ITU ユーティリティーを使用して、ソフトウェアパッケージとパッチのドライバ更新 (DU) 形式への変換、および Oracle Solaris インストールメディアへのパッチ適用を行います。これにより、これらの新規パッケージとパッチを使用してシステムをブートできるようになります。Oracle Solaris 10 9/10 以降、itu コマンドが変更され、SPARC システム上に ITU を作成して格納し、新規作成した ITU を使ってシステムをブートできるようになりました。
ITU ユーティリティーを使用すると、インストール時にドライバをすぐにインストールして、バグ修正を適用できます。次の手順は、SPARC システムで ITU を作成および格納し、新規作成した ITU を使ってシステムをブートするプロセスを示します。
ITU を使ってブートするシステムで、ユーパーユーザーになります。
itu コマンドに次のオプションを指定して、ITU を作成します。
# itu makedu -r solaris-release -o iso-file package1-name package2-name... |
1 つ以上のドライバパッケージを入力として取り、パッケージを DU 形式に変換します。
ドライバを更新する Oracle Solaris リリースの番号を指定します。使用されるリリース番号の形式は、5.10 です
作成する ISO イメージファイルのパスを指定します。
itu コマンドおよびそのオプションすべての詳細は、itu(1M) のマニュアルページを参照してください。
システムを ok PROM プロンプトにします。
auto-boot プロパティーを無効にします。
ok setenv auto-boot?=false |
システムをリセットします。
ok reset-all |
前の手順により、システムのブート時に itu-device 文字列が消去されないことが保証されます。このため、この手順は重要です。
cdrom 別名を見つけます。
ok devalias cdrom |
この別名は、システムに接続されている CD または DVD ドライブのデバイスパスです。この出力は、システムによって変化することに留意してください。たとえばこの手順では、cdrom 別名の場所は次のようになります。
/pci@8,700000/scsi@1/disk@6,0:f |
ITU のインストールに使用される itu-device のパスを設定します。
次の例に示すように、config-string の最初の部分で手順 6 の出力が使用されます。
ok> " /pci@8,700000/scsi@1/disk@6,0:f" d# 80 config-string itu-device |
80 は文字列の最大長を表します。cdrom 別名を変更して 80 文字より長くする場合は、この数値を必要に応じて大きくします。
ITU を使ってシステムをブートします。
ok boot |
システムをブートし、Solaris インストールプロセスが始まると、itu-device に格納されている ITU がシステムにより検出されます。次に、itu-device で使用可能なシステムコンポーネントがシステムで識別および構成されます。これらのドライバ用のデバイスも識別および構成されます。インストールが完了すると、デバイスがインストール先として使用可能になります。
インストールの完了後に、auto-boot プロパティーのデフォルト値が復元されて、システムがブートします。
ok setenv auto-boot?=true |
前述の例では、auto-boot プロパティーのデフォルト値が true であることを前提としています。
システムをブートします。
ok boot |