Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

一般的なドライバパラメータ

moddebug

備考欄

このパラメータが有効なとき、モジュールのロードプロセスの各種ステップについてのメッセージが表示されます。

データ型

符号付き整数

デフォルト

0 (メッセージを表示しない)

範囲

最も有用な値は次のとおりです。

  • 0x80000000 – [un] loading... メッセージを出力します。モジュールがロードされるたびに、次のようなメッセージがコンソールと /var/adm/messages ファイルに出力されます。


    Nov 5 16:12:28 sys genunix: [ID 943528 kern.notice] 
    load 'sched/TS_DPTBL' id 9 loaded @ 0x10126438/
    0x10438dd8 size 132/2064 
    Nov 5 16:12:28 sys genunix: [ID 131579 kern.notice] 
    installing TS_DPTBL, module id 9.
  • 0x40000000 – 詳細なエラーメッセージを出力します。モジュールがロードされるたびに、次のようなメッセージがコンソールと /var/adm/messages ファイルに出力されます。


    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 284770 kern.notice] 
    kobj_open: can't open /platform/SUNW,Ultra-80/kernel/
    sched/TS_DPTBL
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 284770 kern.notice] 
    kobj_open: can't open /platform/sun4u/kernel/sched/
    TS_DPTBL
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 797908 kern.notice] 
    kobj_open: '/kernel/sch...
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 605504 kern.notice] 
    descr = 0x2a
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 642728 kern.notice] 
    kobj_read_file: size=34,
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 217760 kern.notice] 
    offset=0
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 136382 kern.notice] 
    kobj_read: req 8192 bytes,
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 295989 kern.notice] 
    got 4224
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 426732 kern.notice] 
    read 1080 bytes
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 720464 kern.notice] 
    copying 34 bytes
    Nov 5 16:16:50 sys krtld: [ID 234587 kern.notice] 
    count = 34
    [33 lines elided]
    Nov 5 16:16:50 sys genunix: [ID 943528 kern.notice] 
    load 'sched/TS_DPTBL' id 9 loaded @ 0x10126438/
    0x10438dd8 size 132/2064
    Nov 5 16:16:50 sys genunix: [ID 131579 kern.notice] 
    installing TS_DPTBL, module id 9.
    Nov 5 16:16:50 sys genunix: [ID 324367 kern.notice] 
    init 'sched/TS_DPTBL' id 9 loaded @ 0x10126438/
    0x10438dd8 size 132/2064
  • 0x20000000 - より詳細なメッセージを出力します。この値は、システムブート時には 0x40000000 フラグが出力する以上の詳細情報は出力しません。モジュールのロード解除時には、モジュールの解放に関する詳細情報を出力します。

これらの値は足し合わせて指定できます。

動的か

はい

検査

なし

どのような場合に変更するか

期待通りにモジュールがロードされない場合や、モジュールのロード中にシステムがハングしている疑いがある場合。0x4000000 を設定すると、多数のメッセージがコンソールに書き込まれるため、システムのブートがかなり遅くなることに留意してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

ddi_msix_alloc_limit

備考欄

x86 システムでのみ使用可能なこのパラメータは、デバイスインスタンスが割り当てることのできる拡張メッセージ信号割り込み (MSI-X) の数を制御します。既存のシステムの制限により、デフォルト値は 2 です。このパラメータの値を大きくすることによって、デバイスインスタンスが割り当てることのできる MSI-X 割り込みの数を増やすことができます。このパラメータを設定するには、/etc/system ファイルを編集するか、またはデバイスドライバの接続が発生する前に mdb を使用してパラメータを設定します。

データ型

符号付き整数

デフォルト

2

範囲

1 から 16

動的か

はい

検査

なし

どのような場合に変更するか

デバイスインスタンスが割り当てることのできる MSI-X 割り込みの数を増やすため。ただし、デバイスインスタンスが割り当てることのできる MSI-X 割り込みの数を増やすと、割り込み数が不足してすべての割り当て要求を満足できなくなる可能性があります。この状況が起きた場合、一部のデバイスが機能を停止したり、システムが起動に失敗したりする可能性があります。そのような場合は、パラメータの値を小さくするか、またはパラメータを削除してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、ddi_msix_alloc_limit (Solaris 10 リリースおよび OpenSolaris 2009.06 リリース)」を参照してください。