Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

nfs:nfs_async_clusters

備考欄

NFS バージョン 2 クライアントによって生成される非同期要求の組み合わせを制御します。非同期要求には、read-ahead、putpage、pageio、readdir-ahead という 4 つのタイプがあります。クライアントは、これらのタイプをラウンドロビンに処理し、特定の要求タイプだけを優遇することがないようにします。

しかし、書き込みの一括化 (書き込みをまとめる) などの NFS バージョン 2 サーバーの機能の中には、既存の NFS バージョン 2 クライアントの特定の動作に依存するものがあります。特に、この機能では、クライアントが複数の WRITE 要求をほぼ同時に送信することに依存します。キューから要求を 1 度に 1 つずつ取り出したのでは、クライアントのパフォーマンスを高めるために設けられたこのサーバー機能が生かされません。

そこで、このパラメータを使用して、タイプが変更されるまでに送信される、各要求タイプの要求数を制御します。

データ型

符号なし整数 (32 ビット)

デフォルト

1

範囲

0 から 231 - 1

単位

非同期要求

動的か

はい。ただし、ファイルシステムに対するクラスタ設定は、ファイルシステムのマウント時に設定されます。特定のファイルシステムに影響を与えるには、このパラメータを変更してからそのファイルシステムをアンマウントし、再びマウントします。

検査

ありません。しかし、このパラメータに 0 を設定すると、キューに入れられている特定の要求タイプの要求がすべて処理されてから、次のタイプが処理されます。これによって、アルゴリズムの公平性の部分が実質的に無効にされます。

どのような場合に変更するか

あるタイプについて次のタイプへ移行する前に生成される非同期要求の数を増やす場合。これによって、クライアントからの要求のクラスタに依存するサーバーの機能が生かされる場合があります。

コミットレベル

変更の可能性あり