Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

/etc/system ファイルに設定する TCP/IP パラメータ

次のパラメータは、/etc/system ファイル内でのみ設定できます。ファイルを変更したあとで、システムをリブートしてください。

たとえば、次のエントリでは ipcl_conn_hash_size パラメータを設定します。


set ip:ipcl_conn_hash_sizes=value

ipcl_conn_hash_size

備考欄

IP によって使用される接続ハッシュテーブルのサイズを制御します。デフォルト値 0 の場合、システムは、使用可能なメモリー容量に基づいて、ブート時にこのパラメータの適切な値を自動的に決定します。

データ型

符号なし整数

デフォルト

0

範囲

0 から 82,500

動的か

いいえ。このパラメータはブート時にのみ変更できます。

どのような場合に変更するか

常に非常に大量の TCP 接続が確立されているシステムでは、それに応じてこの値を増やすことができます。ハッシュテーブルサイズを大きくすると、より多くのメモリーが消費され、ユーザーアプリケーション用として提供できるメモリーの量が減ります。

コミットレベル

変更の可能性あり

ip_squeue_worker_wait

備考欄

TCP/IP パケットを squeue に格納して処理するワークスレッドが起動するまでの最大遅延時間を制御します。squeue は TCP/IP カーネルコードが TCP/IP パケット処理に使用する直列化キューです。

デフォルト

10 ミリ秒

範囲

0 から 50 ミリ秒

動的か

はい

どのような場合に変更するか

遅延が発生しないほうが望ましく、かつ、ネットワークトラフィックが少ない場合。たとえば、対話型ネットワークトラフィックの大部分がマシンで処理されている場合など。

ネットワークファイルサーバー、Web サーバーなど、実際にネットワークトラフィックが発生しているすべてのサーバーでは、通常、デフォルト値が最適です。

ゾーン構成

このパラメータを設定できるのは、大域ゾーン内だけです。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、ip_squeue_worker_wait (Solaris 10 11/06 リリース)」を参照してください。