Solaris ボリュームマネージャの管理

Procedureソフトパーティションの構成データを復元するには

各ソフトパーティションの先頭部分には、ソフトパーティションエクステントの開始位置を示すセクターがあります。このような隠れたセクターを「エクステントヘッダー」といいます。このヘッダーはソフトパーティションのユーザーには見えません。Solaris ボリュームマネージャの構成データがすべて失われた場合には、ディスクをスキャンして構成データを生成することができます。

この手順は、失われたソフトパーティションの構成情報を復元する最後の手段です。したがって、metarecover コマンドは、metadb ファイルと md.cf ファイルの両方が失われており、また md.tab ファイルも失われているか、md.tab ファイルが古い場合にのみ使用します。


注 –

この手順が有効なのは、ソフトパーティション情報を復元する場合だけです。この手順で、その他の失われた構成を復元したり、他の Solaris ボリュームマネージャボリュームの構成情報を復元したりすることはできません。



注 –

ソフトパーティション上に他の Solaris ボリュームマネージャボリュームが作成されている場合には、ソフトパーティションを復元してから他のボリュームを復元する必要があります。


ソフトパーティションの構成情報は、デバイスと状態データベースに格納されています。どちらかのソースが破壊されている可能性があるため、どちらが信頼できるソースなのかを metarecover コマンドに知らせる必要があります。

最初に、metarecover コマンドを使って 2 つのソースが一致するかどうかを判定します。両者が一致する場合は、metarecover コマンドを使って変更を行うことはできません。ただし、metarecover コマンドから不一致が伝えられた場合は、出力を丹念に調べ、ディスクが壊れているのか、それとも状態データベースが壊れているのかを判断する必要があります。さらに、metarecover コマンドを使用して、適切なソースに基づいて構成を再作成します。

  1. 「ソフトパーティション構成の指針」を確認します。

  2. metarecover コマンドを実行し、出力されたソフトパーティション回復情報を検討します。


    # metarecover component-p -d 
    
    component

    raw コンポーネントの cnt ndnsn 名を指定します。

    -p

    ソフトパーティションを再作成することを指定します。

    -d

    物理スライスをスキャンしてソフトパーティションのエクステントヘッダーを検出することを指定します。


例 25–2 ディスク上のエクステントヘッダーからソフトパーティションを復元する


# metarecover c1t1d0s1 -p -d
The following soft partitions were found and will be added to
your metadevice configuration.
 Name            Size     No. of Extents
    d10           10240         1
    d11           10240         1
    d12           10240         1
# metarecover c1t1d0s1 -p -d
The following soft partitions were found and will be added to
your metadevice configuration.
 Name            Size     No. of Extents
    d10           10240         1
    d11           10240         1
    d12           10240         1
WARNING: You are about to add one or more soft partition
metadevices to your metadevice configuration.  If there
appears to be an error in the soft partition(s) displayed
above, do NOT proceed with this recovery operation.
Are you sure you want to do this (yes/no)?yes
c1t1d0s1: Soft Partitions recovered from device.
bash-2.05# metastat
d10: Soft Partition
    Device: c1t1d0s1
    State: Okay
    Size: 10240 blocks
        Device              Start Block  Dbase Reloc
        c1t1d0s1                   0     No    Yes

        Extent              Start Block              Block count
             0                        1                    10240

d11: Soft Partition
    Device: c1t1d0s1
    State: Okay
    Size: 10240 blocks
        Device              Start Block  Dbase Reloc
        c1t1d0s1                   0     No    Yes

        Extent              Start Block              Block count
             0                    10242                    10240

d12: Soft Partition
    Device: c1t1d0s1
    State: Okay
    Size: 10240 blocks
        Device              Start Block  Dbase Reloc
        c1t1d0s1                   0     No    Yes

        Extent              Start Block              Block count
             0                    20483                    10240

この例では、すべての状態データベースの複製が誤って削除されているときに、ディスクから 3 つのソフトパーティションを復元します。