RAID-1 ボリュームまたは RAID-5 ボリュームのコンポーネントを交換する場合は、次の指針に従ってください。
必ず「保守 (Maintenance)」状態のコンポーネントを先に交換してから、「最後にエラー (Last Erred)」状態のコンポーネントを交換します。
コンポーネントの交換と再同期の実行後、metastat コマンドを使用してボリュームの状態を確認します。さらに、データを検証します。「最後にエラー (Last Erred)」状態のコンポーネントを交換したり有効にすることは、通常、一部のデータがすでに失われていることを意味します。ボリュームの修復後に、そのデータが正しいことを必ず確認してください。UFS の場合は、fsck コマンドを実行して、「メタデータ (ファイルシステムの構造)」を検証します。さらに、実際のユーザーデータを確認します(実際には、ユーザーが各自のファイルを確認する必要があります)。データベースなどのアプリケーションは、独自の方法で内部のデータ構造を検証できなければなりません。
コンポーネントを交換する場合は、状態データベースの複製やホットスペアが存在していないか必ずチェックします。「エラー (erred)」状態の状態データベースの複製を削除してから、物理ディスクを交換する必要があります。そして、コンポーネントを有効にする前に、この状態データベースの複製を追加してください。ホットスペアの場合も同じ処理が必要です。
RAID-5 ボリュームでは、コンポーネントの交換時に次のどちらかの方法でデータが回復されます。現在使用中のホットスペアから、またはホットスペアが使用されていない場合は RAID-5 パリティーを使用して、データが回復されます。
RAID-1 ボリュームでコンポーネントを交換した場合は、Solaris ボリュームマネージャがボリュームの他の部分に対して新しいコンポーネントの再同期を自動的に開始します。再同期が終了すると、新しいコンポーネントは読み書きが可能になります。障害の発生したコンポーネントがホットスペアのデータで置き換えられると、そのホットスペアが「使用可能 (Available)」状態になり、ほかのホットスペア交換に使用できるようになります。
新しいコンポーネントのサイズは、古いコンポーネントを置き換えられるだけの大きさでなければなりません。
「最後にエラー (Last Erred)」状態のデバイスを交換する場合は、用心のためにすべてのデータのバックアップを取ってください。