『Solaris ボリュームマネージャの管理』では、可能なかぎり、1 つの記憶装置構成に基づいた使用例を示しながら、説明を進めます。この章では、例で使用するシナリオについて説明します。また、以降の各章で使用する記憶装置の初期構成について、詳しく説明します。
この章では、次の内容について説明します。
このマニュアルに示されているさまざまなシナリオや使用例の多くは、1 つの構成に基づいています。この構成自体は説明を簡単にするために小規模なものになっていますが、その概念はより大規模な記憶装置環境にも適用できます。
ハードウェアシステムは、次のように構成されているとします。
物理的に分離された 3 つのコントローラが使用されている (c0 – IDE、c1 – SCSI、および c2 – SCSI)。
各 SCSI コントローラは、6 つの内臓 9G バイトディスク (c1t1 から c1t6 と c2t1 から c2t6) を持つ MultiPack に接続されている。これによって、ミラー構成が作成される。
個々のコントローラ/ターミネータペア (cntn) の使用可能な記憶容量は 8.49G バイトである。
ルート (/) ドライブ c0t0d0 の記憶領域は 6 つのパーティションに分割されている。
この構成を図に示すと次のようになります。
Solaris ボリュームマネージャを構成する前の記憶装置構成を示します。
SCSI コントローラ/ターミネータペア (cntn) の記憶容量はおよそ 20G バイトである。
各ディスク (たとえば、c1t1d0) の記憶領域は、7 つのパーティションに分割されている (cntnd0s0 から cntnd0s6)。
ディスクをパーティションに分割する方法については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ディスクのフォーマット」を参照してください。
このマニュアルでは、作業ごとに特定のシナリオが用意されています。しかし、このマニュアルで使用される例を理解しやすくするために、metastat -p コマンドが出力する最終構成は、ほぼ次のとおりになっています。
[root@lexicon:/]$ metastat -p d50 -r c1t4d0s5 c1t5d0s5 c2t4d0s5 c2t5d0s5 c1t1d0s5 c2t1d0s5 -k -i 32b d1 1 1 c1t2d0s3 d2 1 1 c2t2d0s3 d12 1 1 c1t1d0s0 d13 1 1 c2t1d0s0 d16 1 1 c1t1d0s1 d17 1 1 c2t1d0s1 d25 2 2 c1t1d0s3 c2t1d0s3 -i 32b \ 1 c0t0d0s3 d31 1 2 c1t4d0s4 c2t4d0s4 -i 8192b d80 -p d70 -o 1 -b 2097152 d81 -p d70 -o 2097154 -b 2097152 d82 -p d70 -o 4194307 -b 2097152 d83 -p d70 -o 6291460 -b 2097152 d84 -p d70 -o 8388613 -b 2097152 d85 -p d70 -o 10485766 -b 2097152 d70 -m d71 d72 1 d71 3 1 c1t3d0s3 \ 1 c1t3d0s4 \ 1 c1t3d0s5 d72 3 1 c2t3d0s3 \ 1 c2t3d0s4 \ 1 c2t3d0s5 d123 -p c1t3d0s6 -o 1 -b 204800 d124 -p c1t3d0s6 -o 204802 -b 204800 d125 -p c1t3d0s6 -o 409603 -b 204800 d126 -p c1t3d0s7 -o 3592 -b 20480 d127 -p c2t3d0s7 -o 3592 -b 1433600 hsp010 hsp014 c1t2d0s1 c2t2d0s1 hsp050 c1t2d0s5 c2t2d0s5 hsp070 c1t2d0s4 c2t2d0s4 |
-pオプションの詳細については、metastat(1M) コマンドを参照してください。