この付録では 、日本語環境で使用する上での留意点について説明します。
Solaris オペレーティングシステムのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) 全般に関するバグ情報と注意事項について説明します。
Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) の実行時に発生する注意事項およびバグ情報について説明します。
Solaris CDE では、ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 の 4 つのロケールを使用できますが、1 人のユーザーが同時に複数のロケール環境を使用することは避けてください。1 人のユーザーが複数のロケールを使用すると、次の問題が起こります。
最初に CDE にログインしたときのロケールにあわせてワークスペースメニューが作成されるため、他のロケールでは、ワークスペースメニューが正しく表示されません。
$HOME/.dt/types に日本語ラベルのついたアクションや日本語名のアクションファイルが存在する場合、そのアクションは、ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK または ja_JP.UTF-8 ロケールのいずれかの環境でしか実行できません。
カレンダに登録した内容は、登録したロケール上でしか表示できません。
ja_JP.UTF-8 ロケールでメールを送信する際のエンコーディングは、デフォルトで ISO-2022-JP です。そのため、英語および日本語だけを含む場合は問題ありませんが、韓国語等の他言語を含む場合、受信側で文字化けが発生する可能性があります。
回避方法 : 新規メッセージウィンドウの「書式」メニューの「文字セットを変更」で「UTF-8」に変更してから、メールを送信してください。だたし、「UTF-8」に変更した場合でも、サブジェクトの文字セットは変更できません。サブジェクトには英語または日本語だけを使用する必要があります。なお、新規メッセージウィンドウでは、「Ctrl-Y」キーによる文字セットの変更は機能しません。
メールプログラムで検索を行う際、検索フィールドに日本語が含まれていると、検索が正しく行われません。
メールファイルに該当する文字列が存在する場合でも、「一致するものがありません」と表示されます。
メールプログラムのツールバーボタンをテキスト表示に設定している場合、ニーモニックが表示されていますが、キーボード上でこれらのツールバーを操作することはできません。
MS-Windows 3.1 用などの TrueType フォントのうち PCK で内部エンコードされたフォント (SpecificID が 2) を Solaris オペレーティングシステムにインストールした場合に、以下の問題が発生します。
X のアウトラインフォントで JIS X 0212 を表示しようとした場合、X サーバーがコアダンプすることがある。
Solaris オペレーティングシステムのリコー HG ゴシック体 B、HG 明朝体 L などの Unicode でエンコーディングされた (SpecificID が 1) TrueType フォントと同時に使用すると、コードポイントが正しく表示されない場合がある。
ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK ロケール上では、デフォルトで mp(1) はユーザー定義文字、JIS X 0212、IBM 選定拡張文字、JIS X 0208 13 区の NEC 特殊文字などの印刷をサポートしていません。これらの文字を印刷する場合は '-M' を指定するか、jpostprint(1) を使用してください (ユーザー定義文字を含む場合は jpostprint(1) を使用してください)。
ja、ja_JP.PCK または ja_JP.UTF-8 ロケールでは、次の機能がサポートされていません。
SUNWale パッケージの mailx、talk、in.comsat
kanji コマンド (ja_JP.UTF-8 ロケールのみサポートされない)
/usr/xpg4/bin と /usr/bin の両方に存在するコマンドは、ja_JP.PCK ロケールおよび ja_JP.UTF-8 ロケールでは /usr/bin のコマンドがサポートされません。したがって、/usr/bin よりも前に /usr/xpg4/bin のパスを加えてください。
ja_JP.PCK ロケールでは PCK を直接扱うことができますが、DOS のテキストファイルと UNIX のテキストファイルの違いは残ります。たとえば、DOS からテキストファイルを PCFS でマウントして持ってくる場合は dos2unix -ascii、DOS へ持っていく場合は unix2dos -ascii がそれぞれ必要になります。詳細は、 pcfs(7)、dos2unix(1)、unix2dos(1) の各マニュアルページを参照してください。
日本語 Solaris 1.x の 4.x バイナリ互換パッケージは ja ロケールのみでサポートされます。
日本語 Solaris 1.x をサポートするために提供された BCP 用のライブラリは、 /usr/4lib/locale/ja の下にあります。このため、BCP アプリケーションを実行するには、以下のように設定してから実行する必要があります。
# cd /usr/4lib # ln -s locale/ja/* . |
なお、システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールを選択した場合は、この設定が自動的に実行されます。
システムのデフォルトロケールとして韓国語などのアジア言語を選択した場合は、選択したアジア言語用の設定が実行されるので、これらのライブラリ (韓国語の場合は locale/ko にシンボリックリンクを張っているライブラリ) を削除してから、上記の設定を行なってください。