Solaris のシステム管理 (上級編)

Procedureバッファー動作をチェックする方法 (sar -b)

  1. sar -b コマンドを使用すると、バッファー動作の統計情報が表示されます。

    バッファーは、メタデータをキャッシュするために使用されます。メタデータには、i ノード、シリンダグループブロック、間接ブロックなどがあります。


    $ sar -b
    00:00:00 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s
    01:00:00       0       0     100       0       0      55       0       0

例 13–5 バッファー動作をチェックする (sar -b)

次の sar -b コマンド出力の例は、%rcache バッファーと %wcache バッファーが処理速度を低下させていないことを示します。すべてのデータは許容範囲に収まっています。


$ sar -b

SunOS balmyday 5.10 s10_51 sun4u    03/18/2004

00:00:04 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s
01:00:00       0       0     100       0       0      94       0       0
02:00:01       0       0     100       0       0      94       0       0
03:00:00       0       0     100       0       0      92       0       0
04:00:00       0       1     100       0       1      94       0       0
05:00:00       0       0     100       0       0      93       0       0
06:00:00       0       0     100       0       0      93       0       0
07:00:00       0       0     100       0       0      93       0       0
08:00:00       0       0     100       0       0      93       0       0
08:20:00       0       1     100       0       1      94       0       0
08:40:01       0       1     100       0       1      93       0       0
09:00:00       0       1     100       0       1      93       0       0
09:20:00       0       1     100       0       1      93       0       0
09:40:00       0       2     100       0       1      89       0       0
10:00:00       0       9     100       0       5      92       0       0
10:20:00       0       0     100       0       0      68       0       0
10:40:00       0       1      98       0       1      70       0       0
11:00:00       0       1     100       0       1      75       0       0

Average        0       1     100       0       1      91       0       0

次の表は、-b オプションを指定したときに表示されるバッファー動作を示します。

フィールド名 

説明 

bread/s

ディスクからバッファーキャッシュに投入された 1 秒当たりの平均読み取り数 

lread/s

バッファーキャッシュからの 1 秒当たりの平均論理読み取り数 

%rcache

バッファーキャッシュ内で見つかった論理読み込み数の割合 (lread/s に対する bread/s の比を 100% から差し引いた値)

bwrit/s

バッファーキャッシュからディスクに書き込まれた 1 秒当たりの平均物理ブロック数 (512 ブロック) 

lwrit/s

バッファーキャッシュへの 1 秒当たりの平均論理書き込み数 

%wcache

バッファーキャッシュ内で見つかった論理書き込み数の割合 (lwrit/s に対する bwrit/s の比を 100% から差し引いた値)

pread/s

キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当たりの平均物理読み取り数 

pwrit/s

キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当たりの平均物理書き込み要求数 

もっとも重要なエントリは、キャッシュヒット率 %rcache %wcache です。これらのエントリは、システムバッファリングの有効性を測定します。%rcache が 90% 未満の場合や、%wcache が 65% 未満の場合は、バッファー領域を大きくすればパフォーマンスを改善できる可能性があります。