Solaris 10 の概要

NFS Version 4

この機能は、Software Express パイロットプログラムで新しく追加されました。Solaris Express 8/04 で、NFS version 4 がデフォルトになりました。この機能は、Solaris 10 3/05 に組み込まれています。

Solaris 10 OS には、NFS version 4 分散ファイルアクセスプロトコルの Sun の実装が組み込まれています。このバージョンでは、進化を続ける NFS が論理的に新しい段階に到達しています。NFS version 4 プロトコルは、RFC 3530 に規定されており、Internet Engineering Task Force (IETF) の元で作成されました。このバージョンは、特定のベンダーとオペレーティングシステムに依存しない設計になっています。

NFS version 4 では、ファイルアクセス、ファイルロック、およびマウントプロトコルが 1 つのプロトコルに統合されるので、ファイアウォールの通過が容易になり、セキュリティーが向上します。Solaris の NFS version 4 実装は、SEAM としても知られている Kerberos V5 と完全に統合されていますので、認証、整合性、およびプライバシの機能を備えています。NFS version 4 を使用して、クライアントとサーバーとの間で使用するセキュリティーの種類の交渉を行うこともできます。NFS version 4 を実装しているサーバーは、さまざまなセキュリティー種類とファイルシステムに対応できます。

Solaris に実装されている NFS version 4 は、委譲に対応しています。この機能を利用して、特定のファイルの管理をサーバーからクライアントに委譲することができます。この機能により、サーバーからの通知なしにファイルが変更されないことがクライアント側で保証されるため、ラウンドトリップ処理の数が減少します。このプロトコルは、処理の複合にも対応しています。この機能を使用して、複数の処理を 1 つの「ネットワークを介した」要求に結合できます。

NFS version 4 の詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』の第 6 章「ネットワークファイルシステムへのアクセス (リファレンス)」を参照してください。