  generic_prof  -

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

hostname

このルールは、システムのホスト名が eng-1 の場合に一致します。basic_prof プロファイルは、ルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

network

このルールは、システムがサブネット 192.168.255.255 上にあり、Sun Blade TM 100 (SUNW,Sun-Blade-100) でない場合に一致します。net_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。このルールは、rules ファイルの構文」に説明されているルールラップの例も示しています。

model

このルールは、システムが SPARCstation LX である場合に一致します。lx_prof プロファイルと complete 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

network

このルールは、システムがサブネット 192.168.2.0 上にあって、x86 ベースの sun4u システムである場合に一致します。setup 開始スクリプト、x864u_prof プロファイル、および done 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

memsize

このルールは、システムが 64 〜 128M バイトのメモリーを持つ x86 システムである場合に一致します。prog_profプロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。

any

このルールは、上記のルールに一致しなかったすべてのシステムに一致します。generic_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。any を使用する場合は、この値を常に rules ファイルの最後のファイルとして使用する必要があります。


プロファイルの作成

プロファイルは、システムに Solaris ソフトウェアをインストールする方法を定義するテキストファイルです。プロファイルには、インストール要素 (インストールするソフトウェアグループなど) を指定します。各ルールには、システムのインストール方法を示すプロファイルを指定します。プロファイルは、ルールごとに異なるものを作成しても、複数のルールに同じものを使用しても構いません。

プロファイルは、1 つ以上のプロファイルキーワードとその値から成ります。各プロファイルキーワードは、JumpStart プログラムがどのようにしてシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするかを制御するコマンドです。たとえば、次のプロファイルキーワードと値は、JumpStart プログラムがシステムをサーバーとしてインクルードすることを指定しています。

system_type  server

注 –

次のいずれかの手順に従って JumpStart ディレクトリを作成した場合は、サンプルのプロファイルがすでに JumpStart ディレクトリに入っています。


プロファイルの構文

プロファイルには、次の要素を含める必要があります。

プロファイルには次の要素を含めることができます。

Procedureプロファイルを作成する方法

手順
  1. テキストエディタを使用してテキストファイルを作成します。ファイルにわかりやすい名前を付けます。または、作成した JumpStart ディレクトリ内のプロファイル例を開きます。


    注 –

    プロファイルには、Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするときの使用方法を表す名前を付けてください。たとえば、basic_installeng_profile user_profile などの名前を付けます。


  2. プロファイルにプロファイルキーワードと値を追加します。

    プロファイルキーワードと値の一覧は、「プロファイルキーワードと値」を参照してください。


    注 –

    プロファイルキーワードとプロファイル値には、大文字と小文字の区別があります。


  3. JumpStart ディレクトリにプロファイルを保存します。

  4. プロファイルの所有者が root で、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

  5. (省略可能) プロファイルをテストします。

    プロファイルのテスト方法については、「プロファイルのテスト」を参照してください。

プロファイルの例

次のプロファイル例は、さまざまなプロファイルキーワードとプロファイル値を使用して、Solaris ソフトウェアをシステムにどのようにインストールするかを指定する方法を示しています。「プロファイルキーワードと値」では、プロファイルキーワードと値を説明しています。


例 6–2 リモートファイルシステムのマウントとパッケージの追加および削除

 
# profile keywords        profile values
# -----------------       -----------------
  install_type            initial_install
  system_type             standalone
  partitioning            default
  filesys                 any 512 swap   # specify size of /swap
  cluster                 SUNWCprog
  package                 SUNWman delete
  cluster                 SUNWCacc

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

install_type キーワードは、すべてのプロファイルに必要です。

system_type

system_type キーワードは、システムをスタンドアロンシステムとしてインストールするように定義します。

partitioning

ファイルシステムスライスは、インストールするソフトウェアごとに default 値を使用して決定されます。swap は 512M バイトに設定され、値 any に基づいてすべてのディスクにインストールされます。

cluster

「開発者システムサポートソフトウェアグループ」(SUNWCprog) がシステムにインストールされます。

package

標準のマニュアルページがネットワークのファイルサーバー (s_ref) からマウントされる場合は、マニュアルページパッケージはシステムにインストールされません。System Accounting ユーティリティーが入ったパッケージはシステムにインストールされます。



例 6–3 リモートファイルシステムのマウントと Sun 以外のパッケージの追加

 
# profile keywords        profile values
# -----------------       -----------------
  install_type            initial_install
  system_type             standalone
  partitioning            default
  filesys                 any 512 swap   # specify size of /swap
  cluster                 SUNWCprog
  cluster                 SUNWCacc
  package                 apache_server  \
                           http://package.central/packages/apache timeout 5

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

install_type キーワードは、すべてのプロファイルに必要です。

system_type

system_type キーワードは、システムをスタンドアロンシステムとしてインストールするように定義します。

partitioning

ファイルシステムスライスは、インストールするソフトウェアごとに default 値を使用して決定されます。swap は 512M バイトに設定され、値 any に基づいてすべてのディスクにインストールされます。

cluster

「開発者システムサポートソフトウェアグループ」(SUNWCprog) がシステムにインストールされます。

package

HTTP サーバー上に置かれた Sun 以外のパッケージがシステムにインストールされます。



例 6–4 ファイルシステムのインストール場所の指定

# profile keywords        profile values
# ----------------        -------------------
  install_type            initial_install
  system_type             standalone 
  partitioning            explicit
  filesys                 c0t0d0s0 auto /
  filesys                 c0t3d0s1 auto swap
  filesys                 any auto usr
  cluster                 SUNWCall

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

partitioning

partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズは、値 auto により選択したソフトウェアに基づいて自動的に設定されて c0t0d0s0 にインストールされます。swap も同様に、必要なサイズに設定された上で c0t3d0s1 上にインストールされます。usr は、値 any により選択したソフトウェアに基づきインストールプログラムによってインストール先が決定されます。

cluster

全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。



例 6–5 パッチのアップグレードとインストール

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
  install_type             upgrade 
  root_device              c0t3d0s2 
  backup_media             remote_filesystem timber:/export/scratch
  package                  SUNWbcp delete
  package                  SUNWxwman add
  cluster                  SUNWCacc add   
  patch                    patch_list nfs://patch_master/Solaris_10/patches \
                           retry 5
  locale                   de

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

このプロファイルは、ディスク容量を再配置することによってシステムをアップグレードします。この例では、システム上のファイルシステムのいくつかにアップグレード用の容量が十分にないため、ディスク領域を再配置する必要があります。

root_device

c0t3d0s2 のルートファイルシステムがアップグレードされます。

backup_media

リモートシステム timber が、ディスク容量の再配置中のデータのバックアップに使用されます。バックアップメディアのキーワード値については、backup_media プロファイルキーワード」を参照してください。

package

バイナリ互換パッケージ (SUNWbcp) は、アップグレード後、システムにインストールされません。

package

このコードは、X Window System のマニュアルページと、System Accounting ユーティリティーがまだシステムにインストールされていない場合に、インストールされるようにするものです。すでにシステム上にあるすべてのパッケージが自動的にアップグレードされます。

patch

アップグレードでインストールされるパッチのリストです。パッチリストは、patch_master という名前の NFS サーバーの Solaris_10/patches ディレクトリに格納されています。マウントに失敗した場合、NFS マウントが 5 回試行されます。

locale

ドイツ語対応パッケージがシステムにインストールされます。



例 6–6 アップグレード用ディスク容量の再配置

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
  install_type             upgrade 
  root_device              c0t3d0s2 
  backup_media             remote_filesystem timber:/export/scratch
  layout_constraint        c0t3d0s2 changeable 100
  layout_constraint        c0t3d0s4 changeable
  layout_constraint        c0t3d0s5 movable 
  package                  SUNWbcp delete
  package                  SUNWxwman add
  cluster                  SUNWCacc add   
  locale                   de

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

このプロファイルは、ディスク容量を再配置することによってシステムをアップグレードします。この例では、システム上のファイルシステムのいくつかにアップグレード用の容量が十分にないため、ディスク領域を再配置する必要があります。

root_device

c0t3d0s2 のルートファイルシステムがアップグレードされます。

backup_media

リモートシステム timber が、ディスク容量の再配置中のデータのバックアップに使用されます。バックアップメディアのキーワード値については、backup_media プロファイルキーワード」を参照してください。

layout_constraint

layout_constraint キーワードは、アップグレードのためにディスク領域の再配置を行う時に自動レイアウトが次のことを実施できることを示します。

  • スライス 2 と 4 を変更する。これらのスライスはほかの場所へ移動が可能であり、サイズも変更できます。

  • スライス 5 を移動する。スライスをほかの場所へ移動することはできますが、そのサイズを変更することはできません。

package

バイナリ互換パッケージ (SUNWbcp) は、アップグレード後、システムにインストールされません。

package

このコードは、X Window System のマニュアルページと、System Accounting ユーティリティーがまだシステムにインストールされていない場合に、インストールされるようにするものです。すでにシステム上にあるすべてのパッケージが自動的にアップグレードされます。

locale

ドイツ語対応パッケージがシステムにインストールされます。



例 6–7 HTTP サーバーから Solaris フラッシュアーカイブを取得する

次の例のプロファイルは、カスタム JumpStart プログラムが HTTP サーバーから Solaris フラッシュアーカイブを取得するように指定しています。

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
install_type               flash_install
archive_location           http://192.168.255.255/flasharchive/solarisarchive
partitioning               explicit
filesys                    c0t1d0s0 4000 /
filesys                    c0t1d0s1 512 swap
filesys                    c0t1d0s7 free /export/home

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

このプロファイルにより、Solaris フラッシュアーカイブがクローンシステムにインストールされます。すべてのファイルは、初期インストールにより上書きされます。

archive_location

Solaris フラッシュアーカイブは、HTTP サーバーから取得されます。

partitioning

partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズは Solaris フラッシュアーカイブのサイズに基づいて割り当てています。ルートファイルシステムは c0t1d0s0 にインストールされます。swap は、必要なサイズに設定された上で c0t1d0s1 上にインストールされます。/export/home のサイズは残りのディスク容量に基づいて決定されます。/export/homec0t1d0s7 にインストールされます。



例 6–8 HTTPS サーバーから Solaris フラッシュアーカイブを取得する

次の例のプロファイルは、カスタム JumpStart プログラムがセキュリティー保護された HTTP サーバーから Solaris フラッシュアーカイブを取得するように指定しています。

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
install_type               flash_install
archive_location           https://192.168.255.255/solarisupdate.flar
partitioning               explicit
filesys                    c0t1d0s0 4000 /
filesys                    c0t1d0s1 512 swap
filesys                    c0t1d0s7 free /export/home

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

このプロファイルにより、Solaris フラッシュアーカイブがクローンシステムにインストールされます。すべてのファイルは、初期インストールにより上書きされます。

archive_location

圧縮された Solaris フラッシュアーカイブが HTTPS サーバーから取得されます。

partitioning

partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズは Solaris フラッシュアーカイブのサイズに基づいて割り当てています。swap は、必要なサイズに設定された上で c0t1d0s1 上にインストールされます。/export/home のサイズは残りのディスク容量に基づいて決定されます。/export/homec0t1d0s7 にインストールされます。



例 6–9 Solaris フラッシュアーカイブの取得と Sun 以外のパッケージのインストール

次の例のプロファイルは、カスタム JumpStart プログラムが HTTP サーバーから Solaris フラッシュアーカイブを取得するように指定しています。

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
install_type               flash_install
archive_location           http://192.168.255.255/flasharchive/solarisarchive
partitioning               explicit
filesys                    c0t1d0s0 4000 /
filesys                    c0t1d0s1 512 swap
filesys                    c0t1d0s7 free /export/home
package                    SUNWnew http://192.168.254.255/Solaris_10 timeout 5

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

このプロファイルにより、Solaris フラッシュアーカイブがクローンシステムにインストールされます。すべてのファイルは、初期インストールにより上書きされます。

archive_location

Solaris フラッシュアーカイブは、HTTP サーバーから取得されます。

partitioning

partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズは Solaris フラッシュアーカイブのサイズに基づいて割り当てています。ルートファイルシステムは c0t1d0s0 にインストールされます。swap は、必要なサイズに設定された上で c0t1d0s1 上にインストールされます。/export/home のサイズは残りのディスク容量に基づいて決定されます。/export/homec0t1d0s7 にインストールされます。

package

SUNWnew パッケージは HTTP サーバー 192.168.254.255Solaris_10 ディレクトリから追加されます。



例 6–10 NFS サーバーから Solaris フラッシュ差分アーカイブを取得する

次の例のプロファイルは、カスタム JumpStart プログラムが NFS サーバーから Solaris フラッシュアーカイブを取得するように指定しています。flash_update キーワードは、これが差分アーカイブであることを示しています。差分アーカイブでは、2 つのシステムイメージの相違部分のみがインストールされます。

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
install_type               flash_update
archive_location           nfs installserver:/export/solaris/flasharchive \
                           /solarisdiffarchive
no_master_check

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

このプロファイルは、Solaris フラッシュ差分アーカイブをクローンシステムにインストールします。アーカイブで指定されたファイルだけがインストールされます。

archive_location

Solaris フラッシュアーカイブは、NFS サーバーから取得されます。

no_master_check

クローンシステムは、有効なシステムイメージであるかどうかチェックされません。有効なシステムイメージが、元のマスターシステムを使用して構築されているはずです。



例 6–11 空のブート環境の作成

次の例のプロファイルは、カスタム JumpStart プログラムが空のブート環境を作成するように指定しています。空のブート環境には、ファイルシステムは含まれません。また、現在のブート環境からコピーされることもありません。あとで Solaris フラッシュアーカイブをこのブート環境に格納し、アクティブにすることができます。

# profile keywords        profile values
# ----------------        -------------------
  install_type            initial_install
  system_type             standalone 
  partitioning            explicit
  filesys                 c0t0d0s0 auto /
  filesys                 c0t3d0s1 auto swap
  filesys                 any auto usr
  cluster                 SUNWCall
  bootenv createbe bename second_BE \
  filesystem /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs \
  filesystem -:/dev/dsk/c0t1d0s0:swap \
  filesystem /export:shared:ufs

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

partitioning

partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。ルート (/) のサイズは、値 auto により選択したソフトウェアに基づいて自動的に設定されて c0t0d0s0 にインストールされます。swap も同様に、必要なサイズに設定された上で c0t3d0s1 上にインストールされます。usr は、値 any により選択したソフトウェアに基づきインストールプログラムによってインストール先が決定されます。

cluster

全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。

bootenv createbe

空の非アクティブブート環境がディスク c0t1d0 上に設定されます。ルート (/)、スワップ、および /export のファイルシステムがそれぞれ作成されますが、空のままです。この 2 番目のブート環境には、あとで Solaris フラッシュアーカイブをインストールできます。その後、この新しいブート環境をアクティブにして、現在のブート環境と交代させることができます。

キーワード値とその基本的な使用方法については、次の関連情報を参照してください。



例 6–12 Solaris フラッシュアーカイブインストール時の RAID-1 ボリュームの作成

次の例のプロファイルには、カスタム JumpStart プログラムが Solaris ボリュームマネージャーテクノロジを使用してルート (/)、swap/usr、および /export/home ファイルシステムの RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成することが示されています。Solaris フラッシュアーカイブはブート環境にインストールされます。

# profile keywords        profile values
# ----------------        -------------------
  install_type            flash_install
  arhcive_location        nfs server:/export/home/export/flash.s10.SUNWCall
  partitioning            explicit
  filesys                 mirror:d10 c0t0d0s0 c0t1d0s0 4096 /
  filesys                 mirror c0t0d0s1 2048 swap
  filesys                 mirror:d30 c0t0d0s3 c0t1d0s3 4096 /usr
  filesys                 mirror:d40 c0t0d0s4 c0t1d0s4 4096 /usr
  filesys                 mirror:d50 c0t0d0s5 c0t1d0s5 free /export/home
  metadb                  c0t1d0s7 size 8192 count 3

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

install_type

このプロファイルにより、Solaris フラッシュアーカイブがクローンシステムにインストールされます。すべてのファイルは、初期インストールにより上書きされます。

archive_location

Solaris フラッシュアーカイブは、NFS サーバーから取得されます。

partitioning

partitioning の値が explicit であるため、ファイルシステムスライスは、filesys キーワードによって指定します。

filesys

ルート (/) ファイルシステムが作成され、スライス c0t0d0s0 および c0t1d0s0 にミラー化されます。ルート (/) ファイルシステムのサイズは 4096M バイトに設定されます。c0t0d0s0 および c0t1d0s0 をミラー化する RAID-1 ボリュームに d10 という名前が付けられます。

filesys

swap ファイルシステムが作成され、スライス c0t0d0s1 にミラー化されます。サイズは 2048M バイトです。カスタム JumpStart プログラムにより、ミラーに名前が割り当てられます。

filesys

/usr ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s3 および c0t0d0s3 にミラー化されます。/usr ファイルシステムのサイズは 4096M バイトに設定されます。RAID-1 ボリュームに d30 という名前が付けられます。

filesys

/usr ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s4 および c0t0d0s4 にミラー化されます。/usr ファイルシステムのサイズは 4096M バイトに設定されます。RAID-1 ボリュームに d40 という名前が付けられます。

metadb

3 つの状態データベースの複製 (metadb) がスライス c0t1d0s7 にインストールされます。サイズは 8192 ブロック (4M バイト) です。



例 6–13 ルートファイルシステムをミラー化するための RAID-1 ボリュームの作成

次の例のプロファイルには、カスタム JumpStart プログラムが Solaris ボリュームマネージャーテクノロジを使用してルート (/) ファイルシステムの RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成することが示されています。

# profile keywords        profile values
# ----------------        -------------------
  install_type            initial_install
  cluster                 SUNWCXall
  filesys                 mirror:d30 c0t1d0s0 c0t0d0s0  /
  filesys                 c0t0d0s3 512 swap
  metadb                  c0t0d0s4 size 8192 count 4
  metadb                  c0t1d0s4 size 8192 count 4
  

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

cluster

「全体ディストリビューション + OEM」ソフトウェアグループ (SUNWCXall) がシステムにインストールされます。

filesys

ルート (/) ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s0 および c0t0d0s0 にミラー化されます。c0t1d0s0 および c0t0d0s0 をミラー化する RAID-1 ボリュームに d30 という名前が付けられます。カスタム JumpStart プログラムにより、2 つのサブミラーに名前が割り当てられます。

filesys

swap ファイルシステムが作成され、スライス c0t0d0s3 にミラー化されます。サイズは 512M バイトです。

metadb

4 つの状態データベースの複製 (metadb) がスライス c0t0d0s4 にインストールされます。サイズは 8192 ブロック (4M バイト) です。

metadb

4 つの状態データベースの複製 (metadb) がスライス c0t1d0s4 にインストールされます。サイズは 8192 ブロック (4M バイト) です。



例 6–14 複数のファイルシステムをミラー化するための RAID-1 ボリュームの作成

次の例のプロファイルには、カスタム JumpStart プログラムが Solaris ボリュームマネージャーテクノロジを使用して、ルート (/)、swap、および /usr ファイルシステムの RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成することが示されています。

# profile keywords        profile values
# ----------------        -------------------
  install_type            initial_install
  cluster                 SUNWCXall
  filesys                 mirror:d100 c0t1d0s0 c0t0d0s0 200 /
  filesys                 c0t1d0s5 500 /var
  filesys                 c0t0d0s5 500
  filesys                 mirror c0t0d0s1 512 swap
  metadb                  c0t0d0s3 size 8192 count 5
  filesys                 mirror c0t1d0s4 c0t0d0s4 2000 /usr
  filesys                 c0t1d0s7 free /export/home
  filesys                 c0t0d0s7 free

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

cluster

「全体ディストリビューション + OEM」ソフトウェアグループ (SUNWCXall) がシステムにインストールされます。

filesys

ルート (/) ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s0 および c0t0d0s0 にミラー化されます。ルート (/) ファイルシステムのサイズは 200M バイトです。c0t1d0s0 および c0t0d0s0 をミラー化する RAID-1 ボリュームに d100 という名前が付けられます。

filesys

/var ファイルシステムがスライス c0t1d0s5 にインストールされます。サイズは 500M バイトです。ルート (/) ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s0 および c0t0d0s0 にミラー化されます。ルート (/) ファイルシステムのサイズは 200M バイトです。c0t1d0s0 および c0t0d0s0 をミラー化する RAID-1 ボリュームに d100 という名前が付けられます。

filesys

swap ファイルシステムが作成され、スライス c0t0d0s1 にミラー化されます。サイズは 512M バイトです。カスタム JumpStart プログラムにより、ミラーに名前が割り当てられます。

metadb

5 つの状態データベースの複製 (metadb) がスライス c0t0d0s3 にインストールされます。サイズは 8192 ブロック (4M バイト) です。

filesys

/usr ファイルシステムが作成され、スライス c0t1d0s4 および c0t0d0s4 にミラー化されます。/usr ファイルシステムのサイズは 2000M バイトになります。カスタム JumpStart プログラムにより、ミラーに名前が割り当てられます。



例 6–15 x86: fdisk キーワードの使用方法

# profile keywords      profile values
# ----------------      -------------------
  install_type          initial_install
  system_type           standalone

  fdisk                 c0t0d0 0x04 delete
  fdisk                 c0t0d0 solaris maxfree
  cluster               SUNWCall
  cluster               SUNWCacc delete

この例で使用されているキーワードと値の一部について、次のリストで説明します。

fdisk

タイプ DOSOS16 (04 16 進) の fdisk パーティションはすべて、c0t0d0 ディスクから削除されます。

fdisk

Solaris fdisk パーティションが、c0t0d0 ディスク上の最大の連続空き領域に作成されます。

cluster

全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。

cluster

システムアカウントユーティリティー (SUNWCacc) は、システムにインストールされません。


プロファイルのテスト

プロファイルの作成後、pfinstall(1M) コマンドを使ってプロファイルをテストします。プロファイルのテストは、実際にプロファイルを使用してシステムのインストールまたはアップグレードを行う前に行なってください。プロファイルのテストは、ディスク容量を再配置するアップグレードプロファイルを作成する場合、特に有用です。

pfinstall から生成されるインストール出力を調べることによって、意図どおりにプロファイルが動作するかを簡単にチェックできます。たとえば、実際にシステムでアップグレードを行う前に、そのシステムが Solaris の新しいリリースにアップグレードするための十分なディスク容量を持っているかどうかをプロファイルで調べることができます。

pfinstall を利用すると、次の要素に対してプロファイルをテストできます。

Procedureプロファイルをテストするために、一時的な Solaris 環境を作成する方法

特定の Solaris リリース用のプロファイルを正常かつ正確にテストするには、同じリリースの Solaris 環境内でテストする必要があります。たとえば、Solaris 初期インストールプロファイルをテストする場合は、Solaris OS を実行しているシステム上で pfinstall コマンドを実行します。

次のどちらかの状況でプロファイルをテストする場合は、一時的なインストール環境を作成する必要があります。

手順
  1. 次に示すメディアのいずれか 1 つのイメージからシステムをブートします。

    SPARC システムの場合:

    • Solaris Operating System DVD (SPARC 版)

    • Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版)

    x86 システムの場合:

    • Solaris Operating System DVD (x86 版)

    • Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版)


    注 –

    アップグレードプロファイルをテストする場合は、アップグレードするシステムをブートしてください。


  2. システムを識別するための質問に答えます。

  3. インストールプログラムを終了するには、! を入力します。次のプロンプトに続いて入力します。


    Solaris Web Start will assist you in installing software for Solaris.
    <Press ENTER to continue> {"!" exits}
  4. このシェルから pfinstall コマンドを実行します。pfinstall コマンドの詳しい使用方法については、「プロファイルをテストする方法」手順 7 を参照してください。

Procedureプロファイルをテストする方法

手順
  1. プロファイルをテストするためのシステムを決定します。プロファイルの作成時に意図したシステムと同じプラットフォームタイプ (SPARC または x86) のシステムを選んでください。

    アップグレードプロファイルをテストする場合は、実際にアップグレードするシステム上でテストしてください。

  2. 次の表に基づいて、次に行うことを決定します。

    状態 

    参照先 

    初期インストールプロファイルをテストします (Solaris 10 ソフトウェアが動作しているシステムがある場合)。 

    システムのスーパーユーザーになり、手順 5 へ進みます。

    アップグレードプロファイルをテストします (初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 10 が動作しているシステムがない場合)。 

    一時的な Solaris 10 環境を作成し、プロファイルをテストします。詳細については、「プロファイルをテストするために、一時的な Solaris 環境を作成する方法」を参照してください。続いて、手順 3 へ進みます。

  3. 一時的なマウントポイントを作成します。


    # mkdir /tmp/mnt
    
  4. テストするプロファイル (1 つ以上) が入ったディレクトリをマウントします。

    マウントするメディア 

    コマンド 

    リモート NFS ファイルシステムをマウントします (ネットワーク上のシステムの場合)。 


    mount -F nfs server_name:path /tmp/mnt
    

    SPARC: UFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントします。 


    mount -F ufs /dev/diskette /tmp/mnt
    

    PCFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントします。 


    mount -F pcfs /dev/diskette /tmp/mnt
    

  5. 特定のシステムメモリーサイズでプロファイルをテストするには、SYS_MEMSIZE にそのメモリーサイズを M バイト単位で指定します。


    # SYS_MEMSIZE=memory_size
    # export SYS_MEMSIZE
    
  6. 手順 4 でディレクトリをマウントしましたか。

    • マウントした場合は、/tmp/mnt にディレクトリを変更します。


      # cd /tmp/mnt
      
    • マウントしなかった場合は、プロファイルのある場所にディレクトリを変更します。通常は、JumpStart ディレクトリです。


      # cd jumpstart_dir_path
      
  7. pfinstall(1M) コマンドによってプロファイルをテストします。


    # /usr/sbin/install.d/pfinstall -D:-d disk_config_file -c path profile
    

    注意 – 注意 –

    -d または -D オプションを指定してください。いずれかを指定しないと pfinstall は指定されたプロファイルを使用して Solaris ソフトウェアをインストールします。その結果、システム上のデータがすべて上書きされます。


    -D

    pfinstall は、現在のシステムのディスク構成を使用してプロファイルをテストします。アップグレードプロファイルをテストする場合は、-D オプションを使用する必要があります。

    -d disk_config_file

    pfinstall は、ディスク構成ファイル disk_config_file を使用してプロファイルをテストします。pfinstall が動作しているディレクトリに disk_config_file が置かれていない場合は、パスを指定する必要があります。

    ディスク構成ファイルの作成方法については「ディスク構成ファイルの作成」を参照してください。


    注 –

    アップグレードプロファイル install_type upgrade には、-d disk_config_file オプションを使用できません。常に、システムのディスク構成に対してアップグレードプロファイルをテストする必要があります (つまり、-D オプションを使用する必要があります)。


    -c path

    Solaris ソフトウェアイメージのパス。このオプションは、たとえば、システムでボリュームマネージャーを使用して Solaris SOFTWARE - 1 CD を各自のプラットフォームにマウントする場合に使用します。


    注 –

    プラットフォーム対応の Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD イメージからブートした場合は、-c オプションは不要です。DVD または CD イメージは、ブート処理の一環として /cdrom 上にマウントされます。


    profile

    テストするプロファイル名。profilepfinstall が実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。

プロファイルテストの例

次の例は、pfinstall を使用して basic_prof というプロファイルをテストする方法を示しています。このプロファイルテストは、Solaris 10 ソフトウェアがインストールされているシステム上のディスク構成に対して行われます。basic_prof プロファイルは、/jumpstart ディレクトリにあります。ボリュームマネージャーを使用しているので、Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) イメージへのパスが指定されています。


例 6–16 Solaris 10 システムを使用したプロファイルテスト


# cd /jumpstart
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c /cdrom/pathname basic_prof

次の例は、pfinstall を使用して Solaris 10 システム上で basic_prof というプロファイルをテストする方法を示しています。このテストは、535_test ディスク構成ファイルに対して行われます。このテストは、システムメモリーが 64M バイトあるか確認します。この例では、/export/install ディレクトリにある Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) のイメージを使用しています。


例 6–17 ディスク構成ファイルによるプロファイルテスト


# SYS_MEMSIZE=64
# export SYS_MEMSIZE
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -d 535_test -c /export/install basic_prof

rules ファイルの妥当性を検査する

rules ファイルとプロファイルは、check スクリプトを実行して、これらのファイルが正しく設定されていることを確認してからでないと使用できません。すべてのルールとプロファイルが有効な場合は、rules.ok ファイルが作成されます。このファイルは、カスタム JumpStart インストールソフトウェアがシステムをプロファイルと照合するために必要です。

表 6–2 に、check スクリプトの実行内容を示します。

表 6–2 check スクリプトの動作

手順 

説明 

rules ファイルの構文検査を行います。

 

check は、ルールキーワードが正当かどうか、および各ルールに対して begin フィールド、 class フィールド、および finish フィールドが指定されているかどうかを確認します。begin フィールドおよび finish フィールドは、ファイル名でなくマイナス記号 (-) でも可能です。

rules ファイルにエラーがなければ、ルールに指定された各プロファイルの構文検査が行われます。

エラーが見つからなければ、check は、rules ファイルから rules.ok ファイルを生成します。コメントと空行をすべて削除し、すべてのルールを保持し、さらに、末尾に次のコメント行を追加します。

# version=2 checksum=num

Procedurerules ファイルの妥当性を検査する方法

手順
  1. check スクリプトが JumpStart ディレクトリにあることを確認します。


    注 –

    check スクリプトは、Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD の Solaris_10/Misc/jumpstart_sample ディレクトリにあります。


  2. JumpStart ディレクトリへ移動します。

  3. check スクリプトを実行して、rules ファイルの妥当性検査を行います。


    $ ./check -p path -r file_name
    
    -p path

    使用しているシステムの check スクリプトではなく Solaris ソフトウェアイメージの check スクリプトを使用して、rules を検証します。path は、ローカルディスク、マウントされた Solaris Operating System DVD、または Solaris SOFTWARE - 1 CD 上のイメージです。

    以前のバージョンの Solaris を実行しているシステムでは、このオプションを使って、check の最新バージョンを実行します。

    -r file_name

    名前が rules 以外の rules ファイル名を指定します。このオプションを使用すると、rules ファイルに組み込む前にルールの妥当性を検査できます。

    check スクリプトを実行すると、rules ファイルと各プロファイルの妥当性検査の結果が報告されます。エラーが発生しなかった場合、次の情報が報告されます。


    The custom JumpStart configuration is ok
  4. rules.ok ファイルの所有者が root になっていて、アクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

参照

rules ファイルの妥当性を検査したあと、カスタム JumpStart オプション機能については、第 7 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用 (作業)」を参照してください。カスタム JumpStart インストールの詳しい実行方法については、第 9 章「カスタム JumpStart インストールの実行 (作業)」を参照してください。