Solaris ボリュームマネージャは、多数のディスクとそれらのディスク上のデータを管理するためのソフトウェア製品です。Solaris ボリュームマネージャにはいろいろな用途がありますが、ほとんどの場合、次の目的で使用されます。
記憶容量を増加する
データ可用性を向上する
大規模な記憶デバイスの管理を容易にする
状況によっては、Solaris ボリュームマネージャを使用すると、入出力性能が向上することもあります。
Solaris オペレーティングシステムでサポートされるディスクの種類については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 11 章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。
Solaris ボリュームマネージャは、仮想ディスクを使用して、物理ディスクとその関連データの管理を行います。Solaris ボリュームマネージャでは、仮想ディスクをボリュームと呼びます。ただし、従来からの慣習により、コマンド行ユーティリティーではボリュームをメタデバイスと呼ぶこともあります。
アプリケーションまたはファイルシステムから見た場合、ボリュームはディスクと同じ機能です。Solaris ボリュームマネージャは、ボリュームに対する入出力要求を、そのボリュームを構成するメンバーディスクに対する入出力要求に変換します。
Solaris ボリュームマネージャのボリュームは、ディスクスライスまたはほかの Solaris ボリュームマネージャボリュームから作成されます。Solaris 管理コンソールに組み込まれているグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使えば、ボリュームを簡単に作成できます。Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」を使用することで、存在しているすべてのボリュームの情報を表示できます。管理者は、ウィザードのステップに従うだけで、Solaris ボリュームマネージャのあらゆる種類のボリュームとコンポーネントを簡単に作成できます。また、Solaris ボリュームマネージャのコマンド行ユーティリティーを使用しても、ボリュームの作成や変更が行えます。
たとえば、大きな記憶領域を 1 つのボリュームとして作成したい場合、Solaris ボリュームマネージャを使用すると、複数のスライスの集まりを単一の大容量ボリュームとして扱うように、システムを設定できます。このような複数のスライスから作成した単一のボリュームは、ただちに、「実」スライスまたは「実」デバイスと同じように使用できます。
ボリュームの詳細については、「ボリュームの概要」を参照してください。
Solaris ボリュームマネージャでは、RAID-1 (ミラー) ボリュームや RAID-5 ボリュームを使ってデータの信頼性と可用性を高めることができます。Solaris ボリュームマネージャのホットスペアを使用すれば、ミラーや RAID-5 ボリュームのデータ可用性をさらに向上できます。
構成の設定が完了したら、Solaris 管理コンソール内の「拡張ストレージ」を使って動作状況を検査できます。