この説明は、Software Express パイロットプログラムで新しく追加され、Solaris Express 5/04 で更新されました。リンカーとライブラリの更新は、Solaris 9 12/02 と後続のリリースでも導入されました。これらの更新は、Solaris 10 3/05 リリースに組み込まれています。
Solaris 10 OS には、文字列テーブルの圧縮、参照されていないセクションの除去、参照されていない依存関係の検出など、リンカーエディタの機能が含まれています。最新の機能拡張に関するすべての情報については、『リンカーとライブラリ』の付録 D「リンカーとライブラリの新機能および更新された機能」を参照してください。
Solaris Express 5/04 には、次の機能拡張が導入されています。
ファイルシステムが再構築され、多くのコンポーネントが /usr/lib から /lib に移動しました。この変更に応じて、リンクエディタと実行時リンカーのデフォルト検索パスが変更されています。
システムアーカイブライブラリが提供されなくなりました。このため、完全に静的にリンクされた実行可能ファイルは作成できなくなりました。
crle コマンドの -A オプションを使用すれば、別の依存関係をより柔軟に定義できます。
Software Express パイロットプログラムでは、次の機能拡張が導入されています。
リンクエディタで ELF オブジェクトのハードウェアおよびソフトウェア要件を定義するときの柔軟性が向上しています。
実行時のリンクを監査するインタフェース la_objfilter() が追加されています。
共有オブジェクトのフィルタが拡張され、シンボル単位にフィルタを適用できるようになりました。
スレッドローカルストレージがサポートされます。
-z ignore オプションが、リンク編集時に参照されないセクションを排除するように拡張されました。ld(1) のマニュアルページを参照してください。
マップファイル指示子の「protected」を使用して、シンボルの可視設定をより柔軟に定義できます。
dlopen(3DL) と dlsym(3DL) の検索の意味が拡張され、RTLD_FIRST モードが追加されました。()()
参照されていない依存関係を ldd ユーティリティーを使用して確認できます。ldd(1) のマニュアルページの -U オプションを参照してください。