Solaris ボリュームマネージャの管理

ホットスペア集合の保守

以下の各節では、ホットスペア集合の保守作業を実行する方法を説明します。

Procedureホットスペア集合とホットスペアの状態を確認するには

    次のどちらかの方法でホットスペア集合とそのホットスペアの状態を表示します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ホットスペアプール (Spare Pools)」ノードを開き、ホットスペア集合を選択します。「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択して、詳細な状態情報を表示します。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metastat コマンドを実行します。


      # metastat hot-spare-pool-name
      

例 17–8 ホットスペア集合の状態を表示する

次に、ホットスペア集合に対する metastat コマンドの出力例を示します。


# metastat hsp001
hsp001: 1 hot spare
        c1t3d0s2                Available       16800 blocks

ホットスペア集合の状態を確認するには、metahs コマンドを使用することもできます。

ホットスペア集合の状態と考えられる処置については、 「ホットスペア集合の状態」を参照してください。


Procedureホットスペア集合内のホットスペアを置き換えるには

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のどちらかの方法で、ホットスペアがすでに使用されているかどうかを確認します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ホットスペアプール (Spare Pools)」ノードを開き、ホットスペア集合を選択します。「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択します。さらに「ホットスペア (Hot Spares)」パネルを選択します。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metastat コマンドを使って、ホットスペア集合の状態を表示します。


      # metastat hot-spare-pool-name
      

      詳細は、metastat(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. 次のどちらかの方法でホットスペアを置き換えます。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ホットスペアプール (Spare Pools)」ノードを開き、ホットスペア集合を選択します。「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択します。さらに「ホットスペア (Hot Spares)」パネルを選択します。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metahs コマンドを使用します。


      # metahs -r hot-spare-pool-name current-hot-spare replacement-hot-spare
      
      -r

      特定のホットスペア集合のディスクを交換することを意味します。

      hot-spare-pool-name

      ホットスペア集合の名前を指定します。特殊なキーワード all を使って、すべてのホットスペア集合の対応付けを変更することもできます。

      current-hot-spare

      置き換えの対象となる現在のホットスペアの名前を指定します。

      replacement-hot-spare

      特定のホットスペア集合に含まれる現在のホットスペアと置き換えるスライスの名前を指定します。

      詳細については、metahs(1M)のマニュアルページを参照してください。


例 17–9 1 つのホットスペア集合内のホットスペアを置き換える

次の例では、metastat コマンドを使って、ホットスペアが使用中でないことを確認します。metahs -r コマンドは、ホットスペア集合 hsp003 の ホットスペア /dev/dsk/c0t2d0s2 /dev/dsk/c3t1d0s2 で置き換えます。


# metastat hsp003
hsp003: 1 hot spare
        c0t2d0s2                Broken       5600 blocks
# metahs -r hsp003 c0t2d0s2 c3t1d0s2
hsp003: Hotspare c0t2d0s2 is replaced with c3t1d0s2


例 17–10 対応付けられているすべてのホットスペア集合内のホットスペアを置き換える

次の例では、キーワード all を使って、対応付けられているすべてのホットスペア集合のホットスペア /dev/dsk/c1t0d0s2/dev/dsk/c3t1d0s2 で置き換えます。


# metahs -r all c1t0d0s2 c3t1d0s2
hsp001: Hotspare c1t0d0s2 is replaced with c3t1d0s2
hsp002: Hotspare c1t0d0s2 is replaced with c3t1d0s2
hsp003: Hotspare c1t0d0s2 is replaced with c3t1d0s2

Procedureホットスペア集合からホットスペアを削除するには

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のどちらかの方法で、ホットスペアがすでに使用されているかどうかを確認します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ホットスペアプール (Spare Pools)」ノードを開き、ホットスペア集合を選択します。「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択します。さらに「ホットスペア (Hot Spares)」パネルを選択します。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metastat コマンドを使って、ホットスペア集合の状態を表示します。


      # metastat hot-spare-pool-name
      

      詳細は、metastat(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. 次のどちらかの方法でホットスペアを削除します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ホットスペアプール (Spare Pools)」ノードを開き、ホットスペア集合を選択します。「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択します。さらに「ホットスペア (Hot Spares)」パネルを選択します。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metahs コマンドを使用します。


      # metahs -d hot-spare-pool-name current-hot-spare
      
      -d

      特定のホットスペア集合からホットスペアを削除することを指定します。

      hot-spare-pool

      ホットスペア集合の名前を指定します。特殊なキーワード all を使用して、すべてのホットスペア集合からホットスペアを削除することもできます。

      current-hot-spare

      削除する現在のホットスペアの名前を指定します。

      詳細については、metahs(1M)のマニュアルページを参照してください。


例 17–11 1 つのホットスペア集合からホットスペアを削除する

次の例では、metastat コマンドを使って、ホットスペアが使用中でないことを確認します。次に、metahs -d コマンドを使用して、ホットスペア集合 hsp003 からホットスペア /dev/dsk/c0t2d0s2 を削除します。


# metastat hsp003
hsp003: 1 hot spare
        c0t2d0s2                Broken       5600 blocks
# metahs -d hsp003 c0t2d0s2

Procedureホットスペアを有効にするには

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のどちらかの方法でホットスペアを「使用可能 (available)」状態に戻します。

    • Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」から「ホットスペアプール (Spare Pools)」ノードを開き、ホットスペア集合を選択します。「アクション (Action)」、「プロパティ (Properties)」の順に選択します。さらに「ホットスペア (Hot Spares)」パネルを選択します。画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。

    • 次の形式の metahs コマンドを使用します。


      # metahs -e hot-spare-slice
      
      -e

      ホットスペアを有効にすることを意味します。

      hot-spare-slice

      有効にするスライスの名前を指定します。

      詳細については、metahs(1M)のマニュアルページを参照してください。


例 17–12 ホットスペアを有効にする

この例では、metahs コマンドで、修理の完了したホットスペア /dev/dsk/c0t0d0s2 を「使用可能 (Available)」状態にします。ホットスペア集合を指定する必要はありません。


# metahs -e c0t0d0s2