Solaris のシステム管理 (基本編)

システムシャットダウンコマンド

システムをシャットダウンするもっとも基本的な方法は、initshutdown の各コマンドを使用する方法です。どちらのコマンドも、システムを「正常な状態でシャットダウンする」ため、すべてのファイルシステムに対する変更がディスクに書き出され、すべてのシステムサービス、プロセス、オペレーティングシステムが正常に終了します。

システムのアボートキーシーケンスを使用したり、電源をオフにしてからオンにする方法では、システムサービスが突然終了してしまうので、正常なシャットダウン方法とはいえません。しかし、緊急時には、これらの方法が必要となる場合もあります。システムの復旧方法については、第 12 章Oracle Solaris システムのブート (手順) and第 13 章Oracle Solaris ブートアーカイブの管理 (手順)を参照してください。


注 –

Solaris 10 6/06 以降のリリースが稼働する x86 システムでは、電源ボタンを押して離すとシステムの正常なシャットダウンが開始されます。この方法は、init 5 コマンドを使用するのと同等です。


次の表に、各種シャットダウンコマンドとその用途を要約します。

表 10–1 シャットダウンコマンド

コマンド 

説明 

用途 

shutdown

init プログラムを呼び出してシステムをシャットダウンする実行可能なシェルスクリプト。デフォルトでは、システムは実行レベル S に移行します。

実行レベル 3 で動作しているサーバーで使用します。サーバーにログインしているユーザーに、サーバーが間もなくシャットダウンされることが通知されます。シャットダウンされるサーバーのリソースをマウントしているシステムにも通知されます。  

init

すべてのアクティブなプロセスを終了し、ディスクを同期させてから実行レベルを変更する実行可能ファイル。

ほかのユーザーが影響を受けないスタンドアロンシステムで使用します。ユーザーはまもなく行われるシャットダウンについて通知されないので、シャットダウンにかかる時間が短くて済みます。 

reboot

ディスクを同期させ、ブート命令を uadmin システムコールに渡す実行可能ファイル。このシステムコールによってプロセッサが停止します。

init コマンドを使用するのが望ましい方法です。

haltpoweroff

ディスクを同期させ、プロセッサを停止する実行可能ファイル。

すべてのプロセスを正常にシャットダウンしないで、残りのファイルシステムをすべてマウント解除するため、推奨されていません。正常なシャットダウンを行わずにサービスを停止する操作は、緊急時またはほとんどのサービスがすでに停止している場合に限って行うべきです。