Solaris ボリュームマネージャの管理

ホットスペアの仕組み

入出力エラーが発生した場合、Solaris ボリュームマネージャは、ホットスペア集合にホットスペアが追加された順序に基づいて、ホットスペア集合内でホットスペアを探します。Solaris ボリュームマネージャは、障害のあるスライスとサイズが同じかそれ以上のサイズの最初のホットスペアをホットスペア集合から探します。Solaris ボリュームマネージャが最初に見つけた、適切なサイズのホットスペアが不良スライスの置き換えに使用されます。Solaris ボリュームマネージャはそのホットスペアを「使用中 (In-Use)」の状態にして、必要であれば、データの同期化を自動的に開始します。ホットスペア集合内でのホットスペアの順序は、置き換えの後も変わりません。

ホットスペアの同期化には、サブミラーの場合は有効なサブミラーのデータが使用され、RAID-5 ボリュームの場合は、同じボリュームの他のスライスが使用されます。十分な大きさのホットスペアがホットスペア集合にないと、障害が発生したサブミラーや RAID-5 ボリュームはエラー状態となり、ホットスペアは使用されません。この場合、サブミラーではデータを完全に複製することができなくなり、RAID-5 ボリュームではデータの冗長性が失われます。


ヒント –

ホットスペア集合にホットスペアを追加するときは、小さいものから順に追加してください。これによって、小さいスライスの置き換えのために「大きい」スライスがむだに使用されることを防げます。


スライスで入出力エラーが発生すると、そのスライスは「障害 (Broken)」状態になります。この状態から回復するためには、まず、不良スライスを修理または交換します。次に、Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」を使用して、スライスを「使用可能 (Available)」状態に戻します。または、metahs -e コマンドを使用します。

サブミラーまたは RAID-5 ボリュームは、障害の発生したスライスが有効になるか、または交換されるまで、そのスライスの代わりにホットスペアを使用します。使用が終わると、そのホットスペアはホットスペア集合内で「使用可能 (Available)」になります。このホットスペアは再び使用可能になります。