Solaris のシステム管理 (基本編)

クライアントとサーバーサポートの管理に関する新機能

この節では、この Solaris リリースで新たに追加または変更されたディスクレスクライアント機能について説明します。 Oracle Solaris リリースの新機能の完全な一覧やその説明については、『Oracle Solaris 10 9/10 の新機能』を参照してください。

bootadm - p コマンドによるプラットフォーム指定のサポート

bootadm コマンドに、-p platform 引数が新たに追加されました。このオプションを使用すると、クライアントプラットフォームがサーバープラットフォームと異なる場合 (ディスクレスクライアントを管理している場合など) に、クライアントシステムのプラットフォームまたはマシンのハードウェアクラスを指定できます。

詳細は、bootadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

nfs4_domain キーワードがディスクレスクライアントのブートに与える影響

Oracle Solaris 10 で配布されていた set_nfs4_domain スクリプトは、NFSv4 ドメインの設定に使用されなくなりました。NFSv4 ドメインを設定するには、新しい nfs4_domain キーワードをディスクレスクライアントの sysidcfg ファイルに追加してください。sysidcfg ファイルに nfs4_domain キーワードがある場合は、ディスクレスクライアントの最初のブート時にドメインが適切に設定されます。

x86: GRUB ブート環境のディスクレスクライアントの変更点

新しいディスクレスブート方式では、次の機能が拡張されています。

x86: smdiskless コマンドの変更点

ディスクレスクライアントを設定するには smdiskless コマンドを使用します。以前の smdiskless コマンドは、ルート (/) および /usr ファイルシステムを設定してから、NFS 経由でこれらのファイルシステムをクライアントにエクスポートしていました。クライアントをブートするには、さらに /tftpboot 領域を手動で構成する必要がありました。この手動で構成する手順が、ディスクレスクライアントを設定するときに必要なくなりました。smdiskless コマンドが、/usr/sadm/lib/wbem/config_tftp ファイルのスクリプトを自動的に呼び出して、PXE ブートのための /tftpboot 領域を準備します。

smdiskless コマンドの実行後に、/tftpboot/01 ethernet-address ファイルが pxegrub および /tftpboot/menu.lst.01 ethernet-address ファイルへのリンクとして表示されます。このファイルには、GRUB メニューエントリが含まれます。この例の ethernet-address では、クライアントネットワークインタフェースの Ethernet アドレスの先頭に 01 が付いています。 クライアントネットワークインタフェースの Ethernet アドレスを指定するときには、大文字を使用し、コロンは含めないでください。

ディスクレスクライアントのブートアーカイブは、シャットダウン時に自動的に更新されます。シャットダウン時にクライアントのブートアーカイブの期限が切れている場合は、OS サーバーから次のコマンドを実行して、ブートアーカイブを更新する必要があります。


# bootadm update-archive -f -R /export/root/host-name

host-name はクライアントシステムのホスト名です。

詳細は、「x86: フェイルセーフモードでブートして、破壊されたブートアーカイブを強制的に更新する方法」 and the bootadm(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

この情報は、x86 ベースのクライアントを運用する SPARC および x86 ベースの OS サーバーに適用されます。


DHCP の設定および構成の詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 14 章「DHCP サービスの構成 (手順)」を参照してください。

GRUB ブート環境でのディスクレスクライアントの管理方法の詳細は、「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。