Solaris ボリュームマネージャの管理

第 5 章 Solaris ボリュームマネージャの構成と使用

Solaris ボリュームマネージャの管理』では、可能なかぎり、1 つの記憶装置構成に基づいた使用例を示しながら、説明を進めます。この章では、例で使用するシナリオについて説明します。また、以降の各章で使用する記憶装置の初期構成について、詳しく説明します。

この章では、次の内容について説明します。

シナリオの背景情報

このマニュアルに示されているさまざまなシナリオや使用例の多くは、1 つの構成に基づいています。この構成自体は説明を簡単にするために小規模なものになっていますが、その概念はより大規模な記憶装置環境にも適用できます。

ハードウェア構成

ハードウェアシステムは、次のように構成されているとします。

この構成を図に示すと次のようになります。

図 5–1 記憶装置のシナリオによる基本的なハードウェア図

3 つのコントローラとディスクを持つシステム。c1 と c2 にはそれぞれ 6 つのディスクが、c0 にはルートスライスが配置されたディスク 1 つが接続されています。

物理的記憶領域の初期構成

Solaris ボリュームマネージャを構成する前の記憶装置構成を示します。

Solaris ボリュームマネージャの最終的な構成

このマニュアルでは、作業ごとに特定のシナリオが用意されています。しかし、このマニュアルで使用される例を理解しやすくするために、metastat -p コマンドが出力する最終構成は、ほぼ次のとおりになっています。


[root@lexicon:/]$ metastat -p
d50 -r c1t4d0s5 c1t5d0s5 c2t4d0s5 c2t5d0s5 c1t1d0s5 c2t1d0s5 -k -i 32b
d1 1 1 c1t2d0s3
d2 1 1 c2t2d0s3
d12 1 1 c1t1d0s0
d13 1 1 c2t1d0s0
d16 1 1 c1t1d0s1
d17 1 1 c2t1d0s1
d25 2 2 c1t1d0s3 c2t1d0s3 -i 32b \
         1 c0t0d0s3
d31 1 2 c1t4d0s4 c2t4d0s4 -i 8192b
d80 -p d70 -o 1 -b 2097152 
d81 -p d70 -o 2097154 -b 2097152 
d82 -p d70 -o 4194307 -b 2097152 
d83 -p d70 -o 6291460 -b 2097152 
d84 -p d70 -o 8388613 -b 2097152 
d85 -p d70 -o 10485766 -b 2097152 
d70 -m d71 d72 1
d71 3 1 c1t3d0s3 \
         1 c1t3d0s4 \
         1 c1t3d0s5
d72 3 1 c2t3d0s3 \
         1 c2t3d0s4 \
         1 c2t3d0s5
d123 -p c1t3d0s6 -o 1 -b 204800 
d124 -p c1t3d0s6 -o 204802 -b 204800 
d125 -p c1t3d0s6 -o 409603 -b 204800 
d126 -p c1t3d0s7 -o 3592 -b 20480 
d127 -p c2t3d0s7 -o 3592 -b 1433600 
hsp010
hsp014 c1t2d0s1 c2t2d0s1
hsp050 c1t2d0s5 c2t2d0s5
hsp070 c1t2d0s4 c2t2d0s4

-pオプションの詳細については、metastat(1M) コマンドを参照してください。