Solaris ボリュームマネージャの管理

構成ファイルの使用

Solaris ボリュームマネージャの構成ファイルには、Solaris ボリュームマネージャの基本情報の他に、構成を再設定するのに必要なほとんどのデータが含まれています。次の手順で、構成ファイルに関連する作業について説明します。

Procedure構成ファイルを作成するには

    Solaris ボリュームマネージャ環境用のすべてのパラメータを適切に設定したら、metastat -p コマンドで /etc/lvm/md.tab ファイルを作成します。


    # metastat -p > /etc/lvm/md.tab
    

    このファイルには、metainit コマンドと metahs コマンドが使用するすべてのパラメータが含まれています。このファイルは、類似した環境をいくつも用意しなければならない場合、またはシステム障害後に構成を再作成する場合に使用します。

    md.tab ファイルの詳細については、md.tab ファイルの概要」md.tab(4) のマニュアルページを参照してください。

Procedure構成ファイルを使って Solaris ボリュームマネージャを初期化するには


注意 – 注意 –

この手順は、次の状況で使用します。


状態データベースで維持していた情報が失われることがあります。たとえば、状態データベースの複製をすべて削除したあとで、システムをリブートすると、この状況が生じる場合があります。状態データベースの消失後、ボリュームがまったく作成されていない場合は、md.cf ファイルまたは md.tab ファイルを使用して、Solaris ボリュームマネージャの構成を回復できます。


注 –

md.cf ファイルには、アクティブなホットスペアの情報は格納されません。そのため、Solaris ボリュームマネージャ構成が失われたときにホットスペアが使用されていると、アクティブなホットスペアを使用していたボリュームの内容は破壊されていることがあります。


これらのファイルの詳細については、md.cf(4)md.tab(4) のマニュアルページを参照してください。

  1. 状態データベースの複製を作成します。

    詳細は、「状態データベースの複製の作成」を参照してください。

  2. /etc/lvm/md.tab ファイルを作成するか更新します。

    • 最後の状態でSolaris ボリュームマネージャの構成を回復する場合は、md.cf ファイルを /etc/lvm/md.tab ファイルにコピーします。

    • 保存されている md.tab ファイルのコピーを使って新しい Solaris ボリュームマネージャ構成を作成する場合は、保存されているファイルを /etc/lvm/md.tab ファイルにコピーします。

  3. 「新しい」 /etc/lvm/md.tab ファイルを編集して、次の作業を行います。

    • 新しい構成を作成している場合や、クラッシュの後で構成を回復している場合には、ミラーを 1 面ミラーとして構成します。たとえば、次のように指定します。


      d80 -m d81 1
      d81 1 1 c1t6d0s3

      ミラーの各サブミラーのサイズが同じでない場合は、もっとも小さいサブミラーがこの 1 面ミラーに使用されるようにします。そうしないと、データが失われるおそれがあります。

    • 既存の構成を回復している場合、Solaris ボリュームマネージャが正常に終了しているのであれば、ミラー構成を多面ミラーのままにして回復します。たとえば、次のように指定します。


      d70 -m d71 d72 1
      d71 1 1 c1t6d0s2
      d72 1 1 c1t5d0s0
    • RAID-5 ボリュームの場合は、デバイスの再初期化を防止するために -k オプションを指定します。たとえば、次のように指定します。


      d45 -r c1t3d0s5 c1t3d0s3 c1t3d0s4 -k -i 32b

      詳細は、metainit(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. 次の形式の metainit コマンドを使用して、変更をコミットすることなく、/etc/lvm/md.tab ファイルエントリの構文を調べます。


    # metainit -n md.tab-entry
    

    # metainit -n -a
    

    metainit コマンドに -n オプションを付けて実行した場合、同じ実行中にすでに仮想的に作成されているデバイスを記憶しません。このため、md.tab 内に記述された別のボリュームに依存するボリュームを作成しようとすると、-n オプションを指定しなければ正常に実行される場合でも -n オプションを指定するとエラーになることがあります。

    -n

    デバイスを実際には作成しないことを指定します。このオプションは、予期した結果が得られるかどうかを確認する場合に使用します。

    md.tab-entry

    初期化するコンポーネントの名前を指定します。

    -a

    すべてのコンポーネントをチェックすることを指定します。

  5. 前の手順で特に問題がなければ、md.tab ファイルを使ってボリュームとホットスペア集合を作成し直します。


    # metainit -a
    
    -a

    /etc/lvm/md.tab file のエントリをアクティブにすることを指定します。

  6. 必要であれば、metattach コマンドを使用して、1 面ミラーを多面ミラーに変更します。


    # mettach mirror submirror
    
  7. ボリューム上のデータを検証し、構成が正しく再作成されたかどうかを確認します。


    # metastat