Solaris のシステム管理 (上級編)

Procedureプロセスの優先順位を変更する方法 (nice)

この方法により、ユーザーがプロセスの優先順位を下げることができます。ただし、スーパーユーザーはプロセスの優先順位を上げたり、下げたりすることができます。


注 –

この節では /usr/bin/nice コマンドの構文についてだけ説明し、C シェル nice 組み込みコマンドについての説明は行いません。C シェルの nice コマンドについては、csh(1) のマニュアルページを参照してください。


  1. プロセスの優先順位をユーザーとして変更するか、スーパーユーザーとして変更するかを決定します。次のいずれかの手順に従います。

    • ユーザーとして、手順 2 の例に従ってコマンドの優先順位を下げます。

    • スーパーユーザーとして、手順 3 の例に従ってコマンドの優先順位を上げたり下げたりします。

  2. ユーザーとして、nice 値を大きくすることでコマンドの優先順位を下げます。

    次の nice コマンドは、nice 値を 5 単位分大きくすることで、 command-name を実行する優先順位を下げます。


    $ /usr/bin/nice -5 command-name
    

    上記のコマンドでは、マイナス記号は次にくるものがオプションであることを表します。このコマンドは、次のように指定することもできます。


    % /usr/bin/nice -n 5 command-name
    

    次の nice コマンドは、nice 値をデフォルトの 10 単位分大きくすることで、 command-name の優先順位を下げます。ただし、最大値の 39 を超えさせることはできません。


    % /usr/bin/nice command-name
    
  3. スーパーユーザーか同等の役割で、nice 値を変更してコマンドの優先順位を上げたり下げたりします。

    次の nice コマンドは、nice 値を 10 単位分小さくすることで、command-name の優先順位を上げます。ただし、最低値の 0 未満にすることはできません。


    # /usr/bin/nice --10 command-name
    

    上記のコマンドでは、最初のマイナス記号は次にくるものがオプションであることを表します。2 番目のマイナス記号は負の数を表します。

    次の nice コマンドは、nice 値を 5 単位分大きくすることで、command-name の優先順位を下げます。ただし、最高値の 39 を超えさせることはできません。


    # /usr/bin/nice -5 command-name
    
参照

詳細は、nice(1) のマニュアルページを参照してください。